第3節 行政分野

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第3節 行政分野

ア 国の政策・方針決定過程への女性の参画拡大

(ア)国家公務員に関する取組

1 各府省等は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号。以下「女性活躍推進法」という。)に基づき策定した行動計画の仕組みを活用して、取組を積極的に推進する。その際、働き方改革や女性の採用・登用の拡大等について定めた「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」1に基づき各府省等が策定した取組計画の内容と整合性を図るものとする。また、各府省等において、数値目標を設定した事項の進捗状況及び取組の実施状況を経年で公表する。【内閣官房、【内閣府(男女共同参画局)、全府省】

2 各府省等、衆議院事務局、衆議院法制局、参議院事務局、参議院法制局、国立国会図書館及び最高裁判所等の取組について、「女性活躍推進法『見える化』サイト」で比較できる形での「見える化」を行う。【内閣府(男女共同参画局)】

3 女性の国家公務員志望者の拡大に資するため、各府省等や大学等と連携し、働き方改革の取組やワーク・ライフ・バランスの実践例、職業生活への多様な支援等に関する効果的な情報提供を行うことで、より多くの女子学生等の進路選択を公務志望に結び付けていく。あわせて、第5次男女共同参画基本計画における国家公務員採用試験からの女性の採用割合、技術系区分の女性の採用割合に係る目標等の実現に向け、ホームページやSNSなどによる情報発信の強化や、オンライン配信等を積極的に活用した説明会やイベントの開催、国家公務員の業務内容や働き方等が具体的に伝わる動画等の作成及びそれを活用した広告など、幅広い層に対する戦略的な広報活動を積極的に実施する。さらに、管理職以上の官職も含めた外部女性人材の採用・登用に取り組む。【内閣官房、全府省、(人事院)2

4 女性職員の登用拡大に向けて、職域の固定化を解消するなど積極的な職域の拡大、研修や多様な職務機会の付与による積極的・計画的な育成や相談体制の整備を進める。また、出産・育児期等の前後又は育児期で時間制約があるような場合でも、本人の意向を考慮し、働く場所や時間の柔軟化を活用するなどして重要なポストを経験させ、登用につなげるなどの柔軟な人事管理を進める。【内閣官房、全府省、(人事院)】

5 キャリアパスにおける転勤の必要性について再検討を行い、育児、介護等がキャリアパスの支障にならないよう職員に対する十分な配慮を行う。【内閣官房、全府省】

6 事務次官等が職員の勤務状況を直接把握した上で、超過勤務の徹底した削減や各種休暇の取得促進を行う。また、テレワークやフレックスタイム制等を活用した働く時間と場所の柔軟化等の働き方改革を進める。

人事院においては、令和4(2022)年1月から開催している有識者による研究会において、テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方や勤務間インターバルの確保の方策等について検討を行う。【内閣官房、全府省、(人事院)】

7 特に男性職員の育児に伴う休暇・休業の取得を促すべく、子供が生まれた全ての男性職員が1か月以上を目途に育児休業等を取得できるような環境の実現に向けて、組織の実情を踏まえて必要な工夫も加えつつ、管理職による本人の意向に沿った取得計画の作成、取得中の業務運営の確保、幹部職員のリーダーシップ発揮、人事当局の積極的な関与、人事評価への反映等の育児休業等の取得に向けた取組を進める。また、男性職員の育児等に係る状況を把握し、育児休業等の取得を呼びかけるとともに当該取組を着実に定着させる。【内閣官房、全府省】

8 女性職員の活躍及びワーク・ライフ・バランスに関する管理職の理解促進や行動変容を促すため、管理職向けの研修を進める。【内閣官房、全府省】

9 女性職員の活躍及び男女のワーク・ライフ・バランスを進め、限られた時間を効率的にいかすことを重視する管理職を人事評価において適切に評価することを徹底するため、マネジメントに係る行動の能力評価における重点的な評価や、業績評価におけるマネジメントに関する目標の設定・評価等の取組を進めるとともに、多面観察、職員のエンゲージメントや職場環境調査等の結果を踏まえた取組等を通じて管理職のマネジメント能力の向上を図る。【内閣官房、全府省、(人事院)】

10 ハラスメントの防止等のための人事院規則等に基づき、各府省においてハラスメント防止対策が円滑かつ効果的に実施されるよう、ハラスメント防止週間の設定等の職員に対する一層の周知啓発、ハラスメント相談員を対象としたセミナーの開催、研修教材の提供等を行う。【内閣官房、全府省、(人事院)】

11 各府省が実施する子宮頸がん検診・乳がん検診について、女性職員が受診しやすい環境整備を行う。【内閣官房、全府省、(人事院)】

12 治安、矯正、安全保障等の分野で働く国家公務員の女性の採用、育成及び登用並びに生活環境・両立環境の整備を進める。【警察庁、法務省、国土交通省、防衛省】

1平成26年10月17日女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会決定。

2(人事院)とは、人事院に対して検討を要請するものである。以下同じ。

(イ)国の審議会等委員等の女性の参画拡大

1 毎年2回「国の審議会等における女性委員の参画状況調べ」を実施し、各審議会等の女性委員の人数・比率について調査・公表するとともに、委員等に占める女性の割合が40%未満の全ての審議会等について、その要因と目標達成に向けた今後の方策について所管府省に回答を求め、その内容を公表する。【内閣府(男女共同参画局)、関係府省】

2 審議会等委員の選任に際しては、引き続き、性別のバランスに配慮するとともに、団体推薦による審議会等委員について、各団体等に対して、団体からの委員の推薦に当たって格段の協力を要請する。【関係府省】

(ウ)独立行政法人、特殊法人及び認可法人における女性の参画拡大

1 毎年「独立行政法人等女性参画状況調査」を実施し、独立行政法人、特殊法人及び認可法人における役員や管理職に占める女性の割合等について調査し、公表する。【内閣府(男女共同参画局)、厚生労働省、関係府省】

イ 地方公共団体の政策・方針決定過程への女性の参画拡大

(ア)地方公務員に関する取組

1 女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画や女性の活躍状況に関する情報の公表について、数値目標を設定した項目の進捗状況及び取組の実施状況が経年で公表されることを徹底するとともに、各団体の取組について、比較できる形での「見える化」を行う。【内閣府(男女共同参画局)、総務省】

2 「地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況」の中で、地方公務員における女性の参画状況等を毎年公表する。【内閣府(男女共同参画局)】

3 女性職員の登用拡大に向けて、研修や多様な職務機会の付与等による積極的・計画的な育成や相談体制の整備、出産・育児期等を迎える前又は出産・育児期等を超えてから前後に将来のキャリアアップに必要とされる重要な職務経験を積ませ、登用につなげるなどの柔軟な人事管理を促進する。また、女性人材の外部からの採用・登用を促進する。【内閣府(男女共同参画局)、総務省】

4 原則全ての職員を対象とするフレックスタイム制度の導入・拡充の検討、テレワークの推進等による職場の働き方改革や時間外勤務の上限規制の適切な運用等を通じた時間外勤務の縮減、休暇の取得促進を行う。【内閣府(男女共同参画局)、総務省】

5 管理職の意識変革を促すとともに、女性職員の活躍及び男女のワーク・ライフ・バランスを進め、限られた時間を効率的にいかすことを重視する管理職が人事評価において適切に評価されるよう促進する。【内閣府(男女共同参画局)、総務省】

6 男性職員の育児等に係る状況を把握し、育児に伴う休暇・休業等の取得を呼びかけるとともに、周囲のサポート体制や代替要員の確保を図り、気兼ねなく育児休業等を取得できる職場環境の整備を促進する。【内閣府(男女共同参画局)、総務省】

7 地方公共団体における女性職員の活躍及び働き方改革の好事例を収集・周知することにより、各地方公共団体の実情に即した主体的かつ積極的な取組を促進する。【総務省】

8 市区町村における旧姓使用に関する規定等の整備状況を調査・公表するとともに、職員が旧姓を使用しやすい職場環境づくりを促進する。【内閣府(男女共同参画局)、総務省】

9 地方公共団体が実施する子宮頸がん検診・乳がん検診について、女性職員が受診しやすい環境整備を促進する。【総務省】

10 非常勤職員を含めた全ての女性職員が、その個性と能力を十分に発揮できるよう、育児休業や介護休暇等の普及・啓発の実施や、ハラスメント等の各種相談体制の整備等を促進する。あわせて、男性に比べて女性の割合が高い非常勤職員について、「会計年度任用職員」制度の趣旨を踏まえ、勤務の内容に応じた処遇の確保を促進する。【総務省】

11 警察では、令和8(2026)年度当初までに地方警察官に占める女性の割合を全国平均で12%程度とすることを目標として、各都道府県警察においてそれぞれが策定している計画等を踏まえて女性警察官の採用・登用の拡大に向けた取組を推進していくほか、都道府県警察の幹部職員に対する男女共同参画に関する施策についての教育を実施するなどして、女性がその個性と能力を十分に発揮して活躍できるような取組を推進する。【警察庁、総務省】

(イ)地方公共団体の審議会等委員への女性の参画拡大

1 各都道府県・政令指定都市が設定している審議会等委員への女性の参画に関する数値目標や、これを達成するための様々な取組、女性比率の現状、女性が1人も登用されていない審議会等の状況等を調査し取りまとめて提供し、審議会等委員への女性の参画を促進する。【内閣府(男女共同参画局)、関係府省】