- 日時: 平成16年3月1日(月) 14:00~16:00
- 場所: 内閣府5階特別会議室
(開催要領)
- 出席委員
- 会長
- 大澤 眞理 東京大学教授
- 会長代理
- 岡沢 憲芙 早稲田大学教授
- 委員
- 大沢 真知子 日本女子大学教授
- 同
- 木村 陽子 地方財政審議会委員
- 同
- 佐藤 博樹 東京大学教授
- 同
- 高尾 まゆみ 専業主婦
- 同
- 橘木 俊詔 京都大学教授
- 同
- 永瀬 伸子 お茶の水女子大学助教授
- 同
- 林 誠子 日本労働組合総連合会副事務局長
- 議題次第
- 1 論点整理(案)について
- 2 その他
-
(配布資料)
- 資料1-1
- 論点整理(案) [PDF形式:439KB]
- 資料1-2-1 関係資料(1)
- 資料1~25 [PDF形式:786KB] 資料26~50 [PDF形式:706KB]
- 資料1-2-2 関係資料(2)
- 資料51~85 [PDF形式:2100KB] 資料86~139 [PDF形式:1850KB]
- 資料2
- 第25回影響調査専門調査会議事録
- 概要
○事務局から論点整理(案)について説明があり、これに基づいて次のような議論があった。
- 大澤会長
- 関係資料のうち前回から新規に補充された資料でこれというものはあるか。
- 大森専門官
- 会長からの御指摘に従い高等教育卒業者に占める途上国も含めた女性割合を付けた。八代委員からの御指摘で、待機児童数が2万5,000人と言うが、御自分の研究会では潜在的には24万人と試算したとのことで、概要を付けている。あとは、就業形態別の労働時間で、規模が小さくなるに従って労働時間が多くなるデータ。創業塾及び女性向け創業塾の実施状況や政府系金融機関の融資担当者の男女比率いうところが大きな追加点で、あとは、前回御説明しなかった在宅ワーク、NPOについて資料を付けている。
- 木村委員
- 39ページの「公務員」のところで、国家公務員についての記述がほとんどだが、人数も国家公務員が100万くらいで地方公務員が300万が実態だ。もし国家公務員だけを書くのであれば、なぜ国家公務員だけに限定するか。例えば、国家公務員の働き方において公務員全体について典型的な特徴が出ているからというような記述がある方がよい。地方公務員について特別なことがある場合は調査にも協力する。
- 定塚参事官
- 類似の質問が前回にも出たが、国家公務員制度の方は基本的には国の制度。地方公務員制度の場合は、地方公務員法は法律だが、各公務員制度は基本的には地方公共団体でつくっている制度だ。この調査会は国の制度について検討する調査会で、基本的には国家公務員を対象とする。ただ、56ページの真ん中辺りで、「主に国家公務員制度を念頭に記述しているが、地方公務員制度においても各地方公共団体における検討が期待される」と記述しており、そういう整理にしたい。
- 木村委員
- 39ページの記述に工夫がほしい。地方公務員は対象外だからと言って国だけ取り上げるというが、民間が決めていることにもメンションしている。
- 定塚参事官
- 国の施策と社会慣行が対象なので、民間企業の慣行は含まれる。
- 木村委員
- そういう切り方で地方公務員を含めないのは、非常に官僚的な分類だ。
- 定塚参事官
- 地方公共団体でそれぞれ影響調査を行うことを期待しており、まずは地方公共団体それぞれでお考えになっていただきたい。一方、民間企業については我々の方で、参考として提言をするということも可能だと考えている。
- 大澤会長
- 政府の施策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響を調査するというのがこの調査会の基本的任務だが、民間企業の雇用システムについては男女共同参画基本計画に明示的に書かれている。同時に、民間企業の雇用システムの中でも、たとえば基準賃金とは何かといったルールで政府の施策なり制度というものが関わっている部分については、一段とクローズアップをするような形での取り上げ方になっている。ただ、この39ページの書きぶりで、説明が不足していることを一言補足するとわかりやすいのではないか。だから、56ページの「なお」以下で、「主に国家公務員制度を念頭に~」というようなこととパラレルな記述を1行くらい39ページのどこかに挟めばよい。
- 木村委員
- それなら公務員ではなくて、国家公務員にした方がまだわかりやすい。
- 大澤会長
- 国家公務員というのは後ろに出てくるから、それと平仄を合わせる。
- 木村委員
- 公務の場では地方公務員の方が女性が多く働いている。だから、39ページにメンションはしておいた方がいい。
- 佐藤委員
- 国家公務員の議論をするが、最後の方に、こういった検討を地方自治体でも行われることを期待してとか、そういう書き方はできるだろう。地方自治体でもやってほしいと書くことはできると思う。
- 定塚参事官
- それが56ページに書いてあるが、御指摘のように39ページにもそれはきちんと書き込みたい。
- 高尾委員
- 事前に郵送された案と今日のものとを比較して、昨年12月の地方公務員制度調査会の提言が削除されている。
- 定塚参事官
- 事前案に入れた趣旨は、地方ではこれだけ進んでおり、国もこういった検討をしようという意味で参考として載せたもの。誤解があってもいけないということから落としており、参考資料に入れることはできるかもしれない。
- 佐藤委員
-
では、まず少し大きなものからということで、43、44ページで公務員の「仕事と家庭の両立」で、これは現状のところで政策にも関わる。公務員は休業については民間より法律面で充実している一方、短時間勤務については部分休業は2時間以上とれず、定員法と勤務時間法の関係で2時間短くしても代替要員の確保は予算上難しく、事実上、部分休業の取りにくい状況があると書いてほしい。単に部分休業の時間だけではなくて背後に定員管理なり勤務時間法の問題があるということを書くべき。
育児休業の上限が3歳になった背景も、民間の短時間勤務等が3歳に引き上げられた時に、公務員の方でも育児休業を3年にするか、短時間勤務等を3歳までにするかとなったが、部分休業がやりにくいので、育児休業を3年にしたと私は解釈している。
育児休業が3年で悪いという意味ではないが、女性の活躍の場を広げ、仕事と子育てを両立させるということからすると一定の休業の後、短時間勤務が取れるということが非常に大事だ。確かに部分休業の予算等についての見直しが書かれているが、短時間勤務の在り方を見直すことも大事だ。フレックスタイムとか、2時間を超える短時間とか、あるいは週4日勤務等は現在は想定されていないと思うが、現状よりもう少し多様な勤務時間の柔軟化みたいなことはどうかと提言に書くべきだ。
細かいところだけ、5ページ5行目は「経験に基づく熟練等を要素とする生産システムのみから」とした方が良い。今の製造業の強さというのは電機、自動車といった、生産システムにあるので、「のみから」と限定しないと製造業を研究している人から怒られてしまう。8ページの注はいいと思うが、問題なのは注の上で、「まだ多くの企業で実際に使われ」は間違いで、企業は「正社員」を使っていない。「まだ一般的に使われている」でいい。あとは28ページで四角の中の現状の「資金の充実」というのは「調達」の誤りではないか。37ページの下から7行目の「最適」は「最低」の誤りで、38ページの下から2つ目の丸は「業務委託や個人請負」と「個人」を入れた方がいい。
それから、39ページの四角の上で「終身雇用」はやめて「定年まで」も不要ではないか。「長期継続雇用」の方が良い。あとは、55ページの下から4行目も「個人請負」にしたらどうか。最後に57ページのエのところで、一度子育てでリタイアした人についての採用という部分は公務セクターが積極的にそういう人を採用するという趣旨を少し積極的に書き込んでいただきたい。 - 木村委員
- 6ページの上から8行目に「家庭」とあるが、「家庭」と「家族」をどう区別しているのか。「家族」でもいいのではないか。全く別の家庭を築いても働きながら高齢者の親のケアをする場合もある。
- 林委員
- 以前、国家公務員が対象か、地方公務員も視野に入るかと質問した際に国家公務員中心で、地方の方はそれに準じた形で各地方自治体で頑張ってもらうということだった。それであれば、今回は、「国家公務員」という項として、「地方公務員」という項をもう一つ起こして、地方公務員についても国家公務員と同じ観点からそれぞれ地方自治体で検討を加えてもらいたいと改めて書いておくことでもいい。地方では、福祉分野等で非常勤・嘱託・パートなどでたくさんの女性たちが働いているし、今後もそういう分野への女性の進出はもっともっと拡大していくことも予想され、項を起こしてもいいかと思う。それから、本日の案では、住友電工の和解に関する記述が、削除されている。
- 定塚参事官
- これはあくまでも個別事案の和解との指摘を受け、外している。
- 林委員
-
個別事案とはいえ、このことが今の法律を使っても、なお過去の差別についても認めて是正する方向を示し、かつ国際条約の意味のようなものも示している点では大変大きな役割を果たす勧告内容であったと考える。削除しないでほしい。
22ページ「雇用の分野における間接差別については、何をもって間接差別というのか社会的合意は得られておらず---平成16年春ごろを目途に報告書が取りまとめられる予定」と書いてあるが、CEDAWからの勧告にも同じ趣旨のことがあった。間接差別の定義を明確にすることと、それを盛り込んだ法律を整理することについて勧告されていたが、ここに書くことを検討してはどうか。 - 定塚参事官
- CEDAWの勧告で、直接これだということが明確になっているものは書き込んだが、間接差別の定義の話は雇用の分野に限られないため、書いていない。雇用の分野での間接差別を書けとCEDAWに言われているのではなくて、間接差別の定義を書き込めと一般的に言われている。コース別については勧告の対象が明確に出されており、その点については書き込んだという整理をしている。厚生労働省の研究会の進展があれば、そのところを踏まえて書き直したいが、現段階では研究会もまだ検討途上であり、今回は、今後、報告書を取りまとめる予定と書くにとどめたい。
- 大澤会長
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削除前の文体は文意が取りにくい面もあった。厚生労働省の報告書の取りまとめの中身が見えてくるともう少し書きやすくなるのではないか。
住友電工の判決は個別の事案であるとはいえ、インプリケーション的には大きいのではないかと思うので、何らかの形で言及できないか。 - 佐藤委員
- インプリケーションのところを書いて、本文や注に書くというやり方はあるかもしれない。
- 定塚参事官
- 裁判例ではなくて和解の個別事例なので載せるのは不適当と指摘された。
- 林委員
- そうは言うものの、国も裁判の対象になったという意味ではとても大きい。
- 定塚参事官
- では、そういう形で載せられるかどうか、また案文をつくり御相談をさせていただく。
- 大沢委員
-
3点あるが、1点目は就業継続のところで退職してしまう女性が多いという記述があるが、その後の学歴と就業継続との関係というものがここでは余り触れられていない。知識集約型社会、知識集約産業化が進むとなると、ただ単に高学歴化が進んでいるだけでなく、高学歴の女性がその後どういうライフコースを描いているのか。特に気になっているのは、一たん辞めた後の再就職に学歴で逆相関があると言われる。研究がかなり蓄積されており、そこについて記述してそういったロスが非常に大きいと、高学歴化を進めるのであれば定着して初めて社会に還元されるということで、どの程度高学歴の女性が定着していくのかに触れるべきだ。
それから、59ページの段差の問題で、就業形態別に社会保険の負担がかなり異なるということが書かれており、非常に重要な点だ。これがいわゆる非正社員を増やしている要因の一つにはなっているので、そこを少し記述を深めていただいて、それが多様な就業形態の選択をゆがめて非正規の雇用を必要以上に増やすというような記述を入れるとインパクトが強くなるのではないか。
もう一つは9ページで、本当は正社員になりたいけれどもなれない人がいるというような記述があるが、5年前と今では、そういう人たちが特に若者を中心に増えているのか、時系列でデータを入れていただいて、その変化について触れていただけるといいのではないか。 - 橘木委員
- 大沢委員の印象だと、増えているのか、減っているのか。
- 大沢委員
- 私が調べたところでは、時系列で増えている。就業形態の多様化について厚生労働省がやっている調査があったと思うが、そこで増えていたと思う。あとは、人件費を削減するためにパートタイマーを増やすという企業の割合が90年代から急速に増えている。その2つを見ると、かなり非正規が増えていて、雇用者は正社員になりたい人が増えているという図になっている。
- 橘木委員
- そうすると、非正規の人の数が増えているのは主に企業側の要因であるというふうに理解してもいいか。
- 大沢委員
- そう思っている。在宅やSOHO固有とされている問題は、業務請負の問題と重なる。
- 林委員
-
外国人労働者の中のいわゆる不法就労と言われる人たちの数が増えてきている。その中でも、女性というのがより実態がつかみにくい状況になっていると思う。それは国の施策と非常に深い関係があるという気がしている。
例えば、社会的保護を受けられないような働き方で実際には働いているけれども、働いていることになっていない人たちが増える。ILOでも既に問題になり始めているし、アジアの国々からは受入国の責任として国内法をもう少し整理し、社会的保護の範囲で働けるような条件を整えるべきではないかという問題提起をされ出した。せめて女性の場合は特に実態がつかみにくい状況にあることや、現在の単純労働者は就労の許可をしない、受入れをしないということなど、さまざまなことについて検討を開始しなければいけないというようなことがどこかに書けないか。あるいは実態を把握することに努めるとか。全く書かないということでいいか。 - 大沢委員
- 間接雇用が増えている中で、外国人が更に雇用契約が短い低賃金の労働者として、名古屋周辺に多いという話を聞いたことはある。
- 大澤会長
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この専門調査会のアジェンダとどのように関係してくるかというと、前回橘木委員から、就業調整をする人がいると、その人だけではなく他の人にも労働条件を下方に引っ張る影響が及ぶという研究結果を御報告いただいた。林委員が御指摘の働いているのに働いていないことになっている人たち、就業調整ではないが、社会的保護、ソーシャル・プロテクションがないので非常に劣悪な労働条件に甘んじて働いている人が最底辺におり、その人たちは自分の労働条件を低めているだけではなく、それよりは上層にある人の労働条件も下から引っ張っている。
そういう意味では、その人たちがたとえ労働力人口の1%未満であるとしても、ライフスタイルや就業スタイルの選択に何らかの影響を及ぼしている存在である。それが政府の施策とどう関わっているかというと、出入国管理ということ、同時に国内でのソーシャル・プロテクションが十分及んでいないということと関連しているだろう。国全体としては、やはり影響を及ぼしているクリティカルマス、量的に敷居を超えないと言及しにくいかと思う。
逆に言うと、地域によっては労働市場でそういう人たちの存在がかなり大きいところもあり得るかもしれないので、地域経済への影響ということで言うと多少言及する正当性が出てくるかという気がする。
もう一つは、外国籍の労働力全体の関係で、カナダとかアメリカ、ヨーロッパの幾つかの国は知識経済化に伴って高度人材を大量に受け入れるために受入れ条件を早々と改正をした上で、アジアからの高度人材の受け入れに非常に成功している。これに対して、アジアの先進国の中で日本はそれにも失敗しているところがある。
アジア諸国では単純不熟練労働者の排出圧力というものが非常に強いが、その全体としての労働力移動をどのように取り扱うかというポリシーが整理されていないために、さまざまな問題が生まれている。それがこの専門調査会の任務とどう関わるか。例えば今日の関係資料の1の最初にポンチ絵があるが、ここには高度人材をどのように受け入れるかといったことは書かれていない。
産業構造審議会などではそういった議論はしていたので、何か余地はあるかという気はする。しかし、ソーシャル・プロテクションのない不熟練労働についてのみ取り上げるということは、事柄の量的な大きさからして直ちには難しいのではないか。 - 佐藤委員
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課題ではあると思うが、ここで言うのはやや難しいかもしれない。
もう一つ、不法だけではなく、いわゆる日系の人たちは合法。労働市場で言うと、海外に日本の労働市場の飛び地がある。この中でどういう労働市場政策をやるかということを議論しなければいけないので、そこのところは難しいのではないか。 - 永瀬委員
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まず18ページの「結婚・出産退職等」で丸が2つあって、婚姻、妊娠、出産または産前産後休業所得を理由とする解雇については禁止されているとあるが、契約期間の終了に関しては禁止にはなっていない。現在非正規で契約期間がある雇用関係にある若い女性が大変増えているため、契約期間の終了による雇用関係の終了というのが、実態的には婚姻や妊娠、出産等を理由として起こっている傾向が高まっているということは少し記述していただきたい。
2点目、49ページの「家族手当の見直し」のところ。以前からこういう議論があったが、配偶者に対する手当というのが就業調整を引き起こしている原因となっており、廃止すべきではないか。私もその就業調整の原因になっているということは非常に問題が大きいと思っている。ただ、これを「全体として本給に振り替えることや」という例示が載っているが、大きな目で見ると、日本に関して言えば児童手当等が非常に貧弱だったことの裏返しとして、企業内福祉として家族の面倒を見てきた。ここのところを、ただ廃止して皆で均等に配りなさいというのでうまく成立するかというと、私はそうではないのではないかと思っており、廃止するのであればもう少し国全体の措置として、例えば児童のいる家族に対する配慮を手厚くすることが必要ではないか。 この原資をそのまま児童手当の原資にしてもいいとなるといろいろ反論が出そうな気がするが、考え方としてはそういう方向を少し入れてもいいのではないか。
3点目は、56ページの公務員のところ。非常勤職員採用の男女機会均等というのは果たしてどんなものか。実態的にどういう効果があるのか。これを入れてほしくないということではないが、従来新卒者を採用して年功的な賃金表の下で長期雇用をするという採用が中心であったのに対して、例えば中年期からの女性の採用ということであっても、ただ単に臨時職員として短期間雇うというのではなく、賃金表は違うかもしれないが、もう少し公式な形で違う採用があることが女性の能力発揮ということの一助になるのではないかという見方を私としては持っている。ここに書いてある列挙だとそういうことが可能性として入ってこないのではないか。 - 大澤会長
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公務員のところ、扶養手当はともかく、配偶者手当を見直してはどうかという点について。俸給が生計費を配慮することが法律に書いてあるとしても、分業の利益とか帰属所得ということがあるので、無業の妻がいるために直ちに生計費がかさむというとらえ方はいかがなものかという議論もこの専門調査会ではした。また、育児休業期間などは民間より長いのだから、民間企業で廃止や見直しが進んでいないとしても公務の方が一歩先んじて見直すということも考えられるのではないか。これは佐藤委員の御意見であったと思うが、その辺のところをもう少しにおわせていただきたい。
金融機関の女性職員は生活経験がある、そういう女性職員をもっと融資業務なり何なりに配置してはどうかという点が、1か所は52ページにあり、これを受ける部分がもう1か所ある。しかし、女性職員だから生活経験があると書いてしまうのはいかがなものか。男女を問わず生活経験のある、あるいは多様な生活経験を持つ人がそういうところに配置される必要があり、だから女性行員の登用が必要だと書いた方がいいのではないか。 - 佐藤委員
- 生活経験というより、まずは融資するところに女性がいないことが問題。そういう人たちがそういうところに行きながら子育てなどをするので、当然生活経験もある人が結果として来るようになるとは思う。
- 大澤会長
- 男性でも生活経験を持って融資業務に当たってほしい。
- 佐藤委員
- まず女性がいないということが一番の問題。
- 木村委員
- 生活経験というのは省いた方がいいのではないか。女性だから生活者として意見を言ってくださいなどとシンポジウム等で言われるが、おかしい。
- 永瀬委員
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49ページ(2)のところ、就業の選択に中立的でない世帯単位の制度の見直しをするというのはいいが、今まで片働き中心で構築されてきた安全ネットをやめるのであれば、それに代替的な安全ネット、つまり出産や育児等を社会的にもっと配慮するということを少し書き込む必要がある。
社会的な配慮というのは、例えば現在育児休業の対象者になっている人たちというのは基本的には正社員に限られていて、例えば妊娠時に仕事を持っている女性というのは決して少なくないが、恐らく都会で言えば半数程度はもともと育児休業なんてカバーされていないような働き方をしている人だと。それは本人の好みであるのか、それともそういう働き方になってしまっているのか。そこは議論があると思うが、安全ネットとしての考え方はもう少し広げる方向を出した方がいいのではないか。 - 大澤会長
- 具体的には59ページでセーフティネットと言って段差の話につながっていくところ、例示が年金制度だけになっているのでそれがわかりにくいが、そういう子育て支援などの、セーフティネットというよりもソーシャル・プロテクションの問題である。それがやはり包括的でないことの問題を、例示として付け加えるなりすればよいか。最後に書くとなると最初の方にも伏線を張っておいた方がいいかもしれないが、場所はこの辺りがよろしいか。そうすると、十分目立つところにくるとは思うが。
- 高尾委員
- 細かいことからテーマ的なことまで、出しておいた意見をいろいろ御配慮いただいた。更にだが、NPOのところで、最低賃金法のことが書いてあるが、論議があるところだというような書き方をしてある。
- 大澤会長
- 両用のとらえ方があるというところ。
- 高尾委員
- 私は男女共同参画社会が進んでいくということは、一般的な有償労働市場、営利型の市場一極主義というものがもう少し多極化してくる、そういうことばかりではない社会になってくるというイメージをしている。だから、そのほかにも対営利企業とか、市民社会の強化とか、あとはケア女性の精神的、経済的な希望の実現のような意味で雇用の受け皿ということになると思うが、NPO活動というのは男女共同参画社会との関係で非常に大事だと思っている。最低賃金法の適用に関して反対意見があるというのは私も聞いているが、どちらでもいいといった書き方をされてしまうと困る。それは論議いただかないといけないが、やはり最低賃金法を適用すべきという気持ちがある。
- 大澤会長
- 雇用者については最低賃金等を遵守するようにと書いてある。
- 定塚参事官
- 37ページには十分書いていないが、55ページの方でボランティアと雇用者を区別した上で適用関係を明確化してほしいということが書いてある。
- 高尾委員
-
これはなぜボランティアになっているのかということもあるかもしれない。
また、やはり無償であったり有償ボランティア程度であると、どうしても能力のある方々が参入しにくいということがあり、きちんとNPOの方々にも、お金を払う、というのではないが、そういう立場を出していくことは大事ではないかと思う。
また、6ページで最後の方の「男女が共に就業とのバランスをとりながら行うことを前提とした諸制度を構築する必要がある」というところ。これは永瀬委員も意見しておられるところで非常に大事なことだと思う。そして、戦前まではわからないが、戦後の日本の社会ではケアをするということがきちんと見つめられてこなかったし、ケアをするということは邪魔者みたいな形であったのではないか。本来人間というのは、小さいころはケアをされてきたのであり、そしてケアをする立場に回り、またケアをされて亡くなっていくということをよく認識するべきではないか。非常に文学的なことになってしまって申し訳ないが、そういうことも加味して書いていただくといいかと思う。これは人口問題に関して厚労省がやったシンポジウムか何かで聞いてきた意見。
3ページにだけ「就労」という言い方があるが、全般的には「就業」になっているので「就業」に合わせればいいのでは。 - 大澤会長
- それは統一する。書き分けるのであればその理由がわかるようにということですね。
- 高尾委員
- 幾つか政策のところで26日のものから削除された部分があるが、その理由を個人的にでも教えていただければありがたい。
- 大澤会長
- 本日いただいた以外の追加コメントについては、3月5日までに事務局に御提出いただくようお願いする。また、御欠席の委員のコメントについても事務局で整理を。
(以上)