「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言

令和5年1月29日 地域シンポジウム(栃木県)を開催しました

令和5年1月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(以下、「男性リーダーの会」)地域シンポジウムを栃木県と共催で開催しました。基調講演では、本会の発足メンバーの一人であるカルビー株式会社の伊藤社長から、女性活躍推進に関する想いと取組事例をご紹介いただきました。また、県内男性リーダーとして栃木トヨタ自動車株式会社の新井社長、金谷ホテル株式会社の丸山社長、そして県内女性リーダーとしてグランディハウス株式会社の髙橋執行役員社長室長に登壇いただき、株式会社キャリアンの河野代表取締役の進行の下、女性活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性についてパネルディスカッションを行いました。当日は栃木県内外の企業の代表や社長等、約290名の方にご参加いただきました。

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム(栃木開催)開催報告

日時:
令和5年1月29日(日) 15:00~16:30
場所:
宇都宮駅東口交流拠点施設(ライトキューブ宇都宮)中ホール/Zoomウェビナーのハイブリッド形式
主催:
内閣府
共催:
栃木県
後援:
(一社)栃木県経営者協会、(公社)栃木県経済同友会、(一社)栃木県商工会議所連合会、栃木県商工会連合会、
栃木県中小企業団体中央会、(公財)とちぎ男女共同参画財団
チラシ:
こちら[PDF形式:5,012KB]別ウインドウで開きます

プログラム

1.開会挨拶

・小倉 將信 女性活躍担当大臣/内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
 小倉大臣は、開会挨拶の中で、今年6月にG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が我が国で初めて開催されることについて触れ、シンポジウムを契機に栃木県における男女共同参画・女性活躍を一層進めていただきたい旨を伝えました。そしてシンポジウムで得られた学びをそれぞれの組織に持ち帰り、トップ主導の下、地域の女性活躍を加速してほしいと呼びかけました。

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  • ・福田 富一 栃木県知事
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 栃木県の福田知事は、知事をトップとする「とちぎ女性活躍応援団」が、県内の女性活躍推進の力強い基盤になっていることについて触れ、女性活躍推進における組織トップの役割は非常に重要であることを訴えました。そして栃木県としても、6月のG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合、そしてシンポジウムの開催を契機とし、男女が共に輝く”とちぎ”の実現に向けて、県内企業や団体と手を携えながら全力で取り組んでいきたい旨を伝えました。

・粉川 昭一 日光市長
 日光市の粉川市長は、これまでも男女共同参画・女性活躍の取組を進めてきた中、取組を加速するため、昨年10月に「男性リーダーの会」に参加したことについて触れ、組織トップとして日光市を牽引しなければいけないと強く決意したことを伝えました。G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が日光市で開催されることを契機として、男女共同参画・女性活躍社会の実現により一層尽力していくことを述べました。

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2.基調講演
カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO 伊藤 秀二 氏

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 「男性リーダーの会」発足時のメンバーの一人であるカルビー株式会社 伊藤社長のご講演では、「社員の男女比率=管理職における男女比率」があるべき姿であるという想いのもと、2009年から女性活躍推進の取組を進めてきたことをお話いただきました。その中で、管理職登用をはじめとする女性活躍推進は、ダイバーシティへの理解促進に向けた社内の意識改革の活動と、男女問わず働く人が活躍できるような柔軟な働き方や家庭との両立支援を可能とする働き方改革をセットにして進める必要があることを、自社における具体例とともにお話しいただきました。
 また、女性の管理職への登用を進める中で取組が思うように進まなくなったことをきっかけに、多様な人財がそれぞれの能力を最大限に生かせる環境づくりにシフトしたことに触れ、女性を含む社員全員の活躍を目指すことが、組織力の向上、ひいては企業の成長へ繋がることをお伝えいただきました。そして、時間はかかっても少しずつでも進めること、何よりもトップ自身が「女性活躍を進める」という強い意志を持って取り組むことが重要であることを力強く訴えていただきました。

3.パネルディスカッション
・栃木トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 新井 孝則 氏
・金谷ホテル株式会社  代表取締役会長兼社長  丸山 眞人 氏
・グランディハウス株式会社 執行役員社長室長 髙橋 加奈 氏
・株式会社キャリアン 代表取締役 河野 真理子 氏(ファシリテーター)

テーマ:「女性活躍推進における組織トップの役割」
栃木県内の男性リーダー、女性リーダーによるパネルディスカッションでは、女性活躍推進に対するコミットメントや、自身が組織トップから受けた影響について発信いただくとともに、今後女性活躍をさらに推進していくために取り組んでいきたいこと、男性リーダー同士で女性活躍について議論を行う意義などについてお話しいただきました。

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パネルディスカッションの様子

<パネルディスカッション内容>

■女性活躍推進に対する組織トップのリーダーシップについて

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  • 女性の管理職登用のためには、能力向上のための研修制度の充実等と人事評価制度の見直し・働きやすい環境の整備等、会社としてステップアップできる機会の両方の提供が必要。長く続いた働き方を変えるためには組織の慣性を上回る推進力が必要であり、そのためには組織トップが旗を振ることが大事。
  • 一つの企業の中にも多種多様な職種がある中、マルチジョブ、タスク・シェア制度を導入し効率的に様々な職種を経験することで、早期の女性管理職登用を進めている。また、トップ自らが社員の能力を引き出し、活かしていくために、現場に出て直接社員とコミュニケーションを取ることを重要視している。
  • 働き続けることはできても、周囲への迷惑を考慮し一歩前に出ることを躊躇してしまう女性も多い。女性が能力を十分に発揮できるよう、育成とともに社内の風土づくりが必要であり、そのためには組織トップのリーダーシップが欠かせない。
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■男女問わず多様な人材が輝ける、これからの経営・組織の在り方について

  • 家事、育児は女性の仕事であるという意識が未だに根強いため、男性が家事や育児により積極的になり、女性の負担を減らすことが女性の活躍推進に繋がる。男女ともに、働き方に制約があっても働き甲斐を持って働き続けることができる組織であることが重要。
  • 「女性活躍」という言葉が存在すること自体が、そこに課題があることを暗示している。そのような言葉を使わなくても、多様な人材が自己実現を果たしながら充実した人生を送ることが理想であり、そのために組織トップとして柔軟な働き方が提供できるよう取り組んでいる。
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  • コロナ禍のような不測の事態にも対応できるよう、採用計画を構築し、しっかりと社員を育成する体制を整える必要がある。また、男女問わず活躍してもらうためには、採用条件の改善など魅力ある職場づくりが大切であり、そのために生産性の向上や付加価値を高めていくことが重要。

■シンポジウム参加者へのメッセージ

  • (「男性リーダーの会」について)企業や自治体のトップが色々な取組を共有することで新しいアイディアが出てくるという意味で、意義のある取組。
  • 女性活躍を推進するためには全社員の意識を変えていくことが必要であり、そのためには組織トップがその必要性を社内に発信し続けることが重要。社内から徹底的にアンコンシャス・バイアスを取り除き、男女平等に育成・登用の機会を与えてほしい。
  • 栃木県・日光市はG7の男女共同参画・女性活躍担当大臣会合の開催地となった。これは栃木県のもつ、文化、伝統、観光の資源が評価されたからだと考える。栃木県のポテンシャルを最大限発揮するためにも、女性のポテンシャルを活かしてさらに頑張っていきたい。
  • 企業の方向性を大きく変えるような革新的なアイディアは、自身の業界に対する理解と他の業界での知見が掛け合わさったときに生まれやすい。栃木県が魅力的な県になるためにもより多くの企業・団体に参画いただき、様々な気づきを得ることで取組が進むことを期待している。
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4.閉会挨拶
・小倉 將信 女性活躍担当大臣/内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

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 女性にとって働きやすい職場は男性にとっても働きやすい職場であることについて触れ、様々なバックグラウンドを持つ社員がそれぞれの能力を活かして貢献できれば、組織の価値は間違いなく高まるということ、そしてそのために一番重要なのは組織トップのコミットメントであることを伝えました。
そして6月のG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が栃木県の経済、社会、組織の在り方が変わる第一歩となることを目指し、会合の成功に向け共に歩んでいくことを、参加者に向けて呼びかけました。

参加者からの声

<基調講演>

  • ダイバーシティ&インクルージョンが、企業の成長のためにも、そして社員の充実のためにも重要だと理解できた。
  • 女性活躍を進めるためには組織トップの意識と舵取りが必要であり、組織トップが女性管理職比率30%など具体的な目標を掲げることの重要性を改めて認識した。
  • 目標に対して数値が下がった際の原因究明、そこからの解決策をリーダー自らが考えているところが素晴らしいと感じた。女性が管理職を目指したくなるような取組が重要だと感じた。

<パネルディスカッション>

  • 各社が高い理想を持ち、それに少しでも近づけようと代表者や役員が自ら行動していることに感銘を受けた。
  • それぞれの会社で女性活躍のためのプロジェクトや委員会を立ち上げ、トップ自らが社員へ重要性を伝え、一緒に考えていく姿勢を持っているところが素晴らしいと感じた。
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