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コラム2

農林水産業における女性の更なる活躍、就業に向けた施策・取組と活躍事例(2活躍事例)

農林水産業において、女性は、現場における作業のほか、加工・販売など様々な分野で重要な役割を担ってきた。なお、戦後、各地域において女性からなる組織(農協、漁協の女性部など)が形成され、1950年代に結成された全国的な組織等を通じて互いに連携しつつ、商品開発などの加工・販売に関する活動のほか、食育や地域の助け合いなど地域に活力を生む多彩な活動を積極的に進め、地域社会に多大な貢献を果たしてきたところである。

近年、これまで以上に多様な分野、領域において、女性の顕著な活躍が全国各地でみられるようになっている。そうした中から先進的な事例を紹介する。

加工・販売における活躍の例

農林水産業において地域の特産品の開発・生産・販売等に女性が重要な役割を果たし、地域の活性化につながった例は全国各地で数多くみられる。なお、近年は、事業の継続化や雇用の安定化などの観点を踏まえ、各種の法人化を行う例が多くみられるようになっている。

<地元の伝統野菜を活用した6次産業化の取組>

(有限会社エッチジェイケイ加工部米工房ほ・た・る:福井県福井市)

JA女性部からの依頼を踏まえ、平成21(2009)年に地区の女性達が自社加工施設を拠点としたグループを結成。有限会社として経営意識の高い組織に成長。地域と連携した商品開発を始めとした6次産業化に積極的に取り組む。地元の伝統野菜を練りこんだかきもちは、評価も高く、福井市の農林水産加工食品ブランド「ふくいの恵み」に認定されている。

(有限会社エッチジェイケイ提供)
有限会社エッチジェイケイ加工部米工房ほ・た・る:福井県福井市 写真

<未利用資源を活用して地域活性化>

(合同会社風の島フーズ:三重県鳥羽市)

漁家経営の安定化と新産業の定着促進を目的に、平成25(2013)年に漁協の有志グループが工場を設立し、アカモクを中心とした未利用資源の加工生産、販売をスタート。平成28(2016)年に合同会社として法人化。女性メンバーが商品開発や加工作業等の主体を担う。生産規模の拡大により、地元の女性が働ける場を創出している。

(合同会社風の島フーズ提供)
合同会社風の島フーズ:三重県鳥羽市 写真

農業生産における女性を中心とする起業の例

農林水産業において女性が経営に携わる割合は高いとはいえないが、近年、全国各地においてリーダー的な役割を果たし非常に優れた実績を挙げた事例が増えている。それらの中には、女性だけで起業し、女性にとって働きやすい職場を作った成功事例もみられる。

<女性が起業し女性が働きやすい職場を実現>

(ウーマンメイク株式会社:大分県国東市)

水耕栽培でリーフレタスを生産・販売する農業法人。代表者の女性は、課題の多い農業分野において「新時代は女性が創る」との想いを込めて平成27(2015)年7月に女性だけで起業した。勤務体制や栽培品目、労働環境などを女性に配慮して設計し、子育て世代の女性が働きやすい職場環境を実現。地域の女性が活躍する場を創出している。

(ウーマンメイク株式会社提供)
ウーマンメイク株式会社:大分県国東市 写真