平成17年版男女共同参画白書

コラム > ノーベル賞を受賞した女性

ノーベル賞の授賞式は,毎年,12月10日にスウェーデンのストックホルムとノルウェーのオスロで行われる。平成16年(2004年)の受賞者10名のうち,女性は3名であり,ノーベル賞の100年余の歴史を通じて初めて,女性が5部門のうち3部門での同時受賞を果たした。植樹運動などを通じてケニアとアフリカの持続可能な発展に向け,全体的な取組を進めた環境活動家ワンガリ・マータイ氏がアフリカ女性として初めてノーベル平和賞を受賞し,においのかぎ分けと記憶の仕組みを解明したリンダ・バック博士の生理学・医学賞は,自然科学部門で平成7年(1995年)以来9年ぶりの女性による受賞であった。

明治34年(1901年)から始まったノーベル賞の授賞数は695名(延べ数)と20団体を数える。このうち,女性の受賞者数は34名で全体の5%,自然科学部門の女性受賞割合は更に低く,2%(延べ12名,実数11名)であり,その内訳は,物理学賞1%,化学賞2%,生理学・医学賞4%である。

伝記で名高いマリー・キュリー博士は,明治36年(1903年)に物理学賞,明治44年(1911年)に化学賞と男女を通じてただ一人,自然科学の異なる部門で2回受賞している。

日本人では,昭和24年(1949年)に湯川秀樹博士が物理学賞を受けて以来,12名が受賞している。平成12年(2000年)から平成14年(2002年)まで毎年連続して化学賞を受賞し,平成14年(2002年)は物理学賞との2部門で受賞という快挙をなし遂げている。このように,近年,日本人の受賞者が増えているが,女性受賞者は,未だいない。

女性のノーベル賞受賞者の最初の3名は,マリー・キュリー博士の2度目の受賞を例外として,すべて夫との共同研究による受賞である。その後の受賞者3名は,結婚していたが,独立した研究を実施した。

サミュエルソン・ノーベル財団理事長は,平成16年(2004年)の開会式の挨拶において,「ノーベル賞は20世紀の科学・文化を映し出す鏡であり,近年の受賞理由は1970年代,1980年代の科学的成果に基づく。女性への授賞が少ないことは,その時代の科学分野における女性の地位を反映する。過去一世紀のノーベル賞は,19,20世紀前半の価値観に準拠したものであり,本年のノーベル賞(女性3名が3部門で受賞)は21世紀における受賞者への変化を垣間見せた。」と語っている。

自然科学部門における国別の女性ノーベル賞受賞者数(延べ数)別ウインドウで開きます

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