(開催要領)
- 日時: 平成13年2月27日(火) 9:00~11:15頃
- 場所: 内閣府3階特別会議室
(出席者)
- 会長
- 樋口 恵子 東京家政大学教授
- 会長代理
- 島田 晴雄 慶應義塾大学教授
- 委員
- 猪口 邦子 上智大学教授
- 同
- 岩男 壽美子 武蔵工業大学教授、慶應義塾大学名誉教授
- 同
- 河野 真理子 (株)キャリアネットワーク代表取締役社長
- 同
- 櫻井 るゑ子 (財)日本私学教育研究所専任研究員
- 同
- 佐々木 かをり (株)イー・ウーマン代表取締役社長
- 同
- 田尻 研治 エクソンモービルマーケティング(有)社員
- 同
- 福武 總一郎 (株)ベネッセコーポレーション代表取締役社長
- 同
- 八代 尚宏 上智大学教授、(社)日本経済研究センター理事長
(議事次第)
- 開会
- 仕事と子育ての両立支援に関するヒアリング
- (1)荻浦恵子(社会福祉法人恵和会見和めぐみ保育園園長)
- (2)普光院亜紀(保育園を考える親の会代表)
- (3)名木純子(エスク代表)
- 自由討議
- その他
- 閉会
(配布資料)
- 資料1-1
-
新エンゼルプランと私たち(荻浦氏説明資料) [PDF形式:72KB]
- 資料1-2
-
男女共同参画会議仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会ヒアリング用レジュメ(普光院氏説明資料) [PDF形式:19KB]
- 資料1-3
-
住みやすく育てやすく働きやすい21世紀のために(名木氏説明資料) [PDF形式:61KB]
- 資料2
- 第1回専門調査会における意見
- 資料3
-
厚生労働省説明資料 [PDF形式:591KB]
- 資料4
- 第1回男女共同参画会議仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会議事録(案)
(概要)
○内閣総理大臣からあいさつが行われ、また以下のような発言があった。
子どもを産み育てるということに対して今の若い人たちが一体どういう考え方を持つのか。また、なぜ嫌なのか。意識として子どもをたくさん産み育てるのは楽しいと思うような教育というのが必要ではないか。
大事なこととして、都市と地方で全然生活形態が違う。国の施策だから、分けて考えることが必要。
親たちが子どもをつくっても安心という社会のベースをどうするのかというのが大事な視点。今まで政府がしてきた議論をもう少し外してもらって、先生方の意見をお聞きしたい。
働きながら女性が子どもを育てることができるという解決策の一つにIT化があると思う。
子離れをしたお母さんなどが参加して、そこに預ければ安心となるような形をつくるのはどうか。
○仕事と子育ての両立支援に関するヒアリング
社会福祉法人恵和会見和めぐみ保育園園長の荻浦恵子氏、保育園を考える親の会代表の普光院亜紀氏、エスク代表の名木純子氏から、それぞれ説明が行われ、質疑応答が行われた。
○事務局から、第1回専門調査会における意見について、また、厚生労働省から、第1回専門調査会で一部委員から要求があった資料について、それぞれ説明があった。
○自由討議
- (猪口委員)
- 公設民営の保育所の普及という考えもあるが、公立保育園の拡充も必要。公務員の給与が高いからコストがかかるという意見もあるが、男性は議論にならず、主として女性が雇用される場の賃金について厳しい議論があるということに、ジェンダーギャップを感じる。 また、0歳から1歳までは家庭保育との話があるが、これを少年犯罪や虐待の問題と結び付けるのはどうか。実際には専業主婦家庭の行き詰まり感があり、それだけでは解決しない部分があることは押さえる必要がある。
- (岩男委員)
- 特に日本は3歳児神話に縛られている人が非常に多い。そのような形で結び付けることが母親を追い詰めている。また、併せて、仮に0歳から1歳のときの子育てに問題があっても、必ず後でとりかえすことはできることを強調するべき。
- (福武委員)
- まず、女性が子育てをしながら仕事ができるようなインフラ整備が必要。 保育園の量と質とコストの問題を考えると、多様な参入があっていい。そのためには、土地建物、施設とサービスの分離や施設整備費の公的負担が必要。施設とサービスを分けることこそが質を担保することだというコンセンサスがまだできていない。また、公は基本的にサービスをよくするインセンティブが構造的に働かないから、公立はもっと減らすべき。民間企業が進出でき、多様なサービスを提供し競争し合って質を高めていくという構造をつくっていきたい。 2つ目は、企業が多様な働き方をどのように実現していくか。 3つ目は、社会の意識の変革をどうするか。男性の子育て、母親の知識や未熟さ、家庭のしつけや教育など、意識の問題は別に考えるべきで、ここは公に頼ることになる。
- (佐々木委員)
- 世の中の人が公立保育園はしっかりやっていると認める姿勢が重要。公立の良さを知り、認め、拡大しながら、その施設を使って民間が夜間や休日を引き継ぐなど、両者のいいところが強調されればいい。 働き方による順序づけで公立保育園への入園が決まるシステムに疑問を持っている。特定の曜日や時間だけ預けたい人もいるし、専業主婦を少しの時間解放する事も必要。公立の保育園が今あるスタイルを継続し、拡大しつつ、新設の公立保育園では特定の曜日や時間だけ預けることを認めれば、満足度が増え、待機児が減っていくと思う。 学童保育が保育園より短く5時までで終了していることに強い不満がある。例えば7時までならすぐの改善も難しくないのではないか。
- (河野委員)
- 男女ともにベースとなる人生設計に関して考える機会がない。又、多様な保育サービスを提供されても、自己責任で選択する術を身につけていないのが現状。学生時代から社会人にかけてライフプラン教育をし、手段の情報をも提供することが重要。 また、両立した結果企業に残った女性が、キャリア開発の不足を理由にリストラにあう可能性もある。両立しながら人材として活躍できることが必要であり、これはポジティブアクションの見地。企業は必要な人材には何でもする。 又、企業や人事制度についてのコメントを外部へ発信するときには、もっと専門的な用語を並べる等しておかないと、企業は動いてくれない。
- (田尻委員)
- 我々は企業を変えていかなければならないという視点を皆さんと共有したい。
- (猪口委員)
- 今出ている問題はいろいろなところで言われているが、今まで変えることができなかった。男女共同参画会議のメリットとは、各省大臣に意見できること。私たちは変える立場にあるという認識を持たなければならない。 例えば、すべての学校に放課後児童の受け皿を設けるとまとまれば、会議の場で文部科学大臣に意見し、もしそれができないのであれば理由を問うべき。また、保育料の控除についても、ここでまとまれば、財務大臣に意見し、どういう根拠でそうなっているのかを問うべき。 要は要請するポイントをどこに絞っていくかということ。会議で引き取って大臣に意見ができるようにまとめていきたい。
○樋口会長から、今後の議論の参考とするため、広く一般に、仕事と子育ての両立支援策に関する具体的な意見を募集してはどうかとの提案があり、了承された。
募集は内閣府のホームページ及びFAXを通じて行うこととし、期限は3月12日(月)までとされた。
○事務局から、第1回専門調査会の議事録(案)が提示され、了承された。
○事務局から、次回の専門調査会について、3月16日(金)10時から、内閣府3階特別会議室で開催する予定である旨説明があった。
(以上)