第10回リーダーミーティングを開催
令和4年11月21日、第10回「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」リーダーミーティングを開催しました。
平成26年に9名で始まったこの会は、女性活躍推進に積極的な企業や地方自治体等、各団体のトップの男性リーダーが集まり、現在300名近い男性リーダーへ参加の輪が広がっています。初のハイブリッド開催となった今回のミーティングでは、過去最大級となる男性リーダーと男性リーダー所属団体の役員等のオブザーバー、合わせて約200名にご参加いただきました。
※「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」参加方法はこちらをご覧ください。
開催概要
1.小倉將信 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)女性活躍担当大臣 開会挨拶
小倉大臣は開会挨拶で、自ら行動を起こし、発信している「男性リーダーの会」の参加者に敬意を表すとともに、役員に占める女性の割合が高い企業は株価や利益率など企業のパフォーマンスが高いことが近年の調査で明らかになっていることに触れ、女性活躍の推進はまさに企業価値向上に向けた取組であることを基本認識としたうえで、各組織における取組を一層加速していただきたいこと、政府として引き続き男性リーダーの皆様と連携して取り組むことを発言しました。
2.パネルディスカッション
「『ジェンダー平等加速プログラム※』の共同議長による取組事例の共有と女性活躍へのさらなるステップ」と題して、武田薬品工業株式会社代表取締役社長兼CEOのクリストフ・ウェバー氏、株式会社ローソン代表取締役社長の竹増貞信氏、株式会社ポーラ代表取締役社長の及川美紀氏を迎え、株式会社Will Lab代表取締役の小安美和氏にファシリテーターを務めていただき、パネルディスカッションを行いました。「組織トップが女性活躍推進に取り組むことの重要性」や「女性活躍への更なるステップに向けて組織トップとしてこれから取り組みたいこと」についてご自身のご経験も交えてお話いただくとともに、「男性リーダーの会」参加者に向けたメッセージをお伝えいただきました。
また、パネルディスカッションの冒頭では、同じく「ジェンダー平等加速プログラム」の共同議長である株式会社三井住友フィナンシャルグループ取締役会長の國部毅氏からお寄せいただいたビデオメッセージを放映しました。メッセージの中では、女性活躍推進に関する想いや原点、取組事例などについてお話いただきました。
※「ジェンダー平等加速プログラム」への日本の参加についてはこちらをご覧下さい。
3.グループディスカッション
男性リーダーがグループに分かれ、「自身の団体における女性活躍のキーワードやテーマ、目標」などを紹介した後、「女性役員・女性管理職の育成と登用や、経営企画・経営戦略等の中核部門への女性の参画拡大について」をテーマに、トップダウンの働きかけや経営・組織に対する効果など、各組織における取組のポイントを中心に意見交換を行いました。
グループディスカッションの終わりには、各グループで出た意見を全体で共有するとともに、男性リーダーの皆様の考える「私の行動宣言」をそれぞれがフリップボードに記載しました。
4.森まさこ内閣総理大臣補佐官 挨拶
森補佐官は、8年前、自身が内閣府特命担当大臣(男女共同参画)就任時に発足した「男性リーダーの会」が、現在約300名にまで参加の輪が広がったことに感銘を受けたことを述べました。一方で、日本のジェンダーギャップ指数が116位と未だに世界から遅れをとっている状況であることに触れ、日本の女性活躍をさらに加速していくために政府として全力を尽くすこと、そのために「男性リーダーの会」の皆様にご協力いただきたい旨を述べました。
5.岡田恵子 男女共同参画局長 閉会挨拶
岡田局長より、グループディスカッションでは様々な業界・業種の男性リーダーに熱心に議論いただき心強く感じたこと、そして男女共同参画・女性活躍推進に関する取組を推し進めるためには、組織トップの協力が欠かせず、今後とも力をお貸しいただきたいと述べました。
最後に、女性が能力を最大限に発揮して活躍できるよう、引き続き政府一体となって取り組んでいく旨を伝えました。
グループディスカッションご意見概要
【各グループのご意見まとめ】
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- 管理職、役員への女性の登用を加速するためには、パイプラインを太くしていくとともに、積極的に重要なポジションに採用していくことが必要。女性活躍推進や働き方改革を進める中で、組織の魅力度が上がり、求人も増えたとの声があった。女性活躍と年齢のダイバーシティは密接に関係しており、年齢や経験値ではなく能力に合わせた登用は、一人ひとりの個性を重視していくことに繋がるといった意見も出た。
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- 仕組みづくりやKPIの設定は各団体でも取り組まれているが、その中でもマインドセットができているかどうかが特に重要だという議論になった。その中で、出産や育児の問題は、社会全体で取り組まなければいけない課題だという意見が出た。また、女性が働きやすい職場は男性にとっても働きやすい職場であるという考えに共感が集まった。
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- トップダウンから始めてドライブを掛けたら、組織は動く、ということは各団体に共通していた。登用に関しては、一度挑戦してみてうまくいかない場合は戻すということも一つの方法。組織の在り方は均一であるべきではない。また、働き方改革を進めることですべての人にとって働きやすい職場になる。これまでの働き方は必然的に変わっていくのではないか。
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- 価値を生むD&Iを組織の全員が理解しなくてはならない。のびのびと自由に働けることによって女性だけではなく全員が働きやすい環境ができていく。思い切って女性を登用してみるという状況では、その女性をサポートするメンターの存在が非常に重要。その他、男性、女性それぞれの持つ特権を理解するための対話というものが心理的安全性を確保するために必要だという意見が出た。
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- トップがコミットし、ダイバーシティを推進することの意義について、組織全体に理解が浸透していることが重要。また、女性活躍を実現するためには業務の効率化が必須であり、そのためには長時間勤務の是正と、テレワークの活用が欠かせない。男女の課題はイコールであり、女性にとっての問題は男性にとっての問題でもあることを経営者がしっかりと理解して解決すれば、全ての人のモチベーションが上がる。
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- まず大事なのが、時間や場所の柔軟性を生かし女性が働き続けられる環境作りを実践すること。次の段階でリーダーの育成に取り組み、具体的には研修などでマインドセットを変えていく。育成においては定量化の指標を持っておくことが大事だという議論をした。
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- 地域においては性別により分業が進んでしまっている現状を変えるため、男性の生活力向上のためのサポートや地域ネットワークとの繋がりを支援する動きが必要。また、アンコンシャス・バイアスの是正についても意見が出た。組織の現場では各社員の能力の発揮が課題となっており、例えば異動の判断基準を実績からポテンシャルに変えていくことなどが必要ではないか。
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- ジェンダーギャップだけではなくジェネレーションギャップやバイアスをどう取り除くか。そのためにトップ主導による取組や色々な仕組みづくりが考えられるが、対象者(女性)に、どう伝えていくのか、登用してシナジーや効果につなげられるかが重要だという結論になった。また、自治体の首長からは、各自治体のミッションをどのように役所全体で盛り上げていくかという観点で取り組んでいるという意見があり、素晴らしいと感じた。
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- 特定の部門には女性を配属できないという無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)をなくすため、組織全体の意識改革が重要。また、トップとしてなぜ女性活躍推進なのかという疑問に答える必要がある。同質の組織の中では変革が生まれづらい。様々な価値観がぶつかり合う中で多様性が生まれ、変革が生まれる。このような道筋を社員に浸透させることで色々な障害を乗り越えることに繋がるのでは。
【男性リーダーによる「私の行動宣言」】(※氏名五十音順)
当日のご感想
※オブザーバーの方からいただいたご意見も含まれます。
【パネルディスカッション】
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- アンコンシャス・バイアスを取り除き、性別に関わらず誰もが活躍できる職場環境を整備することの必要性を感じた。
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- 示唆に富んだ内容であり、すでに実行し数字を出している点について、とても力強いアドバイスと感じることができた。各社様の具体的事例や課題を伺い、少なからず同様の課題を抱えているということが取組を推進する励みとなった。
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- 女性活躍を推進する上で、トップの言葉や姿勢を示すことの大切さを感じた。具体的な課題やその課題に向けた解決策等、すぐにすべてが解決するわけではないが、一歩一歩のあゆみがよりよい社会へつながっていくのだと感じることができた。
【グループディスカッション】
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- ジェンダー平等についての意識啓発は時間をかけて取り組むべきテーマであることを再認識した。またグローバル企業を経営される方との意見交換を通じて、自分たちの当たり前がグローバルコミュニティにおいてそうではないということを再認識することができた。
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- 先進企業の事例を提示いただいたことが良かった。やらなければいけないという危機感だけを感じており、具体的に何をすればよいか悩んでいたが、担当者として何ができるのか、どのように進めればよいか等参考になった。
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- 先進的な企業の方、自身が女性活躍の先陣をきってこられた方が多かったため、その考えも含めとても刺激的な時間だった。「社風の違い」と諦めるのではなく、社風を変えていけるよう、まずは1歩何か取り組んでみようと思った。
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- 同じグループの方々が一人ひとりの社員の”個”に即した取組をされていることに感銘を受けた。是非次は対面でお会いしたい方々ばかりだった。
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- 経営トップがいかに取り組みに関与し、サポートできるかが重要であるということ、また、女性活躍に取り組むことが重要課題であることを改めて認識する良い機会となった。
出席された男性リーダーの皆様 ※敬称略 氏名五十音順
- 青野 慶久
- サイボウズ株式会社 代表取締役社長
- 秋山 玄
- ギャップジャパン株式会社 代表取締役社長
- 安藤 孝夫
- 三洋化成工業株式会社 取締役会長
- 安藤 寛高
- 株式会社エーピーシィ 代表取締役社長
- 池田 憲人
- 株式会社ゆうちょ銀行 取締役兼代表執行役社長
- 石脇 智広
- 石光商事株式会社 代表取締役社長
- 伊藤 秀二
- カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO
- 伊藤 秀博
- レカム株式会社 代表取締役CEO
- クリストフ・ウェバー
- 武田薬品工業株式会社 代表取締役社長兼チーフエグゼクティブオフィサー
- 内川 哲茂
- 帝人株式会社 代表取締役社長執行役員
- 大塚 芳正
- 社会福祉法人美芳会 理事長
- 大森 雅夫
- 岡山市 市長
- 小野田 聡
- 株式会社JERA 代表取締役社長
- 柿木 厚司
- JFEホールディングス株式会社 代表取締役社長
- 片峯 誠
- 飯塚市 市長
- 片山 象三
- 西脇市 市長
- 勝木 敦志
- アサヒグループホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEO
- 関貫 久仁郎
- 豊岡市 市長
- 貴田 守亮
- EY Japan チェアパーソン兼CEO
ジャパン・リージョナル・マネージング・パートナー - 久米 博明
- 藤久運輸倉庫株式会社 代表取締役社長
- 榑谷 典洋
- 電通ジャパンネットワーク 社長執行役員CEO
- 粉川 昭一
- 日光市 市長
- 小松 政
- 武雄市 市長
- 近藤 重敏
- 三井住友建設株式会社 代表取締役社長
- 酒井 幹夫
- 不二製油グループ本社株式会社 代表取締役社長
- 澤田 純
- 日本電信電話株式会社 代表取締役会長
- 島田 和幸
- 株式会社ファンケル 代表取締役 社長執行役員 CEO
- 清水 雅文
- 愛南町 町長
- 白岩 孝夫
- 南陽市 市長
- 鈴木 健一
- 伊勢市 市長
- 鈴見 健夫
- 学校法人芝浦工業大学 理事長
- 千田 哲也
- 株式会社かんぽ生命保険 取締役兼代表執行役社長
- 高田 幸徳
- 住友生命保険相互会社 取締役 代表執行役社長
- 竹延 幸雄
- 株式会社KMユナイテッド 代表取締役社長
- 竹増 貞信
- 株式会社ローソン 代表取締役社長
- 高浜 敏之
- 株式会社土屋 代表取締役
- 谷澤 幸生
- 国立大学法人山口大学 学長
- 玉井 孝直
- ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 代表取締役社長
- 塚本 健太
- コマニー株式会社 代表取締役 社長執行役員
- 富田 秀夫
- リフィニティブ・ジャパン株式会社 代表取締役社長
- 永田 良一
- 株式会社新日本科学 代表取締役会長兼社長
- 中村 康佐
- バンク・オブ・アメリカ 副会長
- 徳永 繁樹
- 今治市 市長
- ジェームス・ナッシュ
- AIG ジャパン・ホールディングス株式会社 代表取締役兼CEO
- 福原 淳嗣
- 大館市 市長
- 平山 宏
- 株式会社システムリサーチ 代表取締役社長
- 古出 眞敏
- アフラック生命保険株式会社 代表取締役社長
- 丸山 将一
- エムケー精工株式会社 代表取締役社長
- 藤井 栄一郎
- 白岡市 市長
- 三日月 大造
- 滋賀県 知事
- 宮本 洋一
- 清水建設株式会社 代表取締役会長
- 宮橋 勝栄
- 小松市 市長
- 村田 善郎
- 株式会社髙島屋 代表取締役社長
- 山川 宏
- 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 理事長
- 山田 修
- 東海村 村長
- 森 俊哉
- KPMGジャパン チェアマン
- 吉岡 晃
- アスクル株式会社 代表取締役社長 CEO
- 吉田 謙次
- 株式会社オリエンタルランド 代表取締役社長兼COO