「共同参画」2025年1月号

特集5

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム 高知県開催

内閣府男女共同参画局総務課

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(以下「男性リーダーの会」)は、現在約320名の企業の社長や地方自治体の首長等にご参加いただき、女性活躍推進に関して取組の共有や意見交換を行っています。令和2年度より各地域企業の男性リーダーへと本会のネットワークを拡げることを目的に、地域シンポジウムを開催しており、この度、高知県で11回目を開催しました。当日は、企業の代表をはじめ約170名の方にご参加いただきました。

地域シンポジウム・高知県開催概要

●日時:令和6年11月19日(火)13:30~15:00

●場所:ちより街テラス「ちよテラホール」/ Zoomウェビナーのハイブリッド形式

●主催:輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(事務局:内閣府男女共同参画局)

●共催:高知県

開会挨拶

◆三原 じゅん子
 女性活躍担当大臣/内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

三原大臣挨拶の様子
三原大臣挨拶の様子

三原大臣は、開会挨拶の中で、女性役員比率の高い企業の方が企業としてのパフォーマンスが高いことについて触れるとともに、多様性の確保が企業の成長だけでなく魅力的な地域の実現、日本経済の発展につながるものであるとして、シンポジウムの参加者に女性活躍の重要性を訴えました。

また、シンポジウムで得られた学びをそれぞれの組織に持ち帰り、トップ主導の下、組織内及び地域の女性活躍を加速してほしいと呼びかけました。

◆濵田 省司
 高知県知事

濵田知事ご挨拶の様子
濵田知事ご挨拶の様子

濵田知事は、高知県内では若い女性の転出超過とそれに伴う子どもの出生数減少が進む中、人口減少対策の大きな柱として「共働き・共育て」宣言を行い、県民運動として重点的に取り組み始めたことを紹介しました。男性育休の取得が当たり前となり、多様な価値観を大事にする高知県になることで、若い女性が高知県に帰ってくること、そして移住してもらうことへの後押しにつなげたいとしました。

また、人手不足は多くの企業において経営上の大きな課題になっていることにも触れ、従来型の働き方にとらわれず、女性の活躍を推進し多様な価値観を活かすことが重要であると述べて、男性リーダーの今後の行動と決断により、より良い高知県になることを期待していると締めくくりました。

基調講演
テーマ:「男性リーダーによる女性活躍推進への想いと取組」

◆日本生命保険相互会社 代表取締役社長 社長執行役員
 清水 博 氏

清水社長は自身が社長就任以来、「人は力、人が全て」という言葉を一貫して唱えており、組織を持続的に発展させる原動力は人であり、一人一人が持つ能力を最大限発揮できる環境を整える責任を企業、そして組織トップは負っているとし、その責任を果たすべく、女性活躍を実現するための人材育成においては「リーダーを志向する意識を持たせる」「挑戦する機会を与える」「挑戦する人をサポートする」といった3つを重視しながら様々な取組を行っていることを紹介しました。

また、組織トップが行う重要な施策としては、会社の目標を設定・公表し達成に向けて定期的にPDCAを回すこと、そしてトップ自らのコミットメントが重要であると語りました。

最後に、女性活躍を推進することは、女性の活躍にとどまらず、様々な個性を持った意欲のある人材が能力を最大限発揮できる多様で、公正で、包摂的な社会を目指していく、いわゆるDE&I社会を目指す上で大変重要であるとし、今後も清水社長自身がコミットし積極的に取り組みたいと意気込みを発信しました。


清水社長のご講演の様子
清水社長のご講演の様子


パネルディスカッション
テーマ「女性活躍推進における組織トップの役割」


パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

(左上から時計周りに)

株式会社幸 代表取締役

中平 武志氏

株式会社技研製作所 取締役 専務執行役員

前田 みか氏

株式会社高知銀行 取締役会長

森下 勝彦氏

株式会社ファミーリエ 代表取締役社長

徳倉 康之氏

(ファシリテーター)


女性の管理職登用についてコミットしていること、組織トップのリーダーシップについて

・女性、男性にかかわらず子育て中の親たちが、経営参画できるように意識。日中にできない会議を、子どもも参加する懇親会の場で会社の経営課題を語り合うようにしたことが、女性活躍推進の第一歩になった。

・営業店への訪問時に社員と積極的に会話し、女性職員に対する非経験分野や上位職位への挑戦を促し女性活躍の場を広げていった。一方で男性職員に対しては、女性職員の活躍は当たり前であるという意識改革を促した。

・女性は圧倒的な知識と経験不足から「私には務まらない」と自身にレッテルを貼り、敬遠してきた歴史がある。今までとは違うタイプの管理職でもいいと、当時の創業経営者が明言してくれたことで、自身は挑戦できた。

これから女性活躍推進に向けて取り組みたいことについて

・人事制度の改正によりキャリアパスの多様化を図り、女性が経営幹部になりやすい環境を作ることを目指している。また、女性は外部とのネットワークづくりの機会が少ないため、異業種交流を通して互いの悩みや課題を共有し、社内だけでは得られない知見や気づきを得られるよう、異業種交流活動を促進していきたい。

・残業をしないとできない業務があると、育児等の様々な理由で残業ができない人にとっては習得できないことになり、男女関係なくキャリアアップにつながりにくくなる原因となるので、業務改善を図りたい。

・女性のライフイベント(妊娠・出産)は社会に参画する大きなプロジェクトであり、社内のキャリアにおいてマイナス評価にならない社内制度を確立したい。また、広く管理職のポストに就かせられるようローテーション異動による多能工職員を育成したい。


シンポジウムの内容や参加者の声は、こちらからご覧ください。
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/event/index_20240912.html


「男性リーダーの会」へのご参加はこちらから!
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/join.html

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