先輩からのメッセージ
- 古山 陽一さん
- 国際医療福祉大学 成田看護学部 専任講師
- 1979年、福岡県生まれ。大阪市立大学(現・大阪公立大学)大学院修了。同大学医学部附属病院看護師を経て、2016年から国際医療福祉大学専任教員。2012年から「男性のケア参画」を支援するNPO主宰。共著書に『コロナ禍における日米のNPO』(明石書店)。2018年、澤柳政太郎記念東北大学男女共同参画奨励賞受賞。他に、成田市男女共同参画計画推進懇話会委員等も務める。看護学の探究を通じ、性別にとらわれず生きることができる社会への実践を目指して、日々奮闘中。妻と2児の4人家族。千葉県在住。
理工学系分野を選択した時期・理由
私が、保健系分野の世界に足を踏み入れたのは、社会人になってからでした。看護師である妻の影響です。妻が、当時不治とされていた大病を経験し、最期のときには自分の手で看取りたいと考えたことが理由でした。幸いにも、妻の病は子どもを産めるまでに回復し杞憂で済みましたが、私は闘病されておられる患者さんにとって何が最善か考え、ケア(Care)し支えようとする看護学の魅力にすっかりはまってしまいました。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
現在の仕事は、看護職を目指して大学に入学してきた学生に対して、疾病や障がいなどによって自身で食事や排泄、入浴などを行うことが困難な人を支援するための看護技術などについて教育を行うことです。また、看護や介護、育児といったケアへの男性の参画支援についても、研究と実践の両面から取り組んでいます。看護学の教育や研究、実践に携わり感じることは、ケアの向き不向きに性別は関係無いということです。そのような誰もが性別にとらわれず生きることができる社会へと拓かれた営みに、現在の仕事の魅力やおもしろさを感じています。
女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ
女子高生の皆さんにとって看護師は「なりたい職業」の上位に挙げられていますし、本学でも多くの女子学生の皆さんが看護学を学んでいます。看護学は、医学といった理系の要素と社会学、心理学などの文系の要素が融合した学問領域です。患者さんの身体面のみに焦点を当てるのでは無く、社会面、心理面といった幅広い視座からその人の全体像を捉えようとする姿勢が求められます。疾病そのものでは無く、人への関心が深く、ケアし支えることに喜びを感じられるのであれば、理系に苦手意識があっても臆さずに、看護学の門を叩いてくださることを歓迎します。また、男子高校生の皆さんにも、看護師は女性の職業だと思い込まずに是非チャレンジしてほしいと願っています。