「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言

地域シンポジウム(北海道)を開催しました!

  令和6年8月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(以下、「男性リーダーの会」)地域シンポジウムを北海道と共催で開催しました。基調講演では、本会に参加いただいている王子ホールディングス株式会社の磯野社長から、女性活躍推進に関する想いと取組事例をご紹介いただきました。また、県内男性リーダーであるイオン北海道株式会社の青栁社長、株式会社砂子組の砂子専務、そして、県内女性リーダーとして北海道旅客鉄道株式会社の林本部長に登壇いただき、女性活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性についてパネルディスカッションを行いました。当日は北海道内外の企業の代表や社長等、約170名の方にご参加いただきました。

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム(北海道)開催報告

日時:
令和6年8月27日(火) 13:30~15:00
場所:
ハイブリッド形式(ホテル札幌ガーデンパレス2階「丹頂」/ZOOMウェビナー)
主催:
内閣府 男女共同参画局 輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会
共催:
北海道
後援:
北の輝く女性応援会議
チラシ:
こちら[PDF形式:1.68MB]

プログラム

1.開会挨拶
・女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 加藤 鮎子

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 加藤大臣は、開会挨拶の中で、女性役員比率の高い企業の方が企業としてのパフォーマンスが高いことについて触れるとともに、多様性の確保が企業の成長だけでなく魅力的な地域の実現、日本経済の発展につながるものであるとして、シンポジウムの参加者に女性活躍の重要性を訴えました。
 また、シンポジウムで得られた学びをそれぞれの組織に持ち帰り、トップ主導の下、組織内及び地域の女性活躍を加速してほしいと呼びかけました。


・北海道知事 鈴木 直道

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 北海道の鈴木知事は、全ての女性がそれぞれの希望に応じて、個性と能力を十分に発揮できることが、何よりも重要であると訴えました。
 道内では、全国と比較して会社役員等に占める女性の割合が低いなど、女性活躍をさらに進める必要があり、令和5年12月に、自身も男性リーダーの会に参加へ参加したことを紹介しました。
 また、北海道では、オール北海道で女性の活躍を支援することを目的として、官民連携組織である「北の輝く女性応援会議」を設置し、セミナーや交流会を通じ、多様性が組織にもたらす意義や、女性が活躍できる環境づくりへの理解促進に努めていることを紹介し、今回の地域シンポジウムをきっかけに、女性の活躍を応援する取組がより一層広がることを期待していると述べました。

2.基調講演
王子ホールディングス株式会社 代表取締役社長 グループCEO 磯野 裕之 氏

テーマ「男性リーダーによる女性活躍推進への想いと取組」

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 磯野社長は、企業価値創造の源泉は人財(人的資本)であるという考えの下、これまでに拡充してきた自社の制度や取組実績を紹介しました。女性活躍推進に向け2015年にダイバーシティ推進室を設置後、女性管理職のラウンドテーブルや、工場で働く女性社員へのヒアリング、女性総合職とその上司への研修を実施してきた中で、女性社員から様々な意見を聞く機会も増えたことで、自社の課題も見え改善に取り組むことができたと、当時の状況を語りました。新型コロナウイルスの流行により、柔軟な働き方が主流となってきた現在では、自社としては男女問わない全ての社員への人材育成・支援へと方針転換をしたとし、それぞれの人生のステージにおいて多様な働き方を選択できる制度をさらに充実させるほか、自律的なキャリア形成に向け社内公募にて社員自ら挑戦できる機会を創出していきたいと意気込みを語りました。
 また、イギリスの高級百貨店チェーン「セルフリッジズ」の創業者 ハリー・ゴードン・セルフリッジの「ボスではなくリーダーであれ」という言葉を紹介し、誰もが活躍できるためには自由に意見交換ができる「風通しの良い職場環境づくり」が何よりも重要であるとし、参加した組織トップや管理職の方々に向け、対等なコミュニケーションを大切にし、部下を導くリーダーであってほしいと呼びかけました。


3.パネルディスカッション
イオン北海道株式会社 代表取締役社⻑ 青栁 英樹 氏
株式会社砂子組 代表取締役 専務執行役員 砂子 晋太郎 氏
北海道旅客鉄道株式会社 執行役員 開発事業本部長 林 雅子 氏
札幌⼤学 客員教授 中⽥ 美知⼦ 氏(ファシリテーター)


テーマ「女性活躍推進における組織トップの役割」
 パネルディスカッションでは、女性活躍推進に対する組織トップのコミットメントや、自身がリーダーから受けた影響について発信いただくとともに、女性活躍をさらに推進していくために今後取り組みたいことや、性別を問わず多様な人材が輝けるこれからの経営・組織の在り方についてお話しいただきました。

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       パネルディスカッションの様子           左上から時計回りに、青栁社長、砂子専務、林本部長、中田氏

■女性活躍推進に対する組織トップのリーダーシップについて

・自身が進める教育、育成に関わるプロジェクトにおいて、現在管理職である2名の女性もメンバーに加わっているが、女性だからといって特別な指導はせず、あくまで管理職として個人や組織の成長戦略について考えてもらうようにしている。また、自身を含め、管理職たちがICT技術の活用等の新たな取組に積極的に挑戦してきたことで、現在若手や女性が活躍する機会が増えている。(砂子組・砂子専務)
・役員の人材戦略ミーティングにて、男女問わず全従業員の中で将来の幹部候補者を挙げ、その人材を幹部にするために必要なキャリアについて検討し、育成の方向性を決めている。「職位が人を作る」というように、経験はとても重要なので、役位を与えることで意図的に計画し人材を育てている。また、役位を与えただけでは人は育たず、与えた後の支援が重要であり、役員が従業員と意識して対話をすることも大切にしている。その対話の中で、育成方針を決め、長期的な異動を考えていくことにもつなげている。女性活躍推進の成否は、トップのリーダーシップで決まる。(イオン北海道・青栁社長)
・社員のやる気を引き出し、個々の可能性に期待し、支援をする上司の存在は大きい。その機会(チャンス)を与えることは個人の成長と企業の発展につながる。「みんな同じである必要はない。金太郎飴じゃつまらない。」という上司の言葉は、自分を肯定してくれ、自信がなくなった時に今でも思い出す言葉になっている。(JR北海道・林本部長)

■男女を問わず多様な人材が輝ける、これからの経営・組織の在り方について

・より働きやすい職場環境の実現や、積極的な登用と育成と登用した際のフォロー、また積極的な対話が今後も重要であり、女性の活躍が企業の底上げにもつながる。(イオン北海道・青栁社長)
・これまで携わってこなかった方面からも、いかにモノづくりができるかということを考え全社で取り組んだ結果、現在では女性や若手が活躍するシーンが自然に増えた。男女関係なく様々な力が発揮できるような組織になるためには人材育成が重要であり、社員が学んで成長できる環境整備を進めている。今後も学びにつながる機会をさらに創出していく。(砂子組・砂子専務)
・地域からジェンダー平等研究会が公表する2024年都道府県版ジェンダー・ギャップ指数において、北海道は経済、教育、行政の分野で47位という数字にも表れているように、性的役割分担の意識傾向が男性にも女性にもまだあると感じている。女性の意見を聞くこと、女性の能力をいかすことは、「世間一般の目線に近づけること」であるとシンプルに考えてほしい。例えば、自分が是としてきたことに一旦立ち止まり、あえて逆のことを考えてみる等、「こうあるべき」という無自覚のバイアスをかけずに、様々な立場の人の意見を聞きフラットに物事を考えてほしい。(JR北海道・林本部長)

■今後の意気込み・シンポジウム参加者へのメッセージ

・「この会社に自分の子供やパートナーを入れたいと思うか?」という視点で見ると、その会社はどう見えるか。今は共働きが当たり前の時代であり、仕事や昇進について家族やパートナーと一緒に考え、理解し支えあっていくことが必要であると考える。職場においても同様に、相手を理解し、互いを受け入れ認め合うことが、一人ひとりの意識を変えていくことにつながる。また、何事も経験が大切であり、経験は正しい判断を導き、将来の自分を形成してくれるので、「私には無理」というバイアスをかけずに女性には挑戦してみてほしい。(JR北海道・林本部長)
・現在、SDGsに関する取組や賃上げ、ワークライフバランス、ダイバーシティ等、事業ではなく企業そのものの取組自体が社会からの評価の重要な物差しになっていると感じている。限られたリソースの中において、人材育成に注力していきたい。人の成長がそれぞれの取組を包括的に進めていく原動力になり、結果として会社の好循環につながると考える。それぞれの人が活躍できる場所や事を新たに創出し、女性や若手、ベテランもが次のステップに行くことができるような学びの場をこれからも大切にしていきたい。(砂子組・砂子専務)
・従業員が働きやすくイキイキと活躍する企業、北海道No.1を目指す。その先に、女性も男性も活躍できるフィールドができてくるので、組織トップとしてはそのような職場を作り上げることがミッションである。世の中の半分は女性であるので、女性の視点をいかすためには、女性の視点を経営に取り込む必要がある。誰もが活躍できる職場を作っていきたい。(イオン北海道・青栁社長)
・女性の登用等の非財務情報が株価を上げるという研究もあり、女性が活躍することが企業にとっても良いことであると知ってほしい。(ファシリテーター・中田 氏)

参加者からの声

■基調講演

  • 女性の活躍について特別なこととしてとらえず、当たり前のこととして推進しているのが印象的だった。
  • 本人のやる気、能力が重要であり、育児休暇取得等の有無で昇進が不利になることはないという磯野社長の強いメッセージがあり、理想のリーダーとして大変良かった。
  • 風通しの良い職場づくりの中で「人と人との繋がりが大事」との言葉が響きました。

■パネルディスカッション

  • 若手入職者を増やしたい企業は、まずジェンダーフリーを目指すべきという意見にはなるほどと思った。女性が働きやすい企業には男性も入職しやすいという発想は新たな発見だった。
  • 「役位を与えた後は支援とサポートをしないと人は育たない」との言葉が全くその通りだと感じ、またそれは男女関係なく誰でも共通することだと思った。
  • 女性管理職の比率をただ追いかけるのではなく、女性が魅力を感じて活躍できる企業を目指すところに共感した。
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