「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言

令和3年2⽉5⽇ シンポジウム(広島県共催)を開催しました

令和3年2月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(以下、「男性リーダーの会」)」シンポジウムを広島県と共催で、オンラインで開催しました。基調講演では、本会に積極的にご参加いただいている清⽔建設株式会社宮本会⻑から、⼥性活躍推進に対する想いと取組事例をご紹介いただきました。また、同じく「男性リーダーの会」に参加いただいている広島県湯﨑知事とマツダ株式会社の⼩飼会⻑、そして、広島電鉄株式会社嶋治総務部⻑とのパネルディスカッションでは、⼥性活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性について考えました。
当日は広島県内外の企業の代表や社長等、約200名の方に視聴いただきました。参加者からは「トップの強い意志のもとで、具体的目標を挙げながらの取組を伺い、参考になった」「他社の取組みを拝見し、トップである私がリーダーシップを発揮し、もっと組織的に取り組んでいく必要性を感じた」といった声がありました。
以下、シンポジウムでの登壇者のご発言を一部ご紹介します。

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」シンポジウム(広島開催)開催報告

日時:
令和3年 2月 5日(金)13:30 - 15:00
場所:
Zoomウェビナー
主催:
内閣府
共催:
広島県
後援:
広島市/ 中国経済連合会/ 広島経済同友会/ 広島県商工会議所連合会/ 働き方改革推進・働く女性応援会議ひろしま

1.開会挨拶

橋本聖子 内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 女性活躍担当大臣
開会にあたり、令和2年12月に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画において、女性活躍の裾野を地方の企業や中小企業・小規模事業者へ広げることの重要性を正面から取り上げたこと、女性にとって魅力ある地域を作っていくことが、地方創生と少子化対策にとっての鍵となることについて述べました。
また、視聴いただいている企業経営者へ向けて、「男性リーダーの会」への参加と、そこで得られる女性活躍の好事例を組織へ持ち帰り、更なる推進への取組につなげていただくよう、呼びかけました。

  • 橋本聖子 内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 女性活躍担当大臣の写真

  • 湯﨑英彦 広島県知事の写真

湯﨑英彦 広島県知事
組織にとって喫緊の課題は、生産性の向上を図りながら,女性や高齢者を始め,多様な人材が活躍できる職場づくりに取り組むことであると述べました。また、女性活躍の推進に向けては、組織のリーダー自身がこれまでの価値観にとらわれることなく,率先して行動することが重要であると,自身が平成28年に「男性リーダーの会」に参加したことを紹介するとともに、共に刺激しあう仲間である県内の男性リーダーへ、会への参加を呼びかけました。

2.基調講演

清⽔建設株式会社 代表取締役会⻑ 宮本 洋⼀ ⽒
「男性リーダーの会」が発足した翌年の平成27年度に本会へご参加いただいて以来、ミーティングにも積極的にご出席いただいている、清⽔建設の宮本会長より、「男性リーダーによる女性活躍推進への想いと取組」をテーマにご講演いただきました。
講演では、平成19年に社長に就任して以降、女性の採用の強化、ダイバーシティ推進室の設置、働く環境の整備、キャリアと育児の両立支援等を進めてきたこと、今後は女性の管理職登用に向けたパイプラインの構築に取り組むこと等について、ご自身が社内外へ発信したメッセージと共に、紹介されました。

  • 清⽔建設株式会社 代表取締役会⻑ 宮本 洋⼀ ⽒の写真

特に、女性管理職が少ない状況では、意識して女性を引き上げる必要があり、全く同じ能力の男女がいたら、女性に、より昇進のチャンスを与えている、このことは社内のいたるところで公言している、とお話しをされました。
そして、「何よりも大切なことは、トップリーダーが自ら意識改革の重要性を発信し続けること。アンコンシャスバイアスを取り除くことである。」「建設業界全体で、女性が、当たり前に活躍できる職場・社会を構築していきたい。」と、熱い想いをお話しいただきました。
質疑応答では、「女性の活躍が本当にどれくらい企業の発展に寄与するのか」との質問に対し、「このような質問自体がまさにアンコンシャスバイアスであり、人の活躍が企業の発展に寄与するかどうかは、男女の差ではなく、その人の資質である。そのことを皆が認識することが大切では。」と率直なご回答をいただき、視聴者からは、多くの気づきがあったとの声がありました。

3.パネルディスカッション

マツダ株式会社 代表取締役会⻑ ⼩飼 雅道 ⽒
広島電鉄株式会社 経営管理本部 総務部⻑ 嶋治 美帆⼦ ⽒
広島県知事 湯﨑 英彦
株式会社キャリアン代表取締役 河野 真理⼦ ⽒(ファシリテーター)

  • パネルディスカッションの写真

マツダ ⼩飼会長、広島電鉄 嶋治部長、広島県 湯﨑知事の3名に、「女性活躍推進における組織トップの役割 ~トップのコミットメントで誰もが活躍できる企業を目指す~」をテーマに、キャリアン 河野代表のファシリテートのもと、ディスカッションいただきました。

※写真右上から時計回り
マツダ 小飼会長、キャリアン 河野代表、広島電鉄 嶋治部長、広島県 湯﨑知事

<パネルディスカッション内容>

①男性リーダーのコミットメント、トップのリーダーシップについて

小飼会長:
女性役員を増やすべく、まずは女性幹部を増やすためのコミットメントを2013年に出した。結果は60名の目標のところ53名と未達だが、コミットメントしたことで、候補となる女性の個別育成計画の策定や人材育成コミッティーによるフォローアップ等の取組が進み、一定成果が出たと考えている。
嶋治部長:
(自身がトップから受けた影響について)入社間もない時、女性は補助の仕事というところがあり、少しやる気を失っていたが、上司が一人前の仕事を任せてくれた。その時の経験が今の自分に大きな影響を与えている。その時の上司が、現在の社長。トップや管理職は、若手のうちから男性女性問わず、できれば女性にも活躍するチャンスを与える、というのが重要だと感じている。
湯﨑知事:
今はトップには男性が多いという社会状況であるので、社会を変えるためにはトップがしっかり取り組むことを示すべきだと思い、平成28年に「男性リーダーの会」に参加した。県に対してリーダーシップを取り、都道府県知事初の育児休暇の取得、イクボス宣言やイクボス同盟ひろしまの立ち上げなど、自ら行動を起こしている。

②これから(ポスト・ウィズコロナ時代)の女性活躍について

小飼会長:
県からの要請を受け、間接部門では出勤7割削減を達成している。それにより、社員は個人の都合に合わせた働き方が可能になっている。この状況をチャンスと捉え、女性に関わらず社員の活躍の最大化をしていきたい。また、生産・開発において、デジタル技術の活用を他社に先駆けて進めている。デジタルの活用や新しい働き方により、女性も活躍できるフィールドが増えていることをアピールしていきたい。
嶋治部長:
乗務員はテレワークができないが、間接部門は時差出勤や在宅勤務を活用するなど、全社をあげて取り組んでいる。また、育児・介護は、女性がやることと考えられがちだが、男女問わずそのような状況はあり得るので、社員全員の働きやすい環境作りが重要だと考えている。コロナは働き方を見直す機会であり、まずはやってみる、やってできなかったらやり方を変える、という事が大事なのではないか。
湯﨑知事:
コロナは、これまで抱えてきた課題、女性の雇用環境、デジタル化の遅れ等を浮き彫りにした。企業においては、これまでのビジネスモデルや組織の在り方を変革しなくてはならない。広島県としては、女性活躍は働き方改革と両輪で推進すべきと考えている。従業員が心身ともに安心・安全に働くことができる「働きやすさ」と、やる気やモチベーション高く「働きがい」を持って働くことができる「働き方改革」により、個々のパフォーマンスを最大限にあげていくとともに,多様な人材を組織で活かす「ダイバーシティ経営」のきっかけとして「女性活躍」を同時に推し進めることで、これからの時代に必要な強い組織づくりや企業価値の向上につながる、まさに経営戦略そのものだと思う。

③メッセージ

小飼会長:
(県内企業トップに対して)従業員活用の最大化のためには、社会そのものの意識を変えていく必要がある。広島はモノづくり企業が集結しているので、その中で女性に活躍してもらうためには、女性たちに「広島で仕事がしたい」「広島に貢献したい」と思ってもらえるようにしたいと考えている。女性活躍の最大化は、企業の成長に必ずつながる。ぜひ県内企業一丸となって取り組んでいきたい。
嶋治部長:
(働く女性に向けて)チャンスが来たらぜひ掴んでほしい、ドアが開いたら遠慮せず1歩踏み出してほしい。(また、経営トップに向けて)教育は男性女性が受ける内容に差はないのに、社会に出たとたんになぜか格差が出来てしまう。このような厳しい状況下だからこそ、男性女性・年齢問わず、大事な人材として活用してほしい。
湯﨑知事:
知事として、広島県という地域で個々人が活躍できるシステムの構築に向けて挑戦を続けていく。また、県庁のトップとして、県庁職員の幸せに責任を持っていく。(そして、県内企業トップに対して)ぜひ「男性リーダーの会」に参加いただき、この先行きが不透明な状況を乗り越えるためにも、情報を共有して、共に切磋琢磨しながら女性活躍できる強い組織を目指していきたい。

参加者からの声

<基調講演>

  • トップの女性活躍推進の意思表示がまず何よりも先に大切だと改めて感じた。
  • 男性管理職や男性社員を巻き込んで女性活躍を進めていくことが重要であると勉強させていただいた。
  • 具体的な取り組みをいくつもご紹介いただけた。逆差別ととられかねないとして躊躇しがちな「全く同じ能力なら女性に昇進の機会を与える」というスタンスをトップ自ら公言されているのが力強かった。
  • トップの意識改革の重要さを感じた。女性を採用、定着、活躍させるための取組みが素晴らしく、もっと詳しくお話しをお聞きしたかった。 また、ダイバーシティという言葉によって女性活躍が薄れてきているのでは?という点に共感した。もちろんダイバーシティも大切だが、女性活躍を進めてほしいと思った。
  • 男社会の象徴である建設業界は、新規採用や若年層の離職者を止めることにも大変な苦労をしている。この環境下では、女性の採用とその力を活用する以外に新たな方法はないと考えている。まずは、社内の意識改革から始めたい。

<パネルディスカッション>

  • コロナ禍の逆境を逆手に取ったマツダのテレワーク推進とライフワークバランスの好転について興味深く感じた。
  • 女性が少ないと言われる業種の方々をパネラーにしていただいたのはとても参考になった。コーディネーターの方がしきりに「トップが言わねばダメ」と繰り返しておられた点、まさにそのとおりと思う。
  • 皆様の本音や思いも垣間見えて、社会全体を動かすためには建前だけでないこのようなコミュニティトップのディスカッションを聞くことが重要だと感じた。
  • 製造業の多い中での広島の現状と今後のビジョンが理解でき参考になった。
  • 地場を代表する企業のトップと幹部クラスの女性社員がパネリストとして登場し,両社の現状レベルについて率直に発言されていたことが印象的であった。
  • 昨年からコロナによって環境が激変している中で、パネリストの皆様のお話を聞き、女性活躍に関して今この瞬間の状況や、今後取り組まなければならないことが明確になったと感じた

<その他>

  • 今回の会議で他社の取組みを見させていただき、トップである私がリーダーシップを発揮してもっと組織的に取り組む必要性を感じた。
  • 対外的には数字でしか示されていなかった取組について、各リーダーの意識や悩み等、ソフト面が垣間見えたのがよかった。 質疑応答については受講者との双方向のやりとりで、より深掘り出来たらなおよかったのではないかと思う。
  • 今後、経営者自らや女性社員の上司の意識変革を図るというテーマでの地方中小事業者における好事例の紹介があると良い。

募集チラシはこちら[PDF形式:330KB]別ウインドウで開きます

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
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