平成24年版男女共同参画白書

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第1節 男性にとっての男女共同参画

(男性にとっての男女共同参画の意義についての理解の促進)

内閣府では,男性の意識改革への基盤醸成のための普及啓発活動の展開,マニュアルの整備等を含めた男性に対する相談体制の整備,男性の男女間の役割分担に関する意識からの解放及び地域・家庭への男性の参画促進等に効果的な施策の開発等,男性にとっての男女共同参画の推進を図る。

文部科学省では,男性だけが家計を負担するというような男性自身の固定的性別役割分担意識を解消し,男性にとっても多様な選択が可能となるよう,男性を対象としたワーク・ライフ・バランスやキャリアプランニング等の男女共同参画に関する学習機会の充実を図る。

(企業における男性管理職等の意識啓発)

内閣府では,「仕事と生活の調和推進室」において,関係省庁,労使,地方公共団体等関係機関と連携しつつ,社会全体の気運を醸成するための推進キャンペーンやシンポジウム等を通じ,企業の男性管理職等に対して仕事と生活の調和の実現に向けた意識啓発を行う。

(男性の家庭・地域への参画を可能にする職場環境の改善)

総務省では,人口減少や少子高齢化により個々人の生活様式に合わせた柔軟な就業環境が求められている中,仕事と育児・介護の両立を目指す女性,高齢者等の多様な人材の就業機会拡大のため,民間企業に対するテレワークの導入・運営に係る人材支援を通じ,セキュリティレベル・業務内容等に応じたテレワーク優良導入モデルを確立し,その普及を図る。

厚生労働省では,男性の育児休業取得を促進するための規定を盛り込んだ改正育児・介護休業法を平成22年6月30日に施行したことに併せ,育児を積極的にする男性「イクメン」を広めるため,「イクメンプロジェクト」を開始した。本プロジェクトで,参加型公式サイトの運営やハンドブックの配布等を行い,男性が育児をより積極的に楽しみ,また,育児休業を取得しやすい社会的気運の醸成を図る。

国土交通省では,業務の効率化・高付加価値化による生産性の向上及び国際競争力の強化や災害時の事業継続性の向上等に資する多様な働き方を実現する施策(テレワークの普及・推進等)の検討等を行う。

(男性の家庭・地域への参画を可能にする地域等の取組支援)

内閣府では,男性の家庭や地域への参画を促進する取組が進んでいる地域や企業等の具体的な取組事例を収集し広く他の地域や企業等に普及する。

厚生労働省では,身近な場所に子育て親子が気軽に集まって相談や交流ができるよう,「地域子育て支援拠点事業」を促進しており,子育て親子の交流の場の提供と交流の促進,子育て等に関する相談・援助の実施,地域の子育て関連情報の提供,子育て及び子育て支援に関する講習を基本事業として取り組む。

具体的には,公共施設の空きスペースや商店街の空き店舗等において実施する「ひろば型」,保育所等において実施する「センター型」,民営児童館において実施する「児童館型」の3つの類型により事業展開を図っており,それぞれ特色をいかした取組を行う。

特に「ひろば型」においては,基本事業に加えて地域の子育て力を高めることを目的に,父親サークルの育成等父親の子育てに関するグループづくりの促進等に取り組む。