男女共同参画白書(概要版) 平成26年版

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第4章 生涯を通じた男女の健康と高齢期の状況

(母子保健関係指標の動向)

平成24年の出生数は103万7,231人,乳児死亡数は2,299人,新生児死亡数は1,065人,周産期死亡数は4,133人となっており,乳児死亡率,新生児死亡率,周産期死亡率についての長期的な動向を見ると,いずれも総じて低下(改善)傾向にある。

(人工妊娠中絶件数の動向)

人工妊娠中絶件数及び人工妊娠中絶実施率(15歳以上50歳未満女子人口千対)について昭和50年から平成24年度までの動向を見ると,総数では件数,実施率共に総じて減少傾向にある。また,20歳未満の件数の全年齢に占める割合は,昭和50年の1.8%から,平成14年度には13.7%となり,それ以降減少傾向にあったが,20年度以降5年連続で上昇し,24年度には10.5%と,前年度に比べ0.2ポイント上昇した。

(女性特有のがん)

女性特有のがんとして子宮がん,乳がん等があり,これらのがんの総患者数は,平成23年で子宮がんが5.5万人,乳がんが19.2万人となっている。

我が国における女性のがん検診の受診率(過去2年間)は,子宮がん検診においては20歳以上で32.0%,乳がん検診においては40歳以上で31.4%であり,欧米諸国と比べて低い状況にある。

(喫煙率の動向)

喫煙率の推移を男女別に見ると,男性は平成15年の46.8%から24年の34.1%まで低下しているが,女性では15年は11.3%,24年は9.0%とほぼ横ばいで推移している。年代別に見ると,ここ数年男女ともに20歳代の喫煙率が低下傾向にある(第23図)。

第23図 喫煙率の推移(男女別・年代別)

(高齢男女の就業)

60歳以上の男女の労働力率は,それぞれ諸外国に比べると高い水準にある(第7図参照)。

定年前後の労働力率を長期的にみると,女性は男性よりも水準は低いものの,長期的に見ると上昇傾向が続いている。また,高齢女性の労働力率を世代別にみると,若い世代になるほど上昇している。

(介護の状況)

介護時間が「ほとんど終日」の同居の主な介護者を見ると,全体の約7割が女性であり,また,全体の3分の1以上を要介護者の妻が占めており,男性の方が平均寿命が短いことなどを背景に,配偶者間の老老介護の負担が女性に偏っている状況がうかがえる。また,介護に当たっている者の立場を見ると,女性では「子の配偶者」が17.2%いるが,男性では「子の配偶者」は0.3%にとどまっており,仕事と介護の両立という意味でも,女性の方が難しい立場に置かれる傾向にある(第24図)。

第24図 介護時間が「ほとんど終日」の同居の主な介護者割合(男女別)