先輩からのメッセージ

- 大友 幸子さん
- 山形大学地域教育文化学部教授
- 研究分野:地質学
- 朝日山地、阿武隈帯を中心に花崗岩体の地質学的研究を行っています。
- 所属学会:日本地質学会,地学団体研究会,日本鉱物学会
理学系分野を選択した時期・理由
子どもの頃からきれいな石を見つけると拾ってきたりしていましたが、鉱物や化石採集にでかけるのが魅力で高校では地学部に入りました。高校1年の時の理科や数学の成績が悪かったので,“どちらかというと自分は文系かな?”と思ったのですが,地学部の活動を通じて地学系への進学希望が強くなりました。地学部顧問の先生の影響が大きいです。地学関係に地学部のOG(女子校だったので)が何人かいるので,今から考えるとその方々がロールモデルになっていたのかもしれません。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
花崗岩は、地球の進化の過程で形成してきた大陸地殻を特徴づける岩石です。地下深部で形成した花崗岩が現在は隆起して山地を構成しています。また、みかげ石と呼ばれ、墓石やビルの壁、歩道の石材として利用されている岩石でもあります。授業や講習で街中の石材を見学したあとに,「身近にありながら今まで意識して見ていなかったみかげ石(他の石材も)に注目するようになりました」という感想を聞くとうれしいです。
大学の授業・実習以外に、小学校での授業や一般向け公開講座でも,身近なところにある岩石や地形・地質を題材にして,大地の歴史に興味を持ってほしいと思いながら取り組んでます。
女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ
私が学生の頃に比べれば、現在は理系分野に進学する女性が増えて,若手や中堅世代にロールモデルとなる女性も増えてきました。女性が増えることで環境も改善されているように思います。「自分のやりたいことに飛び込んでいって大丈夫なのか?」と考えることもあると思いますが、いつでも,最後の障壁は自分だと思います。周囲の意見や助言に左右されることなく、自らの意志で選択した方向に進むためにがんばってください。