内閣府ホーム  >  内閣府男女共同参画局ホーム > 男女共同参画とは > 男女共同参画白書 > 男女共同参画白書 令和8年版 > 第1節 人生100年時代における生活や社会構造の変化

特集 仕事や職業キャリアに関する女性の学び直し・暮らしを充実させる男性の学び直し~学び直しの現状と分析~

本編 > 1 > 特集 > 第1節 人生100年時代における生活や社会構造の変化

第1節 人生100年時代における生活や社会構造の変化

本節では、政府統計等を用いて、人口減少・長寿化・世帯構造の変化を整理した上で、女性と男性の就業状況の変化と依然として残る男女間格差、さらには男性が抱える孤独・孤立などの課題を概観し、あわせて、急速なテクノロジーの進展が、産業構造や生活に与える影響を踏まえ、こうした社会の変化に対応するため、人生100年時代において多様な働き方、学び方及び生き方の選択肢を広げ、誰もが継続して学び続けられる環境の重要性について整理する。

1.人口減少と社会構造の変化

我が国では、人口減少と高齢化が進行しており、令和52(2070)年には、15~64歳人口がピーク時に比べてほぼ半減すると推計されている。一方、平均寿命や健康寿命は延伸しており、高齢者の体力も向上傾向にある。また、家族の姿が変化し、単身世帯や共働き世帯が増加している。

(人口の減少)

我が国の人口は、減少局面を迎えている。平成20(2008)年に1億2,808万4千人でピークを迎えた総人口は、令和7(2025)年時点では1億2,321万9千人となっており、17年間で486万5千人減少している。将来に目を向けると、令和38(2056)年に1億人を割り、令和52(2070)年には8,699万6千人と、ピーク時の3分の2程度(67.9%)に減少すると推計されている。

また、15~64歳の人口は、平成7(1995)年の8,726万人をピークに、令和7(2025)年時点では7,352万9千人と、30年間で1,373万1千人減少している。今後は更に減少が加速し、令和52(2070)年には4,535万人と、ピーク時の半数程度(52.0%)まで減少すると推計されている。

一方、65歳以上人口は、増加傾向が続いており、令和7(2025)年時点では3,622万1千人、総人口に占める割合は29.4%となっている。今後も総人口に占める割合は上昇が続き、令和52(2070)年には、38.7%になると推計されている(特-1図)。

特-1図 我が国の人口の推移と将来推計(年齢3区分別)別ウインドウで開きます
特-1図 我が国の人口の推移と将来推計(年齢3区分別)

特-1図 [CSV形式:6KB]CSVファイル

(平均寿命と健康寿命の伸長)

我が国の令和6(2024)年時点の平均寿命は、女性が87.13歳、男性が81.09歳であり、令和52(2070)年には、女性91.94歳、男性85.89歳になると推計されている(特-Ⅰ図再掲)。

平均寿命の延びに伴い、健康寿命7も延伸しており、令和4(2022)年時点で、女性75.45歳、男性72.57歳となっている。平成13(2001)年と比べると、男女ともに3年程度健康に過ごせる期間も長くなってきている(特-2図)。

特-2図 健康寿命と平均寿命の推移(男女別)別ウインドウで開きます
特-2図 健康寿命と平均寿命の推移(男女別)

特-2図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

65~69歳、70~74歳及び75~79歳の男女の新体力テスト(握力、上体起こし、長座体前屈、開眼片足立ち、10m障害物歩行、6分間歩行)の合計点は、男女とも向上傾向にあり、高齢者の体力も向上している(特-3図)。

特-3図 新体力テストの合計点の推移(男女別・65~79歳)別ウインドウで開きます
特-3図 新体力テストの合計点の推移(男女別・65~79歳)

特-3図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

(世帯の変化)

世帯構成にも大きな変化が生じている。

世帯の家族類型別構成割合の推移をみると、平成2(1990)年時点では、37.3%を占めていた「夫婦と子供から成る世帯」の割合は、令和2(2020)年時点では25.1%に低下しており、今後も更なる低下が見込まれている。

一方、平成2(1990)年時点では23.1%であった「単独世帯」の割合は、令和2(2020)年時点では38.1%まで上昇している。今後も更なる増加が見込まれており、令和32(2050)年時点では44.3%になると推計されている(特-4図)。

特-4図 世帯の家族類型別構成割合の推移別ウインドウで開きます
特-4図 世帯の家族類型別構成割合の推移

特-4図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

また、妻が64歳以下の世帯について、「雇用者の共働き世帯」数と「男性雇用者と無業の妻から成る世帯」(いわゆるサラリーマンの夫と専業主婦の世帯)数の推移をみると、「雇用者の共働き世帯」数は増加傾向にある一方、「男性雇用者と無業の妻から成る世帯」数は減少傾向となっている。

令和7(2025)年時点で、「雇用者の共働き世帯」数は1,254万世帯と、「男性雇用者と無業の妻から成る世帯」数(358万世帯)の3.5倍となっている(特-5図)。

特-5図 共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移(妻が64歳以下の世帯)別ウインドウで開きます
特-5図 共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移(妻が64歳以下の世帯)

特-5図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

5年間の増減率をみると、共働き世帯数は、平成22(2010)年~平成27(2015)年は9.0%、平成27(2015)年~令和2(2020)年は9.8%、令和2(2020)年~令和7(2025)年は6.3%と増加しているのに対し、専業主婦世帯数は、それぞれ18.3%、22.6%、23.2%の減少となっている。

「雇用者の共働き世帯」(妻が64歳以下)について、妻の働き方別にみると、令和7(2025)年時点で、妻がフルタイム労働(週35時間以上就業)の世帯数は542万世帯、妻がパートタイム労働(週35時間未満就業)の世帯数は712万世帯と、前年に比べていずれも増加している(特-6図)。

特-6図 妻の就業時間別共働き世帯数の推移(妻が64歳以下の世帯)別ウインドウで開きます
特-6図 妻の就業時間別共働き世帯数の推移(妻が64歳以下の世帯)

特-6図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

7 健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」をいう(国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(令和5年厚生労働省告示第207号))。

2.働き方の変化と男女間格差の現状と課題

(就業率の変化)

令和7(2025)年時点の15~64歳女性の就業率は75.3%と、10年前(平成27(2015)年)に比べて10.7%ポイント、20年前(平成17(2005)年)に比べて17.2%ポイント上昇している。

一方、15~64歳男性の就業率は、平成27(2015)年頃までは8割付近を横ばいで推移してきたが、近年上昇傾向にあり、令和7(2025)年時点では84.6%と、10年前と比べて2.8%ポイント上昇している。

年代別にみると、令和7(2025)年の20代から50代までの女性及び20代男性の就業率は、いずれも8割程度となっている。また、30代から50代までの男性の就業率は9割以上となっている。なお、60代でも女性は56.2%、男性は74.2%が就業している。

女性就業率を20年前(平成17(2005)年)と比べると、60代で24.4%ポイント、30代で22.9%ポイント、50代で16.5%ポイント、20代で13.6%ポイント、40代で13.0%ポイント上昇している。また、60代男性の就業率も17.9%ポイント上昇している(特-7図)。

特-7図 就業率の推移(男女、年齢階級別)別ウインドウで開きます
特-7図 就業率の推移(男女、年齢階級別)

特-7図 [CSV形式:4KB]CSVファイル

(М字カーブの解消と依然として残るL字カーブ)

かつて女性の労働力人口比率は、結婚・出産期に当たる25~29歳及び30~34歳を底とする、いわゆる「M字カーブ」を描いていたが、令和7(2025)年時点では、ほぼ解消している(特-8図)。

特-8図 就業状況別人口割合(男女、年齢階級別・令和7(2025)年)別ウインドウで開きます
特-8図 就業状況別人口割合(男女、年齢階級別・令和7(2025)年)

特-8図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

また、年々、第1子出産後も就業継続する女性は増加しており、直近では、第1子出産前有職者の約7割が就業を継続している(第2章2-8図参照)。

しかしながら、正規雇用比率8をみると、女性は男性に比べて低く、25~29歳をピークに年代が上がるとともに低下する、いわゆる「L字カーブ」を描いており、依然として、出産等を契機に働き方を変えたり、女性がキャリアを中断・断念したりする状況が残っていることがうかがえる。他方、近年は、20代から40代までを中心として女性の正規雇用比率が幅広い年代で上昇しており、正規雇用化は着実に進展している(特-9図)。

特-9図 正規雇用比率の推移(男女、年齢階級別)別ウインドウで開きます
特-9図 正規雇用比率の推移(男女、年齢階級別)

特-9図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

さらに、就業時間が週35時間未満の就業者のうち、もっと長い時間働きたい者や、今の仕事に加えて新たに別の仕事を増やしたい者のように、今よりも多くの時間働くことを希望する「追加就労希望就業者」9の数をみると、令和7(2025)年時点で、女性は133万人、男性は66万人となっている。

年齢階級別にみると、45~54歳女性が39万人、35~44歳女性が29万人となっており、もっと働きたいという意欲のある女性も少なくない(特-10図)。

特-10図 追加就労希望就業者(男女、年齢階級別・令和7(2025)年)別ウインドウで開きます
特-10図 追加就労希望就業者(男女、年齢階級別・令和7(2025)年)

特-10図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(男女間賃金格差)

働く女性が増えている一方で、所定内給与額をみると、正社員・正職員と正社員・正職員以外との間で大きな差がみられる。

また、同じ雇用形態でも男女の所定内給与額には差がある。年齢階級別にみると、就業初期の20代前半までは男女差はあまりみられないが、20代後半から50代後半(正社員・正職員以外は60代前半)にかけて、年代が上がるほど男女差が大きくなる傾向にある。

さらに、正社員・正職員の男性は年齢に伴い給与額が大きく増加しているのに対し、正社員・正職員の女性及び正社員・正職員以外の男性では増加幅が小さく、正社員・正職員以外の女性ではほとんど増加がみられない(第2章2-5図参照)。

所定内給与額を、雇用形態・勤続年数別にみると、正社員・正職員では男女ともに勤続年数が長いほど所定内給与額が高い傾向にあるが、勤続年数に伴う給与の増加幅には男女差があり、勤続年数が長くなるほど差が拡大している。

正社員・正職員以外では、男女ともに正社員・正職員に比べて、勤続年数に伴う給与額の増加幅が小さく、特に女性は給与額の増加はほとんどみられない。

なお、一般労働者に占める女性割合をみると、正社員・正職員は男性が高く、正社員・正職員以外は女性の方が高いが、正社員・正職員に占める女性の割合は、勤続年数が長くなるほど低下する傾向がみられる(特-11図)。

特-11図 所定内給与額(月額)及び一般労働者に占める女性割合(男女、雇用形態、勤続年数別・令和7(2025)年)別ウインドウで開きます
特-11図 所定内給与額(月額)及び一般労働者に占める女性割合(男女、雇用形態、勤続年数別・令和7(2025)年)

特-11図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(厚生年金保険老齢給付の男女間格差)

現役時代の男女の働き方の違いや賃金格差は、高齢期の収入にも影響を及ぼす。

我が国の公的年金制度においては、20歳以上60歳未満の人は共通して国民年金に加入し、会社員や公務員等は同時に厚生年金にも加入する。老齢厚生年金は、民間企業などに雇われて働いている人が65歳になったときに、老齢基礎年金に上乗せする形で支給され、老齢厚生年金の額は、被保険者期間中の平均標準報酬額や被保険者期間に応じた額になる10。このため、老齢厚生年金の受給額は、現役時代の給与(全被保険者期間の平均標準報酬額)と被保険者期間に基づいており、現役時代に生じた賃金格差や出産・育児等に伴う退職等により生じる加入期間の違いが、老後の男女の収入の格差にもつながっている。

令和6(2024)年度末現在の厚生年金保険(第1号)の老齢給付の受給権者の平均年金月額をみると、併給する老齢基礎年金の額を含めた老齢年金が約15万円(受給権者数は1,609万人)、通算老齢年金・25年未満が約6万8千円(受給権者数は1,451万人)となっている11

老齢年金において男女別にみると、受給権者数は、女性は541万人で、男性(1,068万人)の約半数となっている。さらに、女性の平均年金月額は約11万円であり、男性(約17万円)よりも6万円程度少なく、男性の約3分の2となっている。また、女性は10万円以上11万円未満の受給権者数が最も多いのに対し、男性では18万円以上19万円未満が最も多くなっている(特-12図)。

特-12図 厚生年金保険(第1号)男女別年金月額別老齢年金受給権者数(令和6(2024)年度末現在)別ウインドウで開きます
特-12図 厚生年金保険(第1号)男女別年金月額別老齢年金受給権者数(令和6(2024)年度末現在)

特-12図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

8 本特集では、特に注釈のない限り、当該年齢階級人口に占める「役員」と「正規の職員・従業員」の割合を「正規雇用比率」としている。

9 総務省「労働力調査(詳細集計)」では、以下の4つの要件を満たす者を「追加就労希望就業者」としている。1就業者である、2週35時間未満の就業時間である、3就業時間の追加を希望している、4就業時間の追加ができる。具体的には、パートなどで働いているもののフルタイム勤務を希望している者や、生産調整などの会社都合で短時間勤務となっている者などが考えられる。

10 厚生労働省ホームページ「年金制度の仕組みと考え方 第3 公的年金制度の体系(年金給付)」より引用。

11 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」。厚生年金保険(第1号)の受給権者は、厚生年金保険受給権者から、共済組合等の組合員等たる厚生年金保険の被保険者期間(平成27(2015)年9月以前の共済組合等の組合員等の期間を含む。)のみの者を除いて計上している。また、新法老齢厚生年金のうち、旧法の老齢年金に相当するものは「老齢年金」に、それ以外のものは「通算老齢年金・25年未満」に計上している。新法退職共済年金についても同様。なお、昭和60年の国民年金法等の一部を改正する法律(昭和60年法律第34号)により基礎年金制度などが導入されており、ここでは同法による改正前の国民年金法(昭和34年法律第141号)を「旧法」、改正後の国民年金法を「新法」という。

3.男性が抱える困難

男性もまた男女共同参画社会の主役である。固定的な性別役割分担意識は、女性の社会的活躍を制限するだけでなく、男性自身にとっても重荷になっているとの指摘がある。

内閣府が令和4(2022)年度に実施した調査12によれば、性別役割分担に関する意識について、男女ともに「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」について、「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が全項目のうち最も高くなっている。また、「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」、「男性は結婚して家庭をもって一人前だ」、「男性は人前で泣くべきではない」では、女性よりも男性の方がそう思う割合が高く、男性自身が「男性はこうあるべき」という考え方にとらわれがちになっている様子がうかがえる。

こうした性別役割分担意識の下で、各種調査から、男性は女性に比べて、孤独や社会的孤立に陥りやすい傾向があることが明らかになっている。

(孤独・社会的孤立)

内閣府が令和7(2025)年に実施した調査13によれば、困った時に頼れる人がいないと回答した人の割合は、男性(11.8%)は女性(4.4%)の2倍以上となっている。また、不安や悩みが生じた場合、相談相手がいないと回答した人の割合も、男性(13.6%)は女性(5.3%)の2倍以上となっている。

年代別にみると、いずれの項目においても50代男性で「いない」と回答する人の割合が最も高く、5人に1人が、「いない」と回答している(特-13図)。

特-13図 困った時に頼れる人・不安や悩みの相談相手がいない人の割合(男女、年齢階級別・令和7(2025)年)別ウインドウで開きます
特-13図 困った時に頼れる人・不安や悩みの相談相手がいない人の割合(男女、年齢階級別・令和7(2025)年)

特-13図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

また、「困った時に頼れる人がいる」、「不安や悩みの相談相手がいる」と回答した人に、頼れる人や相談相手の種類を聞いたところ、いずれも男女ともに「家族・親族」の割合が最も高く、次いで「友人・知人」、「仕事・学校関係者」の順となっている。

なお、女性は「友人・知人」の割合が男性よりも高く、男性は「仕事・学校関係者」の割合が女性よりも高くなっている(特-14図)。

特-14図 困った時に頼れる人・不安や悩みの相談相手の種類(男女別・令和7(2025)年)別ウインドウで開きます
特-14図 困った時に頼れる人・不安や悩みの相談相手の種類(男女別・令和7(2025)年)

特-14図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

さらに、同調査で、悩みや不安を相談することについての感じ方を聞いたところ、女性は男性に比べて、「相談することで解決しなくとも気持ちが楽になる」(女性76.4%、男性60.8%)、「相談することで解決できる、または解決の手掛かりが得られる」(女性58.1%、男性52.3%)といった相談に対するポジティブな回答の割合が高くなっている。

一方、男性は、水準自体は低いものの、「相談することが面倒である」(女性5.8%、男性10.8%)、「相談することが恥ずかしい」(女性4.4%、男性6.6%)など、相談したくない理由を挙げる割合が、女性よりも高い傾向がみられる。

なお、年代別にみると、「相談することで解決しなくとも気持ちが楽になる」は、全ての年代で女性の方が高く、「相談することで解決できる、または解決の手掛かりが得られる」もほとんどの年代で女性の方が割合が高くなっている。

一方、「相談することが面倒である」は全ての年代で男性の方が高く、「相談することが恥ずかしい」もほとんどの年代で男性の方が高くなっている(特-15図)。

特-15図 不安や悩みを相談することへの感情(男女、年齢階級別・令和7(2025)年)別ウインドウで開きます
特-15図 不安や悩みを相談することへの感情(男女、年齢階級別・令和7(2025)年)

特-15図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

12 内閣府「令和4年度性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」

13 内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年人々のつながりに関する基礎調査)」

4.テクノロジーの進展による社会の変化への対応

近年、生成AIを始めとする最先端のデジタル技術が急速に発展し、ビジネスや学術分野のみならず、日常生活においてもその利活用が拡大している。こうしたテクノロジーの進展は、人々の生活にも大きな影響を及ぼしている。

デジタル分野を始めとするテクノロジーの進展は、生産性の向上、就業環境の改善、生涯にわたる質の高い教育や医療の提供、行政サービスのアクセス向上等を通じて、女性も男性も暮らしやすく、多様な幸せ(well-being14)が実現される男女共同参画社会の形成に大きく寄与していく可能性がある。また、性差に起因する身体的負担を軽減でき、女性の就業分野の選択肢を広げることも見込まれる。

今後の更なる人口減少・長寿化が予測されている我が国の経済活動において、AIやロボットなどのテクノロジーの利活用は不可欠であり、多くの産業において、AI・ロボット等利活用人材が必要となると考えられている。また、成長分野を始めとした投資促進や、国内の産業構造の転換に伴い、専門職や理系人材の需要が増加すると想定される中、将来の産業構造を見据え、リ・スキリングの促進を含め、産業人材の育成をしていくことが課題となっている。

また、急速なテクノロジーの進展には、そのスピードに取り残される可能性(デジタルデバイド)、AIのもたらし得るリスク(AIエージェント15等のAIの進展による労働代替の可能性、学習データの偏りによる性別役割分担意識の固定化、AI技術の悪用によるディープフェイクポルノ等の人権侵害等)、SNS等のコミュニケーションツールの普及に伴い顕在化した課題(エコーチェンバー16等による偏見・差別の助長、SNS等を通じた誹謗中傷等の人権侵害、SNSの利用に起因する性犯罪等の事犯等)等、負の側面があり、デジタルリテラシーの向上を含め対応していく必要がある。

(インターネットの利用状況)

過去1年間にインターネットを利用したことのある人の割合(6歳以上)をみると、令和6(2024)年時点で女性は82.7%、男性は88.6%となっている。平成26(2014)年と比べると、女性は3.3%ポイント、男性は2.3%ポイント上昇している。

年齢階級別にみると、13~19歳から40~49歳までは、平成26(2014)年時点で既に男女ともに95%を超えていた。令和6(2024)年時点では、より幅広い年代でインターネットの利用率が高まっており、平成26(2014)年と比べ、特に70~79歳女性で22.7%ポイント、60~69歳女性で19.3%ポイント上昇している(特-16図)。

特-16図 インターネット利用者の割合(男女、年齢階級別・平成26(2014)年及び令和6(2024)年)別ウインドウで開きます
特-16図 インターネット利用者の割合(男女、年齢階級別・平成26(2014)年及び令和6(2024)年)

特-16図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

令和6(2024)年時点で、インターネットを利用していて、セキュリティなどに「不安を感じる」又は「どちらかといえば不安を感じる」と回答した者は、女性69.8%、男性65.9%となっている。

年齢階級別にみると、60~69歳までの各年代では、年代が上がるほど「不安を感じる」又は「どちらかといえば不安を感じる」とする割合が高く、また、男性に比べて、女性の方が「不安を感じる」又は「どちらかといえば不安を感じる」とする割合が高くなっている(特-17図)。

特-17図 インターネットを利用する際の不安を感じる人の割合(男女、年齢階級別・令和6(2024)年)別ウインドウで開きます
特-17図 インターネットを利用する際の不安を感じる人の割合(男女、年齢階級別・令和6(2024)年)

特-17図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(社会のデジタル化に関する意識・デジタルデバイド)

令和7(2025)年時点で、社会のデジタル化が進むことについて、「良いと思う」とする割合は、女性46.0%、男性55.2%と、女性の方が9.2%ポイント低くなっている。一方、「良いと思わない」とする割合は、女性13.3%、男性9.6%と、女性の方が3.7%ポイント高くなっている。また、「どちらともいえない」とする割合も、女性は40.7%、男性35.3%と、女性の方が高くなっている。

年代別にみると、「良いと思う」とする割合は、男女ともに、若い年代ほど高く、上の年代ほど低い傾向がみられる。特に、女性では年代による差が大きく、18~29歳では女性65.5%、男性62.0%であるのに対し、70代では女性33.4%、男性51.9%と、男女差が顕著となっている。一方、「良いと思わない」とする割合は、男性ではいずれの年代でも1割程度であるのに対し、女性は年代が上がるほど高くなり、70代では18.5%となっている。

また、社会のデジタル化の変化への適応について、「ついていけている」とする女性の割合は29.2%、「ついていけていない」とする女性の割合は37.3%となっており、男性(同36.8%、24.3%)に比べ、女性の方がデジタル化の変化に適応できていないと感じている割合が高くなっている。

年代別にみると、「ついていけていない」とする割合は、40代及び50代で約4割、60代及び70代で約5割と女性の方が高くなっている(特-18図)。

特-18図 社会のデジタル化に関する意識(令和7(2025)年)別ウインドウで開きます
特-18図 社会のデジタル化に関する意識(令和7(2025)年)

特-18図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

また、デジタル技術を基盤とする個人のICTスキルについて、男女・年齢階級別にみると、令和6(2024)年時点で、20代では、「プログラミング言語を使用してコンピュータプログラムを作成」を除くと男女差はあまりないが、女性は男性に比べて年代差が大きく、上の年代ほど割合が低くなっている。

特に、40代から60代まででは、「パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトを使用した資料の作成」、「パソコンと他の機器(スマートフォンなど)との間でのデータのやり取り」、「パソコンにプリンタやカメラなどの機器を接続」、「エクセルなどの表計算ソフトを使用した簡単な計算(足し算や引き算など)」の割合は、女性は男性に比べて10%ポイント以上低くなっている(特-19図)。

特-19図 ICTスキル(男女、年齢階級別・令和6(2024)年)別ウインドウで開きます
特-19図 ICTスキル(男女、年齢階級別・令和6(2024)年)

特-19図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

(職業訓練・自己啓発の実施状況)

ICTを始めとするスキルの習得は、職業訓練・自己啓発においても実施されている。

令和3(2021)年10月から4(2022)年9月までに、職業訓練・自己啓発をした者の割合をみると、女性22.2%、男性30.1%と、女性は男性に比べて低くなっている。

年代別にみると、10代後半から20代前半まででは大きな差はないものの、20代後半から男女差が生じ、30代前半で11.9%ポイント、30代後半で10.7%ポイント女性の方が低くなっている。40代以降で差は縮小するものの、いずれの年代でも女性の方が5%ポイント以上低くなっている。

就業状態・雇用形態別にみると、正規の職員・従業員(女性45.3%、男性42.4%)に比べ、非正規の職員・従業員(女性25.1%、男性27.5%)、無業者(女性8.4%、男性12.8%)では職業訓練・自己啓発をした割合が低くなっている(特-20図)。

特-20図 職業訓練・自己啓発をした者の数及び割合(男女、年齢階級、就業状態・雇用形態別・令和4(2022)年)別ウインドウで開きます
特-20図 職業訓練・自己啓発をした者の数及び割合(男女、年齢階級、就業状態・雇用形態別・令和4(2022)年)

特-20図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

(テクノロジーの進展の男女への影響の違い、職種間のミスマッチ)

テクノロジーの進展は、労働市場において代替性と補完性の両面をもたらすとされている。

近年急速に進歩している生成AIを始めとするAI技術は、デスクワークの多くを代替し、作業時間の短縮や生産性の向上に資する可能性がある。また、AIとロボットの組合せによって、肉体労働を伴う作業についても代替が進む可能性がある。

一方、こうした代替は、特定の職業や産業における雇用や賃金にマイナスの影響を与える可能性がある。ILO(国際労働機関)の研究レポート17によると、世界の雇用の約24%が生成AIの影響を受ける可能性があり、男性よりも女性の方が、影響が大きいと推計されている(男性21%、女性28%)。また、非正規雇用が多い女性は、定型的で代替可能性の高い職務に従事する割合が高く、影響を受けやすいという指摘もある18

さらに、経済産業省の推計19では、令和22(2040)年に十分な国内投資や産業構造転換が実現する場合、人口減少に伴い労働供給は減少するものの、AI・ロボットの利活用やリ・スキリング等により労働需要が効率化され、全体で大きな不足は生じないとされている。一方で、職種・学歴・地域間では需給ミスマッチが生じるリスクがあり、令和22(2040)年には、AI・ロボット等利活用による省力化に伴い、事務職は約440万人の余剰が生じる可能性があり、多くの産業において、AI・ロボット等利活用人材(約340万人)を含む専門職(約180万人)や現場人材(約260万人)が不足する可能性があると指摘されている(特-表)。

特-表 2040年の就業構造推計(職種別需給ミスマッチ)別ウインドウで開きます
特-表 2040年の就業構造推計(職種別需給ミスマッチ)

特-表 [CSV形式:1KB]CSVファイル

令和7(2025)年時点の産業別の就業者割合をみると、「医療、福祉」、「宿泊業、飲食サービス業」、「教育、学習支援業」等では女性割合が高い一方、「建設業」、「運輸業、郵便業」、「情報通信業」、「製造業」等では男性の割合が高くなっている。

また、女性就業者の割合を職業別にみると、将来的に余剰が生じる可能性があると指摘されている「事務従事者」では60.8%と高い割合を示す一方、不足が発生する可能性がある「生産工程従事者」では30.7%、「輸送・機械運転従事者」では4.7%と低い割合となっている。

さらに、「専門的・技術的職業従事者」全体では女性が48.4%と約半数を占めているものの、その内訳をみると、「保健医療従事者」は69.8%と高い一方、「技術者」は15.2%と低く、職種によって女性割合に大きな偏りがみられる(特-21図)。

特-21図 産業・職業別就業者数(男女別・令和7(2025)年)別ウインドウで開きます
特-21図 産業・職業別就業者数(男女別・令和7(2025)年)

特-21図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

14 well-beingについて確立された定義はないが、身体的・精神的・社会的に「良い状態」を表すといった考え方もあるように、非常に幅広い概念(「第6次男女共同参画基本計画」(令和8年3月13日閣議決定)より引用)。

15 総務省「令和7年版情報通信白書」では、「AIエージェントの定義は開発企業によって異なるが、最近は、設定された目標や、自然言語で与えられた指示に対して、自動的にタスクを決定(必要に応じてタスクを細分化)して処理を実行する機能をもつものが、AIエージェントと呼ばれる傾向にあると考えられる。」とされている。

16 総務省「令和6年版情報通信白書」では、「『エコーチェンバー』とは、同じ意見を持つ人々が集まり、自分たちの意見を強化し合うことで、自分の意見を間違いないものと信じ込み、多様な視点に触れることができなくなってしまう現象を指す。」とされている。

17 ILO “ILO Working Paper 140: Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure”(令和7(2025)年5月)

18 独立行政法人経済産業研究所「RIETI Policy Discussion Paper Series 25-P-008 AIおよびロボット技術の進展と日本の雇用・賃金(改訂版)」(令和7(2025)年6月)

19 経済産業省「2040年の就業構造推計(改訂版)について」(令和8(2026)年3月5日第30回 産業構造審議会経済産業政策新機軸部会 参考資料2)