男女共同参画白書(概要版) 平成26年版

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第3章 女性に対する暴力

(配偶者からの暴力についての被害経験)

これまでに結婚したことのある人(2,598人)のうち,配偶者(事実婚や別居中の夫婦,元配偶者も含む。)から「身体に対する暴行」,「精神的な嫌がらせや恐怖を感じるような脅迫」,「性的な行為の強要」のいずれかについて「何度もあった」という人は,女性10.6%,男性3.3%,「1,2度あった」という人は,女性22.3%,男性15.0%となっており,1度でも受けたことがある人は,女性32.9%,男性18.3%となっている。

(配偶者間における暴力の被害者の多くは女性)

平成25年中に検挙した配偶者(内縁関係を含む。)間における殺人,傷害,暴行は4,444件,そのうち4,120件(92.7%)は女性が被害者となった事件である(第21図)。

第21図 配偶者間(内縁を含む)における犯罪(殺人,傷害,暴行)の被害者(検挙件数の割合)(平成25年)

(配偶者暴力相談支援センター等への相談件数)

配偶者暴力相談支援センターの数は毎年度増加しており,平成26年3月現在,全国238か所(うち市区町村が設置する施設は65か所)が配偶者暴力相談支援センターとして,相談,カウンセリング,被害者やその同伴家族の一時保護,各種情報提供等を行っている。24年度に全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は8万9,490件で,毎年度増加している(第22図)。

第22図 配偶者暴力相談支援センターへの相談件数

また,平成25年中の警察における配偶者からの暴力事案認知件数は4万9,533件で,法施行後最多となっている。配偶者からの暴力事案における検挙件数は4,405件で,刑法等の適用による検挙が4,300件,保護命令違反による検挙が110件である。

(強姦・強制わいせつの認知件数)

強姦の認知件数は,平成16年から減少し続けていたが,24年から増加に転じ,25年は前年から170件(13.7%)増加して1,410件となった。

強制わいせつの認知件数は,平成16年から減少し続けていたが,22年から増加傾向に転じ,25年は前年から409件(5.6%)増加して7,672件となった。

(売春関係事犯検挙件数等)

平成25年中の売春関係事犯検挙件数は1,268件となり,前年と比べ減少した。また,要保護女子総数は939人で前年に比べ増加し,そのうち未成年者が占める割合も35.3%と,前年に比べ7.5ポイント上昇している。

(人身取引事犯検挙件数等)

平成25年中における人身取引事犯の検挙件数は25件,検挙人員は37人であり,検挙人員のうちブローカーが10人となっている。また,警察において確認した被害者の総数は17人と減少傾向にある。

(雇用の場におけるセクシュアル・ハラスメントの相談件数)

平成25年度に都道府県労働局雇用均等室に寄せられたセクシュアル・ハラスメントの相談件数は9,230件で,そのうち女性労働者からの相談件数は5,700件(61.8%)で全体の6割を占めている。

(ストーカー事案の認知件数)

平成25年中のストーカー事案の認知件数は,2万1,089件で,前年に比べ1,169件(5.9%)増加している。また,被害者の90.3%が女性で,行為者の86.9%が男性となっている。平成25年中のストーカー事案における検挙件数は1,889件で,刑法等の適用による検挙が1,574件,ストーカー行為等の規制等に関する法律違反による検挙が402件である。