第5節 女性の活躍に影響を与える社会制度・慣行の見直し

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第5節 女性の活躍に影響を与える社会制度・慣行の見直し

女性が働きやすい税制,社会保障制度,配偶者手当等の在り方については,平成26年10月の経済財政諮問会議において内閣総理大臣から総合的に具体的取組の検討を進めるよう指示・要請が行われたことを受け,経済財政諮問会議等において,各制度の進捗状況をフォローアップしている。

税制に関しては,平成29年度税制改正において,女性を含め,働きたい人が就業調整を意識せずに働くことができる仕組みを構築する観点から,配偶者控除等について,配偶者の収入制限を103万円から150万円に引き上げるなどの見直しを行うこととし,29年3月に所得税法等が改正された(30年1月施行)。

社会保障制度については,被用者保険の適用拡大を進めることとしており,平成28年10月から,大企業において,週に20時間以上働く等の一定の要件を満たす短時間労働者を対象に被用者保険の適用拡大が実施された。また,中小企業等で働く短時間労働者についても,労使合意を前提に企業単位で適用拡大の途を開くこと等を内容とする年金改革法が第192回臨時国会において成立した(29年4月施行)。

国家公務員の配偶者に係る扶養手当については,平成28年8月の人事院勧告において,29年4月1日から段階的に配偶者に係る手当額を他の扶養親族と同額まで減額するなど,扶養手当の見直しを行う,と勧告されたことを踏まえ,同勧告を実施するための一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(平成28年法律第80号)が第192回臨時国会において成立した。

民間企業における配偶者手当については,厚生労働省において,平成27年12月より学識経験者による「女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会」を開催して検討を行い,28年4月に報告書を公表した。報告書を受けて「配偶者手当の在り方の検討に関し考慮すべき事項」を取りまとめるとともに,労使の検討に向けての資料を作成し,都道府県労働局等を通じて広く周知を図り,労使に対しその在り方の検討を促した。29年1月の経済財政諮問会議において,民間企業においても配偶者手当の見直しに前向きに取り組むよう,内閣総理大臣から要請が行われた。