第2節 子供の頃からの男女共同参画の理解の促進と将来を見通した自己形成

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第2節 子供の頃からの男女共同参画の理解の促進と将来を見通した自己形成

1 教育による男女共同参画の理解の促進

文部科学省では,学校教育において,児童生徒の発達の段階に応じ,社会科,公民科,家庭科,道徳,特別活動等の関係の深い教科等を中心に,学校教育全体を通じて,人権の尊重や男女の平等,男女が共同して社会に参画することや男女が協力して家庭を築くことの重要性についての指導が充実するよう,学習指導要領の一層の周知・徹底を図った。

また,学校における性に関する指導について,学習指導要領にのっとり,児童生徒の発達段階を踏まえるとともに,保護者や地域の理解を得ながら学校全体で共通理解を図って行うよう,学校関係者等に対し周知徹底を図っている(第11章第2節4参照)。

2 子供の健康の管理・保持増進の推進

内閣府では,危険ドラッグの乱用防止のため,漫画家・福本伸行氏が描き起こしたオリジナルイラストを用い,新聞,雑誌等を活用した政府広報を実施した。

警察では,薬物を乱用している少年の早期発見,補導及び検挙に努めているほか,薬物乱用防止教室の開催や薬物の危険性・有害性に関する広報啓発活動の実施等,少年の薬物乱用防止対策を推進している。

文部科学省では,学校において,健康診断や体育・保健体育の教科を中心とした健康教育を実施するとともに,アレルギー疾患やメンタルヘルス等児童生徒の現代的健康課題に対応するため,地域の実情を踏まえた医療機関等との連携等,課題解決に向けた計画の策定や,それに基づく具体的な取組に対して支援を行う事業を実施した。

また,性感染症等の問題について総合的に解説した啓発教材を作成し,中学生・高校生に対し配布するなど,引き続き学校教育におけるエイズ教育等の充実を図った。

さらに,薬物乱用防止教育の充実を図るため,大学生等を対象にしたパンフレットの作成・配布,薬物乱用防止教室の指導者に対する講習会やシンポジウムの開催,薬物乱用の問題について総合的に解説した啓発教材(小・中・高校生用)の作成・配布を行った。

そのほか,喫煙,飲酒について,総合的に解説した啓発教材(小・中・高校生用)の作成・配布等を行った。

厚生労働省では,薬物乱用防止対策として,若年層が,危険ドラッグ・覚醒剤・大麻等の害悪に関する正しい知識を持つための普及啓発読本を作成・配布している。また,薬物乱用防止に資するため「ダメ。ゼッタイ。」普及運動等のイベントを開催している。また,HIV陽性者等で構成されるNGO等の予防啓発活動等を支援するとともに,早期にHIV感染を発見し,治療につなげることができるよう,利用者の利便性に配慮した検査・相談を実施している。

さらに,平成8年度以降継続的に行っている,厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)での調査によると,未成年者の飲酒,喫煙は,調査開始時より減少してきているものの,なくなってはいない。このような状況を踏まえて,「がん対策推進基本計画」(平成24年6月閣議決定)や「21世紀における第2次国民健康づくり運動」(平成24年厚生労働省告示第430号。以下「健康日本21(第二次)」という。)では,未成年者の飲酒と喫煙を34年度までになくすという数値目標を設定している。