男女共同参画白書(概要版) 平成25年版

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第4節 女性の活躍を支える環境

1 制度の整備と利用の状況
(1) 育児・介護支援の仕組み
(育児向け措置及び介護休暇の整備状況)

平成23年10月1日現在,30~99人の規模で16.7%, 5~29人の規模で40.2%の事業所において,育児のための所定労働時間の短縮措置等が未導入であった。介護休暇制度についても,事業規模が小さいほど整備が遅れていた。

(育児関連措置の利用しやすさと家族の支援)

正規雇用者では,短時間勤務制度及び育児のための勤務時間短縮については,育児休業に比べて制度が未整備であるケースが多く,かつ, 3割強が「利用しにくい雰囲気がある」と答えている。

非正規雇用者では,全般的に各種措置が未整備であるが,措置がある場合,それぞれの措置について5割前後の回答者が「利用しやすい雰囲気がある」と回答している(第12図)。

第12図 妻の職場の仕事と子育ての両立のための制度(平成23年)

(2) 男性の育児・介護への参加
(男性の労働時間の短縮化)

男性の平均週間就業時間を世代別に見ると,同じ年齢階級における就業時間は前の世代より短い。男性就業者における週間就業時間が60時間以上の就業者の割合を見ても,若い世代ほどその割合が減ってきている。

(家事関連時間の変化)

平成13年から23年にかけて有業者で有配偶の男性の家事関連時間は増加したものの,女性との差は依然として大きい(第13a図)。

共働きの男性の1日における家事関連時間は,子どもの成長に伴うライフステージの変化にかかわらず少ない。他方,共働きの女性の家事関連時間は,男性と比べて全般的に長く,特に末子が就学前の時期に目立って長くなっている(第13b図)。

第13図 有業・有配偶者の1日当たり平均家事関連時間(男女別)

(育児休業・介護休暇の取得の状況)

女性の出産者に占める育児休業取得者(申請中を含む)の割合は87.8%であるのに対して,男性の場合は2.6%にとどまっている。育児休業取得期間でも,男性は81.3%が1か月未満となっている。

常用労働者に占める介護休暇取得者の割合は,女性は0.22%,男性は0.08%と男女共に低い水準にとどまっている。

(男性の家事等への参加に必要な条件)

男性が家事等に積極的に参加するために何が必要か,という問いに対して,男女各年齢階級とも,「夫婦や家族間でのコミュニケーションをよくはかること」及び「男性が家事などに参加することに対する男性自身の抵抗感をなくすこと」を上位に挙げている。また,男性は,長時間労働の傾向が強い30歳代を中心に,労働時間の短縮の必要性を挙げている。

(3) 税制・社会保障制度が及ぼす影響

有配偶の女性の年間雇用所得の分布を見ると,各年齢階級において100万円付近で高くなる傾向が見られる。また,教育別では,大学卒以上の女性では特定の金額に集中する傾向は見られず,100万円近辺に集中する傾向は,どの年齢階級でも大学卒未満の女性に見られる(第14図)。

第14図 30~39歳の有配偶の女性の年間雇用所得の分布(平成22年)

2 柔軟な就業・勤務形態
(1) 自営業・起業

男女とも,年齢が高いほど人口に占める自営業主数の割合が高く,女性についてもM字カーブは見られない。

個人事業主を男女別に見ると,新規雇用創出・喪失数に関しては男性の方が大きいが,新規雇用創出・喪失率については,事業主が女性の場合の方が男性の場合よりも高くなっている。個人経営の新設事業所数を産業別に見ると,男女とも飲食店業が最も多いという点で共通しているが,これに次いで多い産業については男女で差が見られる。男性は医療業,飲食料品小売業が続くのに対して,女性では洗濯・理容・美容・浴場業,その他の教育・学習支援業が続く。

(2) テレワーク
(企業による導入状況)

テレワークを導入済みあるいは具体的に導入を考えている企業は全体の13.5%であり,低水準にとどまっている。従業者規模別で見ると,規模が大きいほどテレワークの導入が進んでおり,従業者数5,000人以上では半数近くの企業が導入済みか,あるいは具体的に導入を考えている。

テレワークを導入していない86%の企業は,「テレワークに適した仕事がない」ことを未導入の最大の理由に挙げている。

(テレワーカーの状況)

平成23年における在宅型テレワーカー数は雇用型と自営型を合わせて約490万人と推定され,就業者に占める割合は7.5%である。

自営型狭義テレワーカーの約3割,雇用型狭義テレワーカーの4割弱が,育児や介護と両立しながら仕事が可能になることをテレワークのメリットとして挙げている一方,自営型狭義テレワーカーの2 割弱,雇用型狭義テレワーカーの3割弱が,育児や介護をしながらだと仕事の効率性・生産性が低下すると考えている。