「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言

地域シンポジウム(滋賀県)を開催しました!

  令和6年1月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(以下、「男性リーダーの会」)地域シンポジウムを滋賀県と共催で開催しました。基調講演では、本会に参加いただいている帝人株式会社の内川社長から、女性活躍推進に関する想いと取組事例をご紹介いただきました。また、同じく「男性リーダーの会」に参加いただいている滋賀県の三日月知事と、県内男性リーダーであるたねやグループの山本CEO、そして、県内女性リーダーとしてたち建設株式会社の桐畑執行役員に登壇いただき、女性活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性についてパネルディスカッションを行いました。当日は滋賀県県内外の企業の代表や社長等、約130名の方にご参加いただきました。

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム(滋賀開催)開催報告

日時:
令和6年1月11日(木) 13:30~15:00
場所:
ハイブリッド形式(滋賀県庁新館7階大会議室/ZOOMウェビナー)
主催:
内閣府 男女共同参画局 輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会
共催:
滋賀県
後援:
仕事と生活の調和・女性活躍推進会議しが(滋賀県商工会議所連合会/滋賀県商工会連合会/
滋賀県中小企業団体中央会/滋賀経済同友会/(一社)滋賀経済産業協会/
(公社)びわこビジターズビューロー/日本労働組合総連合会滋賀県連合会/滋賀県社会保険労務士会/
滋賀子育てネットワーク/株式会社創/社会福祉法人しみんふくし滋賀/
生活協同組合コープしが/滋賀県市長会/滋賀県町村会/滋賀労働局)
チラシ:
こちら[PDF形式:754KB]別ウインドウで開きます

プログラム

1.開会挨拶

・女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 加藤 鮎子
 加藤大臣は、開会挨拶の中で、女性役員比率の高い企業の方が企業としてのパフォーマンスが高いことについて触れるとともに、多様性の確保が企業の成長だけでなく魅力的な地域の実現、日本経済の発展につながるものであるとして、シ ンポジウムの参加者に女性活躍の重要性を訴えました。
 また、シンポジウムで得られた学びをそれぞれの組織に持ち帰り、トップ主導の下、組織内及び地域の女性活躍を加速してほしいと呼びかけました。

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  • ・滋賀県知事 三日月 大造
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 滋賀県の三日月知事は、男女共同参画社会の実現及び女性活躍の推進が、人権やジェンダー平等の観点とともに、人材育成や働き方改革の観点からも重要である旨を述べました。
 また、組織トップのコミットメントが極めて重要との考えの下、知事自身が男性リーダーの会に参加し、そこで得た知識や情報を活かして県庁内、県下自治体、県内企業での取組推進を図っていることを紹介しました。
 同時に、多くの課題があるものの、それらをまだまだできることがあると前向きに捉えることで、イノベーションや風土を変えることにつながると訴えました。

2.基調講演
帝人株式会社代表取締役社長執行役員CEO  内川 哲茂氏

テーマ:「男性リーダーによる女性活躍推進への想いと取組」
 基調講演では、帝人株式会社の内川社長よりご講演いただきました。内川社長は、まず、不確実性が増大し、ステークホルダーも多様化する現代においては、これまでの同質性の高い人々同士の「阿吽の呼吸によるすり合わせ」から、多様な人々同士の「健全な衝突によるイノベーション」へと経営スタイルを変更する必要があるとのお考えを示されました。また、その第一歩として女性がいきいきと働くことのできる職場を作り、組織を活性化させることは経営者の責務であると力強く述べられました。内川社長ご自身も管理職及び役員における女性比率をKPIとして設定し、投資家や社員など社内外のステークホルダーにその達成をお約束されているとのことです。
 さらに取組を展開する際には、内川社長ご自身が「なぜ女性活躍を推進する必要があるのか」について折に触れてメッセージを発信されていることをご紹介いただきました。他にも、定期的に社員の皆さんの職場に対する評価を調査したり、直接ご意見を聞く機会を積極的に設けられたりと、双方向のコミュニケーションを心がけていらっしゃるとのことでした。具体的な事例としては、「大きな事業所ではコンビニに行くのに30分以上かかり、急な生理の際に困る」という社員の方の声から、全事業所のトイレに生理用品を配備するといったことも行われたそうです。「企業風土の変革には時間がかかるので、今できる精一杯を今日から!」という印象的なご発言もありました。

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3.パネルディスカッション
・たねやグループCEO 山本 昌仁氏
・たち建設株式会社執行役員経営推進室室長・企画本部工務部部長 桐畑 絵里氏
・滋賀県知事 三日月 大造
・(特活)Gender Action Platform理事 大崎 麻子氏(ファシリテーター)

テーマ:「女性活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性」

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    パネルディスカッションの様子


 滋賀県内の男性リーダー、女性リーダーによるパネルディスカッションでは、女性活躍推進に対する組織トップとしてのコミットメントや、自身が男性リーダーから受けた影響について発信いただくとともに、今後女性活躍をさらに推進していくために取り組んでいきたいこと、男性リーダー同士で女性活躍について議論を行う意義などについてお話しいただきました。

<パネルディスカッション内容>

■女性活躍推進に対する組織トップのリーダーシップについて

  • ワクワクドキドキしながら働ける環境では、人は自ら成長する。
    社員がやりがいを持てる環境整備を徹底的に行うことがリーダーの役割。社員の声を聴き、細かなことを一つ一つ積み重ねていくことが大事。
  • 組織トップが果たすべきことは2つ。1つは目標を明確にすること。女性管理職の登用目標を設定し、その達成のために計画的に管理職候補を育成していくことが重要。もう1つは早い段階から男性の意識を改革する必要がある。特に、男性の育休取得がポイントとなる。
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  • 管理職になった後にいろいろな悩みを抱えたが、一対一で社長と話をしたことで、なぜ私が管理職に登用されたのか、社長が自分に何を期待しているのかがわかり、前向きになれた。社内のコミュニケーションが重要。

■男性リーダー同士が議論を行う意義

  • 男性リーダーの会を通じて全国にネットワークができることが経営者としてはありがたい。自分たちのやっていることが間違っていないかどうか、他社の取組を知ることで答え合わせができる。
  • 他の組織で上手くいった取組を横展開することができる。イノベーションが必要だ、人材不足だと言われる中、男性も女性も活躍できる職場を作るために努力することは、組織にとっていまや最低限のスタートラインにならないといけないと感じる。男性の育児参加をサポートしているかどうか、女性のキャリア形成にどのようなビジョンを持っているかといったことを、若い人たちは働く場所を選択する際の基準にしている。
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■シンポジウム参加者へのメッセージ

  • 組織トップには、社員それぞれの強みを活かせる組織づくりを行っていただきたい。また、性別に捉われずすべての人に公平にチャンスを与えて欲しいし、女性はその与えられたチャンスを活かして欲しい。
  • お客様相談室があるのであれば、社員の想いを受け止める場所があるべきではないか。今の教育の基本は叱ることから褒めることへと変わっている。上司が部下の良さ、強みを把握し、褒めることで、部下との信頼関係が生まれる。
  • 多様な人々が生き生きと働く組織を作ることが目標であって、女性活躍推進はそのための一つの手段であることに改めて思い至った。このシンポジウムで得た学びを自社に持ち帰り、これからも取組を進めていきたい。
  • 女性も男性も能力を活かすことのできる社会のために、一人一人が少しずつ変わることでバタフライ・エフェクトを起こしていただきたい。
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  • 「女性活躍」という言葉の有効性も含め、今は変革期。男性リーダーには、多様な人々の声を聴きながらその変革にコミットしていただきたい。

参加者からの声

<基調講演>

  • 女性用トイレの整備等、小さな事と思えるような事が意外と女性には重要な事だったりするのが分かり、何も大きな変革をすることが全てではなく、一つ一つ出来る事から取り組めばいいと感じた。
  • 女性の活躍は結果であって、従業員全員が働きやすいことが大切であること、また企業・組織が考える人材戦略そのものであると思った。小さくても働きやすさの現場の声を実現すること、KPIを持つこと、リーダーが自ら関わることの大切さがよく分かった。
  • 多様な方の意見をきく重要性。その最たるものとして、人口の1/2を占める女性の意見を聞かないという選択肢はない、という考えに大きく共感した。

<パネルディスカッション>

  • 女性をひいきするのでなく、一人一人の多様な価値観を尊重し、誰もが働きやすい環境を作ることで、その結果、女性が活躍するような職場になるのだと感じた。
  • 一人一人を大切にする事を当たり前にするためには、こういった事例、悩み、意見を知れる機会は必要であり、大切だと感じた。
  • 仕事と社会と家庭のトライアングルという考えに共感した。
内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019