「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言

令和4年12月22日 地域シンポジウム(徳島県)を開催しました

令和4年12月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(以下、「男性リーダーの会」)地域シンポジウムを徳島県と共催で開催しました。基調講演では、本会に参加いただいている株式会社新日本科学の永田社長から、女性活躍推進に関する想いと取組事例をご紹介いただきました。また、同じく「男性リーダーの会」に参加いただいている徳島県の飯泉知事と、県内男性リーダーである西精工株式会社の西社長、そして、県内女性リーダーとして健祥会グループの中村常務理事に登壇いただき、女性活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性についてパネルディスカッションを行いました。当日は徳島県内外の企業の代表や社長等、約220名の方にご参加いただきました。

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム(徳島開催)開催報告

日時:
令和4年12月22日(木) 13:30~15:00
場所:
アスティとくしま 第2特別会議室/Zoomウェビナーのハイブリッド形式
主催:
内閣府
共催:
徳島県
後援:
四国経済産業局、徳島県商工会議所連合会、徳島県商工会連合会、徳島県中小企業団体中央会、徳島県経営者協会、(一社)徳島経済同友会
チラシ:
こちら[PDF形式:968KB]別ウインドウで開きます

プログラム

1.開会挨拶
・小倉 將信 女性活躍担当大臣/内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

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 小倉大臣は、開会挨拶の中で、女性役員比率の高い企業の方が企業としてのパフォーマンスが高いことについて触れ、多様性の確保は企業の成長、日本経済の発展につながるものであるとして、シンポジウムの参加者に女性活躍の重要性を訴えました。
 また、シンポジウムで得られた学びをそれぞれの組織に持ち帰り、トップ主導の下、地域の女性活躍を加速してほしいと呼びかけました。

・飯泉 嘉門 徳島県知事
 徳島県の飯泉知事は、日本の人口減少による様々な分野の人手不足を解消するため、そして地域の発展のためにも、男女共同参画社会の実現は、達成すべき大きな課題であると訴えました。
 その上で、徳島県では「誰もが輝く『未知のとくしま』創生プラン~徳島県男女共同参画基本計画(第4次)~」に基づき県を挙げて女性活躍を推進していることについて触れ、今回の地域シンポジウムが県内の女性活躍のさらなる加速に繋がることを期待していると述べました。

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2.基調講演
株式会社新日本科学 代表取締役会長兼社長 永田 良一氏
テーマ :「男性リーダーによる女性活躍推進への想いと取組」

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 基調講演では、株式会社新日本科学の永田社長よりご講演いただきました。当初多くの女性社員が結婚や出産を機に、キャリアを継続できずに退職してしまう状況に危機感を抱き、当時の課題を一つひとつクリアし自ら問題解決に取り組んだことが女性活躍推進のきっかけであったことを述べたうえで、組織トップのコミットメントや行政のサポート、男性・女性それぞれの意識改革、ベンチマークの設定などが課題解決の重要なファクターであることを、日本とアメリカにおける女性活躍に関する事例の比較とともにお話しいただきました。
 また、女性活躍推進の取組の主な柱としてまず職場環境・働き方の改善を挙げ、そのために「働くなでしこ委員会」を設置して現場の生の声から上がる改善提案をいち早く具現化する体制を整えたことや、経営会議で残業時間を共有して大幅に削減したこと等、具体的な事例を交えながら、組織トップが覚悟を持ち、決めたことを実践することが何よりも重要であるという力強いメッセージをいただきました。
 最後に、「男性リーダーの会」について、他社の取組から新たな気づきや学びが得られることや、成功事例を聞くことが自社における取組の原動力になるなどのメリットを挙げていただいた上で、シンポジウムの参加者に対し、「男性リーダーの会」への参加を呼び掛けていただきました。

  1. パネルディスカッション
    ・西精工株式会社 代表取締役社長 西 泰宏氏
    ・健祥会グループ 常務理事 中村 晃子氏
    ・徳島県知事 飯泉 嘉門
    ・NPO法人ファザーリング・ジャパン 理事 徳倉 康之氏(ファシリテーター)

テーマ:「女性活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性」

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 徳島県内の男性リーダー、女性リーダーによるパネルディスカッションでは、女性活躍推進に対するコミットメントや、自身が組織トップから受けた影響について発信いただくとともに、今後女性活躍をさらに推進していくために取り組んでいきたいこと、男性リーダー同士で女性活躍について議論を行う意義などについてお話しいただきました。

<パネルディスカッション内容>

■女性活躍推進に対する組織トップのリーダーシップについて

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  • まずは組織トップが覚悟を決めて考えや方向性を宣言し、それを実現するために制度や目標をつくっていくことが重要。また、多様な働き方を実現するために、社員の声をしっかり聴き、コミュニケーションを取ることを日頃から大事にしている。
  • 性別による固定職の概念を取り払い、男女関係なく各自の能力を十分に発揮できるポストに登用していくことが重要。多様な感性が導入されることによって、より建設的な議論が行われるなどの効果があり、様々な分野において幅が広がっている。
  • 女性活躍推進において、制度や仕組みづくりも大切だが、ベースとなる組織風土が最も重要。そしてその組織風土をつくるのは組織トップの意識である。当社では従来から、組織トップが性別に関わらず個人の能力ややる気を軸に登用を行い、それが繰り返されてきた結果、男女ともに活躍できる今の組織風土がある。

■男女問わず多様な人材が輝ける、これからの経営・組織の在り方について

  • 女性が活躍できる組織は、性別に限らず多種多様な人材が活躍できる組織である。より多様性を進めるためには、ロールモデルが身近に存在すること、そしてそのロールモデル自体が多種多様であることが大事。
  • 企業における女性活躍を推進すると同時に、家庭における性別役割分担意識を解消するため、地域全体で意識改革を進めることが、女性が活躍するうえで必要不可欠である。
  • 女性活躍含めダイバーシティの推進とDXは密接な関係があり、DXは性別によって職種が固定化されている現状を変えるカギにもなる。DXを活用することでより柔軟な働き方が可能になる。
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  • 女性は力がないから無理、障碍者はこの働き方はできない、などと制限をかけるのではなく、企業が環境を整えることで様々な人材が活躍できる職場をつくる。男女関係なくその人らしさを出すために、色々な角度から経験を積んでもらい、教育の機会を与え、本来持っている潜在能力が発揮できるような環境をつくることが非常に大切。

■シンポジウム参加者へのメッセージ

  • 人口減少社会において、地方企業の存続はダイバーシティが実現できるかどうかにかかっていると言っても過言ではない。今トップが本気で向き合い、トップの発信により組織風土をつくっていくことが大切。
  • 女性自身による過小評価が自分の可能性を狭くしている。自分の中で限界をつくらず、チャンスがあればしっかりつかみ、一歩踏み出してほしい。きっと見える景色が変わってくる。
  • 多様性を理解することは個人やその人の背景を理解すること。対話を大事にし、時には自分のこともさらけ出す。そのような関係性を構築することで、組織の中で心理的安全性が確保され、生産性も高まり、強い組織になる。
  • 女性活躍推進は、男女共同参画はもちろん、ダイバーシティの実現に繋がるもので、社会にもたらす効果は大きい。女性にダイバーシティ社会の扉を開いてもらうためにも、組織トップとしてガラスの天井を打ち破っていきたい。
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参加者からの声

<基調講演>

  • 実際の体験を交えて聞くことができ、大変参考になった。また、海外との比較の話を聞き、新たな視点や考え方についていい刺激になった。
  • トップの気づきと、自分が決めたらやるしかないという信念に共感した。男性・女性それぞれの発想転換の重要性を実感できた。

<パネルディスカッション>

  • 男性リーダーとして宣言を行い、その人らしい働き方を周囲が理解する環境や、潜在能力を引き出す教育などが必要。一人ひとりの可能性を広げ、チャレンジを行っていくことが必要であるという部分が参考になった。
  • 登壇者の皆様に分かりやすく現状や課題を話していただき、大変勉強になった。女性が活躍できるステージは用意されており、あとは女性だからと限界を作らず挑戦することが大切だという言葉が印象に残った。
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