特集2
令和6年度「男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣賞」「女性のチャレンジ賞」受賞者・受賞団体紹介
内閣府男女共同参画局総務課
令和6年度の「男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰」は、岸田内閣総理大臣、加藤内閣府特命担当大臣(男女共同参画)出席のもと、6月24日に表彰式を行いました。また、「女性のチャレンジ賞」について、加藤内閣府特命担当大臣(男女共同参画)出席のもと、6月26日に表彰式を行いました。本年度の受賞者、受賞団体をご紹介します。受賞された皆様、おめでとうございます。
男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰
多年にわたり、男女共同参画社会に向けた気運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などに内閣総理大臣から表彰するものです。今年度は下記の10名に贈られました。(50音順、敬称略)
|
安里 千恵子(あさと ちえこ) 元沖縄県中部農業士会理事 |
沖縄日本復帰前から長年にわたり、生活改善組織に関わり、沖縄県農漁村女性組織連絡協議会会長、沖縄県女性団体連絡協議会会長を歴任し、農村社会における女性の地位向上や男女共同参画社会の形成に大きく貢献するとともに、食と農の重要性への理解を深めるための取組にも尽力した。 |
|
井東 敬子(いとう けいこ) 鶴岡ナリワイプロジェクト代表 |
好きなことで地域課題を解決する小さな起業「ナリワイ」を目指す「鶴岡ナリワイプロジェクト」を設立。講座を通して、「ナリワイ起業」という“新しい働き方”を提案し、多くの女性に多様な働き方で自分の能力を発揮するきっかけをもたらし、女性の社会参画を促進した。 |
|
内海 房子(うつみ ふさこ) 前独立行政法人国立女性教育会館理事長 |
平成23年に民間企業出身として初めて、独立行政法人国立女性教育会館の理事長に就任し、それまでの女性教育にとどまらずに、企業に対する男女共同参画研修や、女性管理職育成に関する調査研究の実施、これまで取組が十分ではなかった学校教育分野の事業実施、オンライン講座やe-ラーニングを活用した教育・学習、調査研究事業の展開等に取り組み、全国の男女共同参画の促進に貢献した。 |
|
及川 公子(おいかわ きみこ) 前特定非営利活動法人岩手県地域婦人団体協議会会長 |
多年にわたり女性団体の代表等を務め、県民への男女共同参画に関する意識醸成を図るとともに、東日本大震災津波後は、現地で陣頭にたって女性の立場から被災者支援に尽力するとともに、東日本大震災津波復興委員として、震災からの復興における男女共同参画の推進に寄与した。 |
|
荻原 典子(おぎはら のりこ) 内閣総理大臣認定適格消費者団体特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海理事長 |
長年にわたり弁護士として消費者被害事件の被害回復と予防のための取り組みを続け、女性として初めての愛知県弁護士会消費者委員会委員長を務め、日本弁護士連合会でも消費者契約法の制定と消費者団体訴訟制度の立法運動に尽力した。消費者団体訴訟制度の担い手である適格消費者団体特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海の設立に関わり、理事長として活動を牽引した。 |
|
伊達 紫(だて ゆかり) 宮崎大学理事補佐(テニュアトラック推進・男女共同参画推進担当) |
宮崎大学が設置した清花アテナ男女共同参画推進室(現DEI推進室)室長、同大学理事・副学長等として、学内外で女性研究者等の活動を支援。また、平成25年から宮崎県男女共同参画審議会委員を、平成30年からは同審議会会長を務める等、本県の男女共同参画・女性の活躍推進に尽力。 |
|
松本 和子(まつもと かずこ) 特定非営利活動法人女性ネットSaya-Saya共同代表理事 |
平成12年にDV等の被害女性と子どもを支援する団体「女性ネットSaya-Saya」を設立し、無料電話相談、自助グループミーティングなどを開始する。平成20年にNPO人となり、全国の自治体などでDV被害に関する講演や研修を行うほか、DV被害女性の子どもの居場所・学習支援・子ども食堂や、地域に開いた就労支援事業なども行い、DV被害者支援及びDV防止に係る取組の促進に貢献した。 |
|
武曾 惠理(むそう えり) 京都華頂大学現代生活学部・食物栄養学科教授 |
医学界において、腎臓学の基礎、臨床研究業績を重ねつつ、女性医師等のキャリア形成や男性も女性も働きやすい環境づくり、管理栄養士や看護師などとの医療連携もすすめ、男女共同参画の推進に大きく貢献した。 |
|
森川 茂子(もりかわ しげこ) 女性の人権サポート・くろーばー名誉会長 |
平成19年に山梨県内初のDV被害者のための民間シェルター「女性の人権サポートくろーばー」を立ち上げ、代表として15年間被害者に寄り添い続け、シェルターにとどまらず、電話・面接相談、DV予防啓発講座、被害者交流事業やピアサポート事業等多岐にわたる活動を通じ、被害者が尊厳を取り戻し安心して生活できる社会づくりに貢献した。 |
|
吉岡 和子(よしおか かずこ) 香川県各種女性団体協議会副会長 |
「香川県各種女性団体協議会」の役員を長きにわたり歴任し、女性団体相互のネットワークづくりに貢献するとともに、間税会女性部や商工会議所女性会、婦人団体連絡協議会などで幅広く役員を歴任し、男女共同参画の推進に寄与した。また、香川県男女共同参画審議会委員として男女共同参画プランの策定に関わるなど、本県の男女共同参画及び女性活躍社会の実現に努めた。 |
令和6年6月24日(月)首相官邸で表彰式を開催しました。
表彰式の様子は首相官邸ホームページをご覧ください。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202406/24hyoushou.html
女性のチャレンジ賞
起業、NPO法人での活動、地域活動等にチャレンジしている女性個人、女性団体・グループ及びそのようなチャレンジを支援する個人、団体・グループを内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)から表彰するものです。
〈女性のチャレンジ賞〉 受賞者4名 五十音順、敬称略 |
||
|
池田 香代子(いけだ かよこ) 一般社団法人京丹後龍宮プロジェクト代表理事 株式会社とト屋代表取締役 推薦者:京都府 |
地方の伝統文化や原風景、地元の人との交流を楽しみたいという新たな観光ニーズの高まりから、「京丹後龍宮プロジェクトチーム」の立ち上げリーダーとして、地元の主要な産業である水産業を中心とした多様な体験型プログラムを開発・提供。漁船を活用した定置網体験や遊覧船、にぎり寿司体験などでは地元の漁師や住民がツアーガイドとして活躍し、地域の新たな観光資源の発掘や雇用の創出・収入確保、都市部との交流、地元女性の活動の場の創出など、地域の活性化に大きく貢献。 |
|
髙橋 さゆり(たかはし さゆり) 東京大学医科学研究所附属病院泌尿器科・診療科長・特任准教授 推薦者:一般(東京大学) |
約18年間にわたる啓蒙活動・就労環境改善、および女医のロールモデルとして学術活動に励んだ結果、泌尿器科を選択する女性研修医が増加し、高齢化社会でニーズが高まり医師不足であった泌尿器科医療の充足に貢献した。2020年東京大学医科学研究所に泌尿器科を新規開設し、女性初の国立大学泌尿器科科長として後進の育成、先進医療に貢献している。 |
|
牧野嶋 彩子(まきのしま あやこ) 株式会社人と古民家代表取締役 推薦者:千葉県 |
千葉県の古民家を後世に残し日本文化を保存・継承するため、(株)人と古民家を設立。古民家を改築した一棟貸し宿泊施設や、レンタルスペースを開業し、それぞれで売上・来場者数を増やしている。宿泊施設では平均年齢70歳の地域住民たちをスタッフとして採用し雇用を生み出す等、「統合的な地域活性化としての古民家再生ビジネスモデル」として千葉県建築文化賞優秀賞を受賞。また、本社スタッフが全員女性で構成され、様々な環境下でも皆が働き続けられるよう女性目線での会社経営と建築づくりを目指している。 |
|
三田 かおり(みた かおり) 株式会社Retocos代表取締役 推薦者:佐賀県 |
化粧品材料の椿の種の価格の安さ故、椿の収穫人口の減少や、耕作放棄地が増加する離島に課題を感じ、「島独自でお金を生み出す仕組みを作りたい」との思いから2020年起業。島民の収入源となるよう種の価格を上げ、椿・ハーブ・キヌア等の栽培も始めた。畑はすべて無農薬・無化学肥料の「有機JAS」認証を受け、誰がどこの畑で何を作ったかが分かる「トレーサビリティー」も導入し、付加価値を付けた。SDGsの観点からも化粧品やアパレルの大手企業まで幅広く評価され、取引を行っている。 |
〈女性のチャレンジ支援賞〉 受賞者1名、受賞団体1先 五十音順、敬称略 |
||
|
小林 美由紀(こばやし みゆき) 公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ理事 推薦者:一般(公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ) |
日本の大学在学中に、女子サッカーチームを創設後、留学先のアメリカでも、サッカー部に入部。男女差のない充実した環境に衝撃を受け、日本でも気兼ねなく女子がサッカーをできる環境を作りたいと、リーグや組織の創設に尽力。またサッカーを通じたアメリカ留学機会を提供する団体「ブリッジ」を主宰し、女子サッカー選手の育成に貢献。2004年からは、スポーツに関わる女性を支援する「NPO法人ジュース」の理事として女性リーダー育成に尽力。2021年よりWEリーグ理事に就任し、多様性社会実現に向け、Women Empowermentをサッカー界から発信し続けている。 |
|
消化器外科女性医師の活躍を応援する会(AEGIS-Women) 会長 河野 恵美子(こうの えみこ) 推薦者:厚生労働省 |
2018年消化器外科領域新規課題に初めてGenderに関する研究が採択。2021年日本消化器外科学会に男女共同参画委員会が設置され、委員長に女性が就任、学会内に働き方改革関連の委員会が設置される流れを作った。2022年、女性が初めて学会理事に就任し男女共同参画は加速。2023年日本消化器外科学会総会において、女性消化器外科医に男性消化器外科医と同等の手術執刀機会を担保するという「函館宣言」が採択。現在、日本消化器外科学会の30歳未満の会員に占める女性の割合は22.4%にまで増加している。 |
〈女性のチャレンジ賞特別部門賞「気候変動問題等の環境問題におけるチャレンジ」〉 受賞者3名 五十音順、敬称略 |
||
|
菅原 八重子(すがはら やえこ) 虫生川周辺の自然を守る会会長 推薦者:兵庫県 |
荒れ果てた「虫生(むしゅう)の森」をひとりで片付けはじめ、仲間達とともに、4年の歳月をかけて、かつての住民が散策できる森の姿を取り戻した。シロバナウンゼンツツジの群生するコナラ群落は兵庫県版レッドデータブックBランクに位置づけられ、2018年川西市の特別指定天然記念物にも指定され、絶滅危惧種も含む300種類以上の動植物が生育する生物多様性保全の場として機能している。現在も地域の小中学校で環境学習や体験学習を行い、地域の多く子ども達に貴重な自然を知ってもらい、守っていこうとする想いを育む活動を継続している。 |
|
橋本 福美(はしもと ふくみ) 株式会社中特ホールディングス代表取締役 推薦者:山口県 |
食品廃棄物リサイクル(植物残渣を餌としてダチョウを飼育し、卵の生産を行う)や、汚泥のリサイクル(建設工事や工場などから排出される塩分を含んだ汚泥をセメント原料にリサイクル)など独自性の高い事業を行い、工業地帯である周南地域のニーズに合わせたサービスを展開。地域密着型の様々な環境・社会活動を実施し社員の研鑽に取り組むなど、人材育成に注力。また、リサイクルアートコンテストや、英語でプログラミングを学ぶ子供向け教室の開催など、周南地域の若者・子供を応援し、未来につながる地域を巻き込んだイノベーションの場づくりを行っている。 |
|
長谷川 知子(はせがわ ともこ) 立命館大学総合科学技術研究機構教授 推薦者:一般(立命館大学) |
これまでに提案されている気候変動抑制策が、気候変化・土地利用変化・農業経済などを通じ世界の食料安全保障にどのような影響を与えるか分析を行ってきた。本成果は、農業・土地利用を介した政策の総合的な評価を明瞭かつ定量的に示したものとして、世界的にも注目を集めている。また、IPCC第6次評価報告書 第3次作業部会において報告書作成の中心的役割を担うなど、世界の最前線で気候変動問題に取り組むとともに、ウェブサイト上での研究成果の継続的配信、SDGsシンポジウム2021への登壇など、社会の科学リテラシー向上にも努めている。 |
令和6年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰受賞者URLはこちら
https://www.gender.go.jp/public/commendation/souri/meibo-r06.html
令和6年度女性のチャレンジ賞受賞者URLはこちら
https://www.gender.go.jp/public/commendation/women_challenge/katudoug-r06.html