「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言

令和4年2月4日 地域シンポジウム(愛知県共催)を開催しました

令和4年2月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(以下、「男性リーダーの会」)」地域シンポジウムを愛知県と共催で開催しました。基調講演では、本会の発足メンバーのお一人であるサイボウズ株式会社の青野社長から、女性活躍推進に対する想いと取組事例をご紹介いただきました。また、県内男性リーダーとして敷島製パン株式会社の盛田社長と株式会社テルミックの田中代表、そして県内女性リーダーとして株式会社システムリサーチの梅本取締役をむかえ、株式会社キャリアンの河野代表がファシリテーターを務めるパネルディスカッションにて、女性活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性について考えました。当日は愛知県内外の企業の代表や社長等、約180名の方にご参加いただきました。

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム(愛知開催)開催報告

日時:
令和4年2月4日(金) 13:00ー14:30
場所:
Zoomウェビナー
主催:
内閣府
共催:
愛知県
後援:
愛知県商工会議所連合会、愛知県経営者協会、愛知県中小企業団体中央会、一般社団法人中部経済連合会

1.開会挨拶

・野田聖子 女性活躍担当大臣/内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
 野田大臣は、開会にあたり、地方創生・少子化対策と、男女共同参画の深い関連性について触れた後、全国各地に男女共同参画の裾野を広げ、若い女性が若い男性とともに地元で活躍できる環境をつくることが、地方創生・少子化対策のために必要不可欠である旨を述べました。
 また、視聴いただいている男性リーダーの方々へは、この認識を共有するとともに、本シンポジウムで得られる女性活躍の好事例を自身の組織へ持ち帰り、また「男性リーダーの会」へ参加いただくことで、地域における女性活躍を加速していただくよう呼びかけました。

  • 野田大臣による開会挨拶の写真

・大村秀章 愛知県知事

  • 大村秀章 愛知県知事による開会挨拶の写真

 愛知県の大村知事は、「女性が元気に働き続けられる愛知」の実現を目指し、企業トップの「女性の活躍促進宣言」の募集、「あいち女性輝きカンパニー」の認証、そして同認証の優良企業表彰の3つの制度を根幹に据え、様々な取組を進めており、今回の地域シンポジウムをきっかけに、女性の活躍の輪が一層広がることを期待している旨を述べました。

2.基調講演

・サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久氏
 テーマ:「男性リーダーによる女性活躍推進への想いと取組」

 平成26年「男性リーダーの会」発足時メンバーのお一人であるサイボウズ株式会社の青野社長のご講演では、平成17年に離職率が上昇したことをきっかけに働き方の多様化に取り組み始めたこと、そして「100人100通りの働き方」をスローガンに、公平性よりも個性を重んじることで、一人ひとりの幸福と生産性を追求してきたことをお話しいただきました。

  • サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久氏の写真

 また、働き方改革によって生じた時間の制約という問題に対し、個人戦ではなくチーム戦という考えのもと、社員同士の連携プレーを可能とする制度づくり等、具体的な取組を進めてきたことをご紹介いただきました。
 最後に、世界における日本のジェンダー・ギャップ指数の低さ、特に「政治」・「経済」分野での遅れを指摘したうえで、日本の今の現状は「年上の男性に権限を集中させる支配的な文化」が根強いことに起因しており、このような文化からの脱却が、女性や若者たちの活躍を促し、幸福度と生産性の高い社会づくりに繋がる旨を述べていただきました。

3.パネルディスカッション

・敷島製パン株式会社 代表取締役社長 盛田淳夫氏
・株式会社テルミック 代表取締役 田中秀範氏
・株式会社システムリサーチ 取締役 梅本美恵氏
・株式会社キャリアン 代表取締役 河野真理子氏(ファシリテーター)

テーマ:「女性活躍推進における組織トップの役割」

  • パネルディスカッションの写真
    敷島製パン株式会社 盛田社長

 愛知県内の男性リーダー、女性リーダーによるパネルディスカッションでは、女性活躍推進に対するコミットメントや、自身が組織トップから受けた影響について発信いただくとともに、今後女性活躍をさらに推進していくために取り組んでいきたいこと、男性リーダー同士で女性活躍について議論を行う意義などについてお話いただきました。

<パネルディスカッション内容>

1 女性活躍推進に対する自身のコミットメント、自身が組織トップから受けた影響について

  • 従業員一人一人の働き方に合わせて、経営者が率先してリーダーシップをもって取り組むことが非常に重要。日本のこれからを牽引していく若い世代の文化や価値観に、自らが合わせに行く姿勢も大事にしている。
  • 今年度の全社経営方針の中にダイバーシティ・インクルージョンを明記し、内容を記載したポケットブックを全社員に配布する等の取組を行っている。また、男性育休の促進や女性活躍推進の意義について、すべての工場・営業所をオンラインで巡回し、自らFace to faceで丁寧に説明することで、社内の意識転換を図っている。
  • トップの発言であれば下の層もついてくるという意味でも、トップが率先して取組を進めることは非常に重要。男女関係なくチャンスや機会を平等に与えられ、公平に評価されることが、意欲のある女性が実績を残し、活躍できることに繋がる。
  • 株式会社テルミック 田中代表の写真
    株式会社テルミック 田中代表

2 女性活躍推進のために、今後取り組んでいきたいことについて

  • 株式会社システムリサーチ 梅本取締役の写真
    株式会社システムリサーチ 梅本取締役

  • アンコンシャス・バイアスについて、管理職以上の社員に対しては、セミナーなどの機会を通じて、無意識な思い込みを排除し、部下の意思を尊重することの重要性を伝えている。それと同時に、会社としてチャンスは平等に与えていることを伝えるなど、女性側の意欲を引き出すことも大事。
  • 中小企業にとっては、せっかく入社してくれた社員に如何に長く働き続けてもらうか、ということが非常に大きな課題。あらゆる業務のデジタル化を進めるなど、若い社員がベテラン社員と同じ働き方ができる環境づくりを目指している。これからを生き残るためにはトップ主導で会社が柔軟に形を変えていく必要がある。
  • 製造業者として、生産部門(=工場)における女性の管理職の育成が一つの課題だと認識している。職場の同僚と上司の理解、そして意識改革、同時に女性側の意欲向上を進めることが重要。

3シンポジウム参加者へのメッセージ

  • 男性リーダーに対しては、成長のチャンスや機会は男女平等に与えてほしいということを、また、女性社員に対しては、リーダーになることが重要ではなく、自分らしいキャリアを築くことが大切であるということを伝えたい。
  • 若い世代、若い女性が少しずつ会社に引き込まれていくような、魅力ある会社づくり、組織づくりをともに目指していきたい。
  • 人口動向調査によると、愛知県では20代を中心に女性が関東へ転出超過しており、これは地元の魅力が低下していることを表している。この流れを止め、地域が活性化するために、女性が働きたくなるような職場環境を整えることが、企業としての大きな責任であり、企業トップが目指すべき方向である。
  • 株式会社キャリアン 河野代表の写真
    株式会社キャリアン 河野代表

4.閉会挨拶

・林伴子 内閣府男女共同参画局長
 閉会にあたり、林局長より、女性活躍の推進は優秀な人材の確保・定着に繋がり、地域経済を支える企業、ひいては地域全体の持続的な発展に必要不可欠である旨を述べました。また、男女の意識や働き方はトップの一言で大きく変わるため、ぜひ男性リーダーの皆様には組織内外に強い意志を示していただきたい旨を伝えました。

参加者からの声

<基調講演>

  • 大変興味深く、食い入るように聞かせてもらった。当社をより良い会社に変えられるように頑張ろう、と前向きな気持ちになった。
  • 情報をオープンにする ということは簡単そうで難しいと思った。会社は個人戦ではなくチーム戦でやる、という考えについて共感した。
  • 今までの「オッサン文化」ではなく、女性・若者文化が今後の企業の柱になることが、成長する企業への一つの鍵だと強く感じた。
  • 大変面白かった。そのまま活かせる場面があるかは分からないが、ベースに意識として持っているだけでも意義深いと思った。

<パネルディスカッション>

  • 今後、企業の事業力向上や社員が活き活きと活躍するために、「オッサン文化」の良さも認識しつつ、時代の流れや潮流に合わせて、柔軟に変化し続けることの重要性を感じた。また、アンコンシャス・バイアスなどによる無意識の偏見や思い込みに気づき、社員一人ひとりに真摯に向き合うことが命題だと思った。
  • (女性社員が)気づいたら引き込まれていて活躍していた!という田中社長の言葉、これからのZ世代は本当にそうだと感じた。
  • 今までの考え方ではいけない、そう思うトップがいれば変わるということが伝わった。若い女性を引き留めるために環境を整える、言葉だけではあまりいい印象にはならないが、それが必要な事なのだと、聞いていて思った。
  • 社内昇進の女性取締役の方のお話を伺うことができ、特に「経営トップの発言・行動・姿勢によって、下位の男性が言うことをきく」という部分に大きく共感を覚えた。
  • それぞれ異なる業種だったが、全員トップの強い意志や女性活躍の必要性を感じられているからこその取組だと思った。

募集チラシはこちら[PDF形式:2.95MB]別ウインドウで開きます

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
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