先輩からのメッセージ

- 竹中 麻子 さん
- 明治大学農学部農芸化学科
- 准教授
農学系分野を選択した時期・理由
中学や高校の時から、学校の科目の中では生物が好きでした。特に動物の体に関する内容に興味があり、私たちの体を統合的に制御する神経やホルモンのはたらきを学習した時には、あまりに巧妙な仕組みに心を打たれたことを覚えています。大学では生物に関係した勉強をしたいと漠然と考えて進学し、農学系の分野に決めたのは3年生で学部を選択した時です。基礎的な研究を行うことができることに加えて、その成果を応用して役立てるという視点を大事にしていることが決め手となり、理学部や薬学部ではなく農学部を選びました。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
生命現象の小さな謎を解き続けることで、誰も知らない新たな発見に到達できること。大げさになりますが、人類のこれまでの知識に自分で何かを付け加えられることが、現在の仕事の魅力です。さらには、こうした発見を学会や論文などで発表したり議論したりして、周囲に認めてもらうことができるのは、研究者という職業の特権ではないかと思っています。
私は、食べ物が動物の体や行動におよぼす影響について研究を行っています。食べ物が変わると体調が変化することは当たり前のように思われますが、体内に入ってきた食品成分の違いがどのような情報になって体に伝わっているのかは、まだ分かっていないことの多い研究領域です。こうした課題を研究していくうちに、学生時代に興味があった神経やホルモンと食べ物の関係へと、研究が展開してきました。私もそうですが、好きなことが仕事になる、という実感をもってはたらいている人が多い仕事なのではないかと思います。
女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ
理科系の勉強が好きだなと感じているなら、あまりいろいろ心配せずに、理系の進路を選んでほしいと思います。どのような道を選んでも大変なことはあるでしょうが、理系の分野で特に女性が不利、ということはないでしょう。女性だから男性よりも頑張らなくてはと肩肘を張らず、自分に合ったやり方で人生を充実させてください。