(開催要領)
- 開催日時:2001年10月3日(水) 16:30~18:00
- 場所:官邸大客間
- 出席議員
- 小泉 純一郎 内閣総理大臣
- 議長
- 福田 康夫 内閣官房長官
- 議員
- 片山 虎之助 総務大臣 (代理 遠藤 和良 総務副大臣)
- 同
- 森山 眞弓 法務大臣
- 同
- 田中 眞紀子 外務大臣 (代理 杉浦 正健 外務副大臣)
- 同
- 塩川 正十郎 財務大臣 (代理 尾辻 秀久 財務副大臣)
- 同
- 遠山 敦子 文部科学大臣 (代理 青山 丘 文部科学副大臣)
- 同
- 坂口 力 厚生労働大臣
- 同
- 武部 勤 農林水産大臣 (代理 遠藤 武彦 農林水産副大臣)
- 同
- 平沼 赳夫 経済産業大臣
- 同
- 扇 千景 国土交通大臣 (代理 泉 信也 国土交通副大臣)
- 同
- 川口 順子 環境大臣
- 同
- 村井 仁 国家公安委員会委員長
- 同
- 中谷 元 防衛庁長官 (代理 萩山 教嚴 防衛副長官)
- 同
- 猪口 邦子 上智大学教授
- 同
- 岩男 壽美子 武蔵工業大学教授、慶応義塾大学名誉教授
- 同
- 神田 道子 東洋大学長
- 同
- 佐々木 誠造 青森市長
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 橘木 俊詔 京都大学経済研究所教授
- 同
- 原 ひろ子 放送大学教授
- 同
- 福原 義春 (株)資生堂名誉会長
- 同
- 古橋 源六郎 (財)ソルト・サイエンス研究財団理事長
- 同
- 師岡 愛美 日本労働組合総連合会副会長
- 同
- 山口 みつ子 (財)市川房枝記念館常務理事
- (説明者)
- 島野 穹子 女性に対する暴力に関する専門調査会長
(議事次第)
- 開会
- 議題
- (1)各専門調査会からの報告について
- (1)「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の円滑な施行について
- (2) 男女共同参画会議における監視の実施方針及び平成13年度の活動方針について
- (3) その他の専門調査会の検討状況について
- (2) 最近の男女共同参画社会の推進に関連する動きについて
- (1)各専門調査会からの報告について
- 閉会
(配布資料)
- 資料1-1
-
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の円滑な施行について(専門調査会報告)[PDF形式:81KB]
- 資料1-2
-
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の円滑な施行について(案)[PDF形式:84KB]
- 資料2-1
-
男女共同参画会議における監視の実施方針について(案)[PDF形式:70.5KB]
- 資料2-2
-
男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況の監視に関する平成13年度の活動方針について(案)[PDF形式:5.4KB]
- 資料3
-
基本問題専門調査会の検討状況について) [PDF形式:6.6KB]
- 資料4
-
影響調査専門調査会の検討状況について[PDF形式:34.4KB]
- 資料5
-
仕事と子育ての両立支援策に関する資料[PDF形式:308KB]
- 資料6
-
農林水産省男女共同参画推進本部の取組状況について[PDF形式:78.6KB]
- 資料7
-
国の行政機関での職員の旧姓使用について(平成13年7月11日各省庁人事担当課長会議申合せ)[PDF形式:34.7KB]
- 資料8
- 国の審議会等における女性委員の参画状況調べ
- 資料9
- 地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況(概要)
- 資料10
-
家族とライフスタイルに関する研究会報告書[PDF形式:13.08MB]
- 資料11
- 第3回男女共同参画会議議事録(案)
(概要)
○ 各専門調査会からの報告について
女性に対する暴力に関する専門調査会の島野会長から「『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』の円 滑な施行について」報告があり、その意見部分について、「『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』の円 滑な施行に向けた意見」として決定した。
また、苦情処理・監視専門調査会の古橋会長から、「男女共同参画会議における監視の実施方針について(案)」及び「男女共 同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況の監視に関する平成13年度の活動方針について(案)」について報告が あり、それぞれ決定した。
また、その他の専門調査会から検討状況について報告があった。- 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の円滑な施行について
(師岡議員)
新たに設置される支援センターと、既に設置されている福祉事務所や、これまで役割を果たしてきたNGOやNPOとのかかわ りについて議論があればお伺いしたい。また、子どもに対する接近禁止や健康保険、生活保護、学籍簿等、一時保護後の対応 のあり方について、議論があればお伺いしたい。
(島野会長)
意見の中で、各都道府県で主となる支援センターを定め、そこを中心に、既存の施設やNPO等との連携を保っていくことを述 べている。また、今まで婦人相談所で行ってきた一時保護はこの法律で法的根拠ができ、民間への委託が可能になっており、 さらに連携を促進してほしい。子どもに対する接近禁止等の扱いについては結論的なものは出なかった。学籍簿については、 現在でも対応が可能であると聞いている。
(神田議員)
被害者保護に関わる民間の意見については、「参考にする」となっているが、積極的に民間の意見を取り入れる方向で考え たほうがよいのではないか。
(島野会長)
民間の意見を取り入れることが重要で効果的であるというのはよく理解している。
(山口議員)
今後、保護命令の接近禁止に距離を明示するという議論もしてほしい。また、被害者に保護や協力を行った人に対しては、こ の法律は適用されないのか。
(島野会長)
直接の適用はない。
まだ問題は多くあると考えており、専門調査会でも引き続き検討していきたい。(猪口議員)
研修については、取組先進国のマニュアル等を参考とするだけでなく、研修交流や相互の研究、学習等、人的交流が必要な のではないか。
(島野会長)
猪口議員の御意見も十分尊重して、内閣府等において進めていくと思う。
(神田議員)
研修について、文部科学省の取組はどうか。
(青山議員代理)
職務関係者の研修は内閣府で取りまとめているところであるが、文部科学省では普及啓発の一環として資料等を作成し配付 した。
(原議員)
報告書の参考資料として関係法令をつけているが、保護命令等はこのように様々な法律が絡んでいる。今後も課題を検討し ていくが、その上で法律の仕組みについても検討していきたい。
(村井議員)
警察としては、配偶者からの暴力事案について、従来から関係機関・団体と連携しつつ、被害者の立場に立った対策に積極 的に取り組んできたところだが、今後とも、取組を一層充実強化してまいりたい。
(森山議員)
法務省としては、この法律の趣旨や新しく罰則が規定されたことなどを踏まえ、関係府省庁と協力を図り、本法が円滑に施行 されるよう努めてまいりたい。
(坂口議員)
家庭内においても放置することのできない困難かつ複雑な問題が生じており、配偶者からの暴力の問題に適切に対応できる ようにすることが極めて重要。この法律の円滑な施行に向けて、婦人相談所の機能強化、被害者への心のケア対策、関係機 関職員の資質向上、婦人保護施設等の施設の改善などの取組をこれからも強力に進めていきたい。
(福田議長)
内閣府としても、本日の意見を踏まえ、法律の円滑な施行のために今後とも関係各府省の調整を図るとともに、職務関係者 に対する研修や一般に対する広報啓発活動など積極的に取組を進めていく所存。
女性に対する暴力に関する専門調査会においては、引き続き検討を行うとともに、法律の施行状況についても把握し、適宜男 女共同参画会議に御報告いただきたい。- 男女共同参画会議における監視の実施方針及び平成13年度の活動方針について
(猪口議員)
地方自治体における苦情処理機関については、第3者機関とするように指導すべきだと思うが、専門調査会では議論があっ たのか。
(古橋会長)
論理的には独立した機関であった方がよいとは思うが、財政の関係等、地方自治の問題であることから、各地方自治体にお いて、その地方の実状に照らして考えるべき。
(住田委員)
平成13年度の活動方針のうち、「仕事と子育ての両立支援策」について、特に「両立ライフへ職場改革」はどのように監視す るのか。
(古橋議員)
育児休業や男性の産休取得などについて、企業に指導しているか等を監視するのではないかと思う。また、職住接近など、 長期的なものについても、各府省が努力をしているかについて監視を行いたいと思う。
(住田議員)
出産後の身分保障や子どもの看護休暇など、目に見えない問題に対して、苦情を受け付ける窓口ができることが望ましいと 考えている。
(古橋議員)
そのような問題についても、よく各府省から話を聞いていきたい。
(原議員)
長期的に、社員が育児休業などを取っている企業に対し、税制面などでインセンティブを与えるような仕組みを検討して欲し い。
(福原議員)
審議会委員の女性の参画等について、地方に対してはどのようにフォローアップしていくのか。
(古橋議員)
内閣府で地方自治体の状況について調査を行っており、公表している。このように情報を公開し、各地方自治体がどのような 状況にあるかが分かれば、地方の住民が首長に対し要望していくということになるのではないか。
(福田議長)
本日決定した監視の方針に基づき、今後、苦情処理・監視専門調査会で具体的な作業を進め、その結果については逐次本 会議で御報告いただきたい。
- その他の専門調査会の検討状況について
(森山議員)
選択的夫婦別氏制度の導入については、大変世間の関心が高く、国会議員の間でも非常に期待が大きいもので、参議院の 本会議でも質問があった。これらを考えると、男女共同参画会議が示される御見解は極めて重要なものであると認識している。 次の基本問題専門調査会は10月11日に開催されるそうだが、前向きな御報告が頂けることを私としても強く期待している。
○ 男女共同参画社会の促進に関する動きについて
厚生労働省、文部科学省及び農林水産省から「仕事と子育ての両立支援策に関する資料」について、防衛庁、法務省及び 農林水産省から「各府省の男女共同参画推進体制の整備について」、また、事務局から「国の行政機関での職員の旧姓使用 について」及び各種報告書について、それぞれ説明がなされた。(橘木議員)
日本は先進国の中で唯一男女の賃金格差が拡大しているが、それは女性が多く就業しているパートタイマーの賃金が非常 に低いため。厚生労働省には、賃金格差を縮小するような施策を進めてもらいたい。
(坂口議員)
いわゆる130万の壁については、現在女性と年金検討会で議論し、10月にも結論を出したいと思っている。難しい問題だが 格差の縮小に向けて少しでも前進したい。ただし、現在の経済状況もあり、またこれだけというわけにもいかない。
(諸岡議員)
仕事と家庭の両立には、男性の雇用環境の改善が大きな課題である。女性に周知をするだけでなく、できれば各府省を横断 して、男性の育児休業取得促進に向けた検討委員会などの設置も考えてよいのではないか。
(住田議員)
厚生労働省の年金の検討会に所属しており、そこでも130万の壁や第3号被保険者問題など、21世紀の女性の在り方につ いて議論しているが、これには年金とともに配偶者控除等の税制も大きく絡んでおり、平行して検討していただきたい。
○ その他
第三回男女共同参画会議議事録(案)が提示され、公開することが了承された。(原議員)
難民や紛争下における日本の国際貢献に当たっては、特に女性に対する暴力等が問題になることから、外務省やJICAを通 じた援助の際に、日本が男女共同参画の視点を反映していることが国際社会に見えるような努力をお願いしたい。
○ 内閣総理大臣から、あいさつが行われた。
(以上)