第11回リーダーミーティングを開催
令和5年11月1日、第11回「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」リーダーミーティングを開催しました。
平成26年に9名で始まったこの会は、女性活躍推進に積極的な企業や地方自治体等、各団体のトップの男性リーダーが集まり、現在320名近い男性リーダーへ参加の輪が広がっています。昨年に引き続きハイブリッド開催となった今回のミーティングでは、52名の男性リーダーの皆様と約120名のオブザーバーの皆様(男性リーダー所属団体の役員等)にご参加いただき、大変な盛り上がりを見せました。
※「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」参加方法はこちらをご覧ください。
開催概要
加藤鮎子 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)女性活躍担当大臣 開会挨拶
加藤鮎子内閣府特命担当大臣(男女共同参画)は、女性活躍を推進する上での組織トップのコミットメントの重要性について触れ、自ら行動を起こし、発信されている男性リーダーの皆様へ敬意を表すとともに、女性登用の加速化、男性の育児休業取得の促進をはじめとする平時や育児期を通じた多様で柔軟な働き方の推進、男女間賃金格差の解消に向けた取り組みなどを政府としても推進していることを紹介しました。
また、組織トップの参加者同士で情報交換するとともに、女性活躍・男女共同参画についての想いを共有することで、各社・各団体における取組が更に充実し、女性の皆様お一人お一人の活躍につながることを期待する旨の発言がありました。
グループディスカッション
今回のミーティングでは初めての試みとして、男性リーダー同士のグループに分かれてのディスカッションが2回行われました。また、外部からお招きした女性活躍の専門家の皆様にもファシリテーター※としてディスカッションに御参加いただきました。
1回目は「女性役員の登用など経営層・意思決定層におけるダイバーシティの確保」、2回目は「男性の育児休業の現状・課題・取組」もしくは「男女間賃金格差の要因と解消のための取組」から男性リーダー自身に選択していただいたテーマにて、活発な意見交換がなされました。
グループディスカッションの終わりには、各グループで出た意見を共有するとともに、男性リーダーの皆様の考える「私の行動宣言」をそれぞれがフリップボードに記載しました。
※ファシリテーターの皆様(敬称略 氏名五十音順)
- 大嶋 寧子
- 株式会社リクルート リクルートワークス研究所 主任研究員
- 河野 真理子
- 株式会社キャリアン 代表取締役
- 小早川 優子
- 株式会社ワークシフト研究所 代表取締役
- 小安 美和
- 株式会社Will Lab 代表取締役
- 是枝 俊悟
- 株式会社大和総研 主任研究員
- 田瀬 和夫
- SDGパートナーズ有限会社 代表取締役CEO
- 只松 観智子
- 株式会社Think Impacts 代表取締役
- 塚越 学
- 株式会社日本ギャップ解決研究所 代表取締役
- 塚原 月子
- 株式会社カレイディスト 代表取締役
- 羽生 祥子
- 株式会社羽生プロ 代表取締役社長
- 山田 久
- 法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科 教授
- 横田 響子
- 株式会社コラボラボ 代表取締役
4. 岡田恵子 男女共同参画局長 閉会挨拶
岡田局長より、グループディスカッションでは様々な業界・業種の男性リーダーに熱心に議論いただき心強く感じたこと、そして男女共同参画・女性活躍推進に関する取組を推し進めるためには、組織トップの協力が欠かせず、今後とも力をお貸しいただきたいと述べました。
最後に、女性が能力を最大限に発揮して活躍できるよう、引き続き政府一体となって取り組んでいく旨を伝えました。
グループディスカッションご意見概要
【「女性役員の登用など経営層・意思決定層におけるダイバーシティの確保」ご意見まとめ】
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- 経営層、意思決定層に女性の登用を進めるうえでは、本人たちの意識の問題と同時に組織風土が問題となるという議論になった。各論的には、女性登用を進めようとしてもポストの数が十分にないことが障害となるとの意見があった。これに対してはタスクフォースやプロジェクトを立ち上げ、そのトップに女性を配置し、管理職経験を積ませるという対策が提案された。
- ◆
- 共通していたのは、意思決定層へと上がっていくにあたり、女性たちが現状に満足していることや、家庭生活等との両立がより一層困難になることを恐れているということ。この課題に対して、係長の段階からプレッシャーがかかる仕事を任せたり、自分らしいリーダーシップの築き方に関する研修を行ったりといった取組について意見交換が行われた。
- ◆
- 男性の育児休業取得率については100%を達成していたり、ここ数年で急激に上昇していたりする団体が多かった。課題は取得期間の短さにあり、1か月以内がほとんどということだった。この対策としては、会社から育休制度について周知する際に、人事部からではなく直属の上司から行うといったことが挙げられた。さらに、なぜ女性は長く育休を取得できるのかという疑問から、「もともとの仕事の割振りに男女差があったのではないか」と、女性活躍推進に関する論点も示された。ここから働き方改革や風土の醸成の観点から、男性育休が起爆剤になるという話題も出た。
- ◆
- 男性の育児休業の取得に関して、取得率、取得日数、取得人数の全てが上昇しているが、やはりまだ取得に対するためらいや取りにくさが残っているという課題が挙げられた。この課題の背景としては「仕事の属人化」が挙げられた。当然、休むと誰かに何らかのしわ寄せが出てくるが、それと同時に、男性育休を進めることで、仕事が細分化され、細かな担当ごとに情報が閉じられてしまっている状況があらわになり、その解決につながる可能性が期待された。鳥と卵の関係のように、男性育休がきっかけとなって情報共有が促進されることで、不正防止などのガバナンス面でもプラスになっていくということも話題に上った。
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- ディスカッションの開始早々に男女賃金格差の数値に関する議論を終えて、その背後にある男女間の管理職等への登用状況の違いやコース別人事の問題、またメンバーシップ型雇用とジョブ型雇用の違いなど、構造的背景にまで議論が及んだ。最終的にはグローバルな労働市場など、ジョブ型雇用になるとそもそも男女賃金格差はない、という結論となった。日本においてジョブ型雇用が浸透するのか、不透明さもあるが、すでに社内でジョブのルール化を進めている参加者もあった。男女間賃金格差については、表面上の数値的な男女差ではなく、その背景にある要因と構造の改革に集中することが重要ではないかという点で、意見が一致した。
- ◆
- 業界ごとに男女間賃金格差の度合いは異なるが、どの参加団体も同じ職階、ランク内での格差はほとんどないということだった。すなわち、管理職以上の役職における女性比率の低さが、賃金格差の大きな要因であり、女性登用をいかに進めていくかが問題解決の糸口となるという議論がなされた。また、地域の民間企業の女性経営者との交流を通じて意識の醸成を図ったり、直属の上司ではない役職者によるメンタリングなど様々な取組が紹介された。
【「男性の育児休業の現状・課題・取組」ご意見まとめ】
【「男女間賃金格差の要因と解消のための取組」ご意見まとめ】
【男性リーダーによる「私の行動宣言」】(※氏名五十音順)
当日のご感想
※オブザーバーの方からいただいたご意見も含まれます。
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- 各企業や他団体の取組を伺うことで参考になることが多く、やはり女性活躍推進は社会全体で考えていく内容だと実感いたします。女性の社会進出を後押しするためには、家事や育児、介護の役割分担も平等であるべきと痛感しました。
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- 先進の民間企業のお話を聞く機会がめったにないので、大変参考になります。今後もぜひ、こうした機会があるとありがたい。
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- 企業と行政が一堂に会し、実践されている取組事例や他市(行政)の現状など、幅広く情報を得ることができる良い機会となっています。
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- 今回、初参加でしたが、各社の取組みが聞けましたし、ディスカッションも十分な時間があったので非常に有意義な会だと思いました。勉強になりました。
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- グループディスカッションは最初は緊張しましたが、参加者の方々が良い方ばかりで、楽しく、有意義な時間が過ごせました。
出席された男性リーダーの皆様 ※敬称略 氏名五十音順
- 浅田 剛夫
- 井村屋グループ株式会社 取締役 取締役会議長(COB)
- 池田 憲人
- 株式会社ゆうちょ銀行 取締役兼代表執行役社長
- 石坂 茂
- 株式会社IBJ 代表取締役社長
- 伊藤 秀博
- レカム株式会社 代表取締役社長CEO
- 大塚 渉爾
- 社会福祉法人美芳会 理事長
- 大森 雅夫
- 岡山市 市長
- 影山 剛士
- 湖西市 市長
- 片山 象三
- 西脇市 市長
- 勝木 敦志
- アサヒグループホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
- 加藤 貞則
- 株式会社ちゅうぎんフィナンシャルグループ 取締役社長(代表取締役)
- 関貫 久仁郎
- 豊岡市 市長
- 木下 孝彦
- NECネクサソリューションズ株式会社 代表取締役執行役員社長
- 木村 研一
- デロイト トーマツ グループ CEO
- 木村 浩一郎
- PwC Japanグループ 代表
- 久保田 章市
- 浜田市 市長
- 久米 博明
- 藤久運輸倉庫株式会社 代表取締役
- クリストフ・ウェバー
- 武田薬品工業株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
- 古出 眞敏
- アフラック生命保険株式会社 代表取締役社長長
- 合田 一朗
- 東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社 代表取締役社長
- 古賀 博文
- 三井倉庫ホールディングス株式会社 代表取締役社長
- 粉川 昭一
- 日光市 市長
- 小沼 宏行
- サトーホールディングス株式会社 代表取締役 社長執行役員 グループCEO
- 近藤 重敏
- 三井住友建設株式会社 代表取締役社長 執行役員社長
- 酒井 幹夫
- 不二製油グループ本社株式会社 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)
- ジェームス・ナッシュ
- AIGジャパン・ホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEO
- 島田 和幸
- 株式会社ファンケル 代表取締役 社長執行役員 CEO
- ジャン・ピエール・シャリトン
- 日本ロレアル株式会社 代表取締役社長
- 白岩 孝夫
- 南陽市 市長
- 杉山 直
- 国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 総長
- 鈴見 健夫
- 学校法人芝浦工業大学 理事長
- 高浜 敏之
- 株式会社土屋 代表取締役
- 谷垣 邦夫
- 株式会社かんぽ生命保険 取締役兼代表執行役社長
- 谷澤 幸生
- 国立大学法人山口大学 学長
- 玉井 孝直
- ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 代表取締役社長
メディカル カンパニー プレジデント - 知野 雅彦
- KPMGジャパン 共同チェアマン
- ディルク・オステイン
- メットライフ生命保険株式会社 代表執行役 会長 社長 最高経営責任者
- 徳永 繁樹
- 今治市 市長
- 富田 秀夫
- リフィニティブ・ジャパン株式会社 代表取締役社長
- 永田 恭介
- 国立大学法人筑波大学 学長
- 永田 良一
- 株式会社新日本科学 代表取締役会長兼社長
- 中村 康佐
- バンク・オブ・アメリカ 副会長
- 那須 保友
- 国立大学法人岡山大学 学長
- 西森 良太
- 株式会社CAC Holdings 代表取締役社長
- 濵長 一彦
- 大塚倉庫株式会社 代表取締役社長
- 平山 宏
- 株式会社システムリサーチ 代表取締役社長
- 藤井 栄一郎
- 白岡市 市長
- 藤江 太郎
- 味の素株式会社 取締役 代表執行役社長 最高経営責任者
- 丸山 将一
- エムケー精工株式会社 代表取締役社長
- 宮橋 勝栄
- 小松市 市長
- 宮本 洋一
- 清水建設株式会社 代表取締役会長
- 山田 裕一
- 白石市 市長
- 吉岡 晃
- アスクル株式会社 代表取締役社長CEO