「共同参画」2025年5月号

特集2

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム 福井県開催

内閣府男女共同参画局総務課

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(以下「男性リーダーの会」)は、現在約320名の企業の社長や地方自治体の首長等が参加し、女性活躍推進に関して取組の共有や意見交換を行っています。令和2年度より各地域企業の男性リーダーへと本会のネットワークを拡げることを目的に、地域シンポジウムを開催しており、この度、福井県で12回目を開催しました。当日は、企業の代表をはじめ約180名の多くの方にご参加、ご視聴いただきました。

【地域シンポジウム・福井県開催概要】

●日時:令和7年2月6日(木)13:30~15:00

●場所:福井県国際交流会館/Zoomウェビナーのハイブリッド形式

●主催:輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(事務局:内閣府男女共同参画局) 

●共催:福井県

開会挨拶

◆三原 じゅん子
 女性活躍担当大臣/内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

三原大臣挨拶の様子
三原大臣挨拶の様子

三原大臣は、開会挨拶の中で、女性役員比率の高い企業の方が企業としてのパフォーマンスが高いことについて触れるとともに、多様性の確保が企業の成長だけでなく魅力的な地域の実現、日本経済の発展につながるものであるとして、シンポジウムの参加者に女性活躍の重要性を訴えました。

また、シンポジウムで得られた学びをそれぞれの組織に持ち帰り、トップ主導の下、組織内及び地域の女性活躍を加速してほしいと呼びかけました。

◆杉本 達治
 福井県知事

杉本知事ご挨拶の様子
杉本知事ご挨拶の様子

福井県は共働き率が全国1位、女性就業率が全国2位であり、多くの女性が働いている。仕事でも家庭でもがんばっているため、ゆとり時間が少ない状況にも触れ、今後女性が自分らしく活躍していくためには、今の在り方を社会全体で大きく見直していく必要があると述べました。

また、県の取組として、ふくい女性活躍推進企業登録制度・女性登用アワードの創設や、夫婦・家族で家事をシェアすることで女性のゆとり時間を確保できるような共家事(トモカジ)の取組を進めていることを紹介しました。

「女性活躍社会」は、周りにいる男性も一緒になって支え合い活躍する「男性活躍社会」であり、さらには組織トップがリーダーシップを発揮して女性が活躍しやすい職場づくりを進める「社長活躍社会」でもあり、それぞれの活躍が結果的に組織の成長や社会の発展に繋がるとし、参加者に対して女性活躍推進への協力を呼びかけました。

基調講演
テーマ:「女性活躍推進への想いと取組み」

◆帝人株式会社 代表取締役社長執行役員 CEO)
 内川 哲茂 氏

内川社長
内川社長

社会が多様化する状況において、これまでと同じような価値観や経営感覚だけでは、企業を存続・成長させていくことが難しい時代となっているとし、多様な人財が能力を最大限発揮できるような組織をつくることで、様々な知恵を集めイノベーションを起こしたい、そしてその第一歩は女性がイキイキと働く職場を作ることであり、それは経営者の責務である、と自身の女性活躍推進への想いを語りました。

女性活躍は将来の自社の成長の礎になると考え、帝人グループでは1999年から現在に至るまで20年以上、女性活躍推進について様々な取組みを実施し、現在ではさらに多様な人財が活躍できるよう、グローバルでのDE&Iに取り組んでいます。会社側がポジションや必要なスキルを提示し、社員は自ら手を挙げ、誰でもそのポジションにチャレンジできる仕組みを整えたことで、自律的なキャリア形成を促していることを紹介しました。

また、他社を交えた「4社クロスメンタリング」は、役員が自社以外の女性管理職のメンティとしてメンタリングを実施したことで、女性管理職だけでなく男性役員にとっても新たに気付きを得るきっかけになったと紹介しました。

今後は、タウンホール等を通して社員との対話を大切にすることで、多様な人財が働きやすく、活躍できる職場作りをさらに加速していきたいと意気込みを語りました。

パネルディスカッション
テーマ:「女性活躍推進における組織トップの役割」

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

左上から時計周りに
杉本 達治 氏 (福井県知事)
笹岡 千晶 氏 (株式会社アタゴ 代表取締役社長)
長谷川 英一 氏(株式会社福井銀行 取締役 兼 代表執行役頭取)
横田 響子 氏 (株式会社コラボラボ 代表取締役)ファシリテーター

女性の管理職登用についてコミットしていること、組織トップのリーダーシップについて

・管理職になる前段階として、まずは仕事への理解を深め、自分も管理職になりたいと思うことができるようになることが女性活躍推進においては重要である。また、男女ともに働き方改革も重要である。テレワークとフレックスタイムを整備したことで、男女ともに育児・介護等の各家庭の事情に合わせて勤務ができるようになり、結果として女性も男性もそのパートナーも活躍しやすい環境が整ってきた。

・「トップが思わないことは実現しない」と考える。その上で自身の本気度が伝わるよう、あらゆる場面でダイバーシティ・女性活躍推進の重要性について発信をし、人事配置においてもこれまで男性が多かった部門や管理職へ女性を登用することも積極的に進めている。

・身近にロールモデルがいない場合は、他の人と同じようにできるのか、迷惑をかけてしまわないかと不安に感じるため、新たな一歩を踏み出すことに躊躇してしまう。上司やリーダーの役割としては、そのような不安をくみ取り寄り添うこと、さらにその上のリーダーは不安を感じさせない仕組み、風土づくりが重要である。

これから女性活躍推進のために取り組みたいこと

・これからは、働きやすさから、働きがいや成長を実感できるステージに持っていきたい。現在「仕事の意味づけ」というテーマでタウンホールミーティングを行っており、全職員が自分事としてとらえられるように役員と議論を重ねている。また、ワークライフバランスというけれども、ワークとライフどちらも充実させることが可能であるという意識改革にも取り組んでいる。これからは制度の充実だけではなく、マインド面の底上げを行っていきたい。

・「隗よりはじめよ」の精神で、まずは自分自身が休暇取得や仕事を早く切り上げて率先して帰るようにしていきたい。また、「なぜ登用されたか」「自信がない」など、女性管理職登用を唐突、不安に感じる女性へのフォローアップをさらに重視していく。審議会等をはじめ、意思決定層に女性が増えることで、社会の実態に合い、今まで足りなかった部分に手が届くことを実感している。

・無意識のうちに性別での役割分担をしてしまっている場面を見かけることもあり、そのことが女性活躍推進の弊害となっている場合もある。その部分を変えていくためにも、アンコンシャスバイアスへの周知を進めたい。また、女性社員だけでなく、男性社員のパートナーが仕事面で活躍できるよう、例えば家事育児で活躍できる男性社員を育てたい。


シンポジウムの内容や参加者の声は、こちらからご覧ください。
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/event/index_20241220.html


「男性リーダーの会」へのご参加はこちらから!
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/join.html

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