第9回リーダーミーティングを開催
令和3年11月4日、第9回「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」リーダーミーティングをオンラインで開催しました。
平成26年に9名で始まったこの会は、女性活躍推進に積極的な企業団体のトップの男性リーダーが集まり、現在270名近い男性リーダーへ参加の輪が広がっています。当日は、過去最大人数となる男性リーダーと男性リーダー所属団体の役員等のオブザーバー約200名にご参加いただきました。
※「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」参加方法はこちらをご覧ください。
開催概要
1.野田聖子 内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 女性活躍担当大臣 開会挨拶
野田大臣は、「女性活躍を推し進めるためには組織トップのコミットメントが重要」という考えに賛同いただき、自ら行動を起こし、発信されている男性リーダーの皆様へ敬意を表すとともに、「男性リーダーの会」が女性活躍推進の中核になることを期待している旨を述べました。
また、民間企業における女性の採用から管理職・役員へのパイプラインの構築はまだまだ途上であり、役職に就く女性の登用先は広報やIR、CSRといったバックオフィス部門であることも多く、経営戦略など、組織の中核部門への女性の参画は進んでいない現状を踏まえ、男性リーダーの皆様には、ぜひこうした課題について忌憚のないご意見をいただきたいと伝えました。
2.パネルディスカッション
「ビジネス分野の最前線で活躍する女性として男性リーダーへ期待すること」をテーマに、世界経済フォーラム日本代表の江田麻季子氏、本田技研工業株式会社取締役の鈴木麻子氏、株式会社IHI顧問(元取締役)の水本伸子氏の3名に登壇いただき、パネルディスカッションを行いました。
「これまでで印象に残っている男性リーダーとの思い出」や「キャリア形成に対する姿勢」「組織や社会全体として男性リーダーに求める取組」等について、ご自身の経験を基にお話しいただくとともに、「男性リーダーの会」参加者に対してのメッセージをお伝えいただきました。
3.グループディスカッション
男性リーダーがグループに分かれ、「自身の団体の女性活躍の達成度」の紹介や、「女性役員・女性管理職登用のために、男性リーダーとしてコミットしていること(特に、経営企画・経営戦略等、組織の中核部門への女性の参画拡大のためにどのような取組が必要か、また、そのような課題に対する実際の取組事例について)」のテーマの下、意見交換を行いました。
グループディスカッションの終わりには、各グループで出た意見を共有するとともに、男性リーダーの皆様の考える「私の行動宣言」をそれぞれがフリップボードに記載しました。
4.林伴子 男女共同参画局長 閉会挨拶
林局長より、女性活躍推進に関する取組を推し進めるためには、組織トップである男性リーダーの皆様のご協力が欠かせないこと、男女の意識や働き方はトップの一言で大きく変わるため、男性リーダーの皆様にも、今後とも内外にメッセージを発信することで強い意志を示していただき、自らの組織の女性活躍を進めるとともに、女性活躍の社会的ムーブメントを一層広げるべく、お力をお貸しいただきたいと述べました。
また、女性が能力を最大限に発揮して活躍し、日本の経済及び社会に貢献できるよう、各省を巻き込んで政府一体となり、全力で取り組んでいくことを伝えました。
グループディスカッションご意見概要
◆ご意見まとめ
・女性の登用が順調に進んでいる企業や団体は、目標設定や人事評価制度の変更、従業員との対話等トップのコミットメントが背景にあることがわかった。一方、社会全体としては家庭の役割分業が残っており、家庭から変わっていくことが必要であると感じた。
・「女性」の中にも多様性がある。多様さを見せることが大切。アンコンシャスバイアスを取り除く取組を共有することができた。
・理系に進む女性が少ないことも一つの課題であり、入り口を増やすだけでなく、親や社会全体への理解を働きかける取組をしていきたいという意見が出た。
・テレワークが進むことによって働き方が大きく変わっており、従業員それぞれのライフに寄り沿った働き方(在宅勤務や転勤制度の見直し等)が求められているという認識が一致した。
・女性活躍の推進は、人事戦略ではなく経営戦略の中心軸であり、サスティナビリティ経営を進めている中では、多様性をもって全員が活躍できるようにしていくことは、各企業だけでなく社会的な課題であるという意見が多く出た。
・トップ自らダイバーシティに取り組み、自発的な取組の旗振り役として環境を作りコミットすることが必要。また、トップダウンだけでなく、例えばトップの下のミドルマネジメント層含め女性が組織の中核になる仕組みづくりをすること、女性自身が自ら意思を持って積極的に活躍したいという意識づくりをすること、国、社会全体として意識を変えていくこと等が必要であると分かった。
・女性の登用を進めるにあたって、「候補者がいないことを言い訳にしない」という考えに皆賛同した。
・メンターではなくスポンサーを付けることで女性の昇進意欲をかき立てることにつながるのではないか、という意見が出た。また、各企業団体の女性登用へのインセンティブの取組を知り勉強になった。
・管理職になる重要な時期と、女性のライフステージの変化を迎えるタイミングが重なる可能性があることを配慮する必要や、昇進の理由にはフェアネスが必要であり、結果に基づいて昇進をさせることで男性社員の納得感も得られることが分かった。トップからのメッセージは重要だが、それをいかに組織に浸透させ、魂を入れていくかを考える必要があると感じた。
・固定的なポジションに女性が偏ってしまうことに対し、ポジティブアクション等のトップの決断が重要であり、トップダウンならではの決断をやってみようという力強い言葉を聞くことができた。
◆男性リーダーによる「私の行動宣言」(※氏名五十音順)
当日のご感想
※オブザーバーの方からいただいたご意見も含まれます。
◆パネルディスカッション
・それぞれ異なる環境や個性の中で、どのように女性としてキャリアを伸ばしてきたかがよく分かり、興味深かった。
・3人のパネラーがそれぞれユニークで大変参考になった。管理職のイメージに合う女性を求めるのではなく、それぞれの個性を生かせるように職場同士を支えていく必要性を感じた。
・社内で発信するキーワードが多くあった。これらを参考にして、社内発信を加速したい。また、講演会やマスメディアを通じた社外・地域社会への発信を継続したいと思った。
・参加者である男性リーダーたちの取組を後押しするような力強いコメントが数多くあり、とてもよかった。
・女性としてのキャリアを切り拓いてきた方々だからこその力強いお言葉や、男性リーダーに対する女性育成への支援要望などが大変刺激的で、自社においても取り入れたい観点を学ぶことができた。
◆グループディスカッション
・活発な議論、意見交換ができた。各社ともに積極的に女性活躍を推進しており、特徴的な取組を学ぶ機会として有意義だった。
・他社の実情をトップの声として伺い、勇気をもらった。互いに同じような悩みがあることが分かった。
・業種の異なる団体によるメンバー構成だったため、自組織とは異なる視点からの取組状況等を知ることができ、有益であった。
・雇用の流動化や副業といったものを含め、広く多様性のある働き方が求められている、ということを理解する場となった。
・男性リーダーとしての課題意識を共有する貴重な機会となった。また、このような公の場でのコミットメントの重要性を実感した。
出席された男性リーダーの皆様 ※敬称略 氏名五十音順
- 青野 慶久
- サイボウズ株式会社 代表取締役社長
- 有馬 浩史
- 株式会社日本ピーエス 代表取締役社長
- 安藤 孝夫
- 三洋化成工業株式会社 取締役会長
- 石橋 邦裕
- ブルームバーグL. P. ジャパンチェア
- 石脇 智広
- 石光商事株式会社 代表取締役社長
- 伊藤 秀二
- カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO
- 伊藤 秀博
- レカム株式会社 代表取締役社長兼グループCEO
- 稲垣 精二
- 第一生命ホールディングス株式会社、第一生命保険株式会社 代表取締役社長
- 大塚 芳正
- 社会福祉法人美芳会 理事長
- 大野 元裕
- 埼玉県 知事
- 大森 雅夫
- 岡山市 市長
- 岡 正朗
- 国立大学法人山口大学 学長
- 柿木 厚司
- JFEホールディングス株式会社 代表取締役社長
- 加藤 剛士
- 名寄市 市長
- 菊地 豊
- 伊豆市 市長
- 衣川 和秀
- 日本郵便株式会社 代表取締役社長
- 木下 孝彦
- NECネクサソリューションズ株式会社 代表取締役 執行役員社長
- 木村 浩一郎
- PwC Japan グループ 代表
- 工藤 英之
- 株式会社新生銀行 代表取締役社長
- クリストフ・ウェバー
- 武田薬品工業株式会社 代表取締役社長 CEO
- 黒木 昭彦
- 株式会社ドクターシーラボ 代表取締役社長
- 古出 眞敏
- アフラック生命保険株式会社 代表取締役社長
- 合田 一朗
- 東海東京フィナンシャル・ホールディングス 代表取締役社長
- 古賀 博文
- 三井倉庫ホールディングス株式会社 代表取締役社長
- 小長井 義正
- 富士市 市長
- ジェームズ・ナッシュ
- AIGジャパン・ホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEO
- 篠原 弘道
- 日本電信電話株式会社 取締役会長
- 島田 和幸
- 株式会社ファンケル 代表取締役 社長執行役員 CEO
- 清水 雅文
- 愛南町 町長
- 下鶴 隆央
- 鹿児島市 市長
- 千田 哲也
- 株式会社かんぽ生命保険 取締役兼代表執行役社長
- 高田 幸徳
- 住友生命保険相互会社 取締役代表執行役社長
- 竹延 幸雄
- 株式会社KMユナイテッド 代表取締役社長
- 竹増 貞信
- 株式会社ローソン 代表取締役社長
- 玉井 孝直
- ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 代表取締役社長 メディカルカンパニープレジデント
- 塚本 健太
- コマニー株式会社 代表取締役 社長執行役員
- 富田 秀夫
- リフィニティブ・ジャパン株式会社 代表取締役社長
- 永田 良一
- 株式会社新日本科学 代表取締役会長兼社長
- 平井 嘉朗
- 株式会社イトーキ 代表取締役社長
- 平山 宏
- 株式会社システムリサーチ 代表取締役社長
- 福原 淳嗣
- 大館市 市長
- 堀内 容介
- 積水ハウス株式会社 代表取締役 副会長執行役員
- マシュー・コリン
- ギャップジャパン株式会社 代表取締役社長
- 松尾 清一
- 国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 機構長・総長
- 松本 洋介
- 株式会社LiB 代表取締役CEO
- 丸山 将一
- エムケー精工株式会社 代表取締役社長
- 丸山 寿
- 昭和電工マテリアルズ株式会社 取締役社長
- 皆川 治
- 鶴岡市 市長
- 峰岸 真澄
- 株式会社リクルートホールディングス 代表取締役会長兼取締役会議長
- 宮澤 英男
- 千葉信用金庫 理事長
- 宮橋 勝栄
- 小松市 市長
- 宮本 洋一
- 清水建設株式会社 代表取締役会長
- 望月 正惠
- 株式会社オネスト 代表取締役
- 森 俊哉
- KPMGジャパン チェアマン
- 山口 明夫
- 日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役社長執行役員
- 山口 貢
- 株式会社神戸製鋼所 代表取締役社長
- 山田 修
- 東海村 村長
- 山田 裕一
- 白石市 市長
- 吉岡 晃
- アスクル株式会社 代表取締役社長CEO