コラム4 男性の新たな職域拡大

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コラム4

男性の新たな職域拡大


これまで女性が中心であった職種に就く男性が少しずつ増えてきている。

看護師については,総務省「国勢調査」の推計によると,平成12年の就業者数は,97万6,214人,うち男性は3万9,506人で,全体に占める割合は4.0%であったが,22年では,就業者数は120万4,220人,うち男性は6万9,630人で,5.8%と増加している。

また,保育士についても,同調査の推計によると,平成12年の就業者数は,36万1,488人,うち男性は4,666人で,全体に占める割合は1.3%であったが,22年では,就業者数は47万4,900人,うち男性は1万3,160人で,割合も2.8%に上昇している。

女性の多い職種への男性の就業が増加した背景には,看護師や保育士の需要が高まる中,積極的な人材確保が必要となっている状況や,雇用の分野における男女の機会均等が進んできたことなどが考えられる。

男性看護師や男性保育士の増加については,職場の活性化や子どもたちの保育への好影響等が期待されている。

一方で,経済的に安定していることが男性増加の理由の一つと考えられる看護師に対して,保育士については,男女ともに賃金水準が低いことが指摘されている。また,これまで女性が多い職場であったために男性用の施設が整備されていないといった職場環境の問題や,保護者等の利用者から十分に理解されない場合もあるとの指摘もある。

男女にかかわらず,本人の意欲や能力に基づく人事管理が行われることが重要であるが,これまで男性中心であった職場への女性の進出に伴い,職場でのハード,ソフト両面での環境整備が求められてきたことと同様に,これまで女性中心であった職場への男性の進出に伴い,男性にとっても働きやすい環境の整備が求められるだろう。