平成24年版男女共同参画白書

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第2節 子どもの頃からの男女共同参画の理解の促進と将来を見通した自己形成

(教育による男女共同参画の理解の促進)

文部科学省では,初等中等教育において,児童生徒の発達段階に応じ,学校教育全体を通じて,人権の尊重や男女の平等,男女が相互に協力して家族の一員としての役割を果たし家庭を築くことなどの重要性についての指導の充実を図る。また,生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を培うキャリア教育を推進する。

さらに,中学校・高等学校では,生徒が個々の能力・適性等に応じて主体的に進路を選択する能力や態度を身に付けることができるよう進路指導の実践の改善・充実を図る。

そのほか,地域の実情に応じた,学校を始めとした多くの親が集まる様々な場を活用した学習機会の提供等の取組を支援する。

また,独立行政法人国立女性教育会館では,家庭教育の重要性に鑑み,様々な機関,企業が連携して取り組む社会全体で行う家庭教育や次世代育成の事例,男性の子育て参画に関する事例を内容に取り上げた研修等を実施する。

学校における性に関する指導については,学習指導要領にのっとり,児童生徒の発達段階を踏まえるとともに,保護者や地域の理解を得ながら学校全体で共通理解を図って行うよう,文部科学省では,学校関係者等に対し周知徹底を図る。また,引き続き,各学校において適切な性に関する指導が実施されるよう,各地域における指導者養成と普及を目的とした研修会を行う。

(子どもの健康の管理・保持増進の推進)

学校においては,健康診断や体育・保健体育の教科を中心として,健康教育を実施するとともに,文部科学省では,児童生徒の現代的な健康課題に対応するための体制づくりを推進する。

また,中高校生に対し,性感染症等の問題について総合的に解説した健康啓発教材の作成・配布等,引き続き学校教育におけるエイズ教育の充実を図る。

さらに,薬物乱用防止教育の充実を図るため,大学生等を対象にしたパンフレット・ポスターの作成・配布,薬物乱用防止教室の指導者に対する講習会やシンポジウムの開催,薬物乱用の問題について総合的に解説した啓発教材の作成・配布,薬物等に対する意識調査を行う。

喫煙,飲酒,薬物乱用の問題について,総合的に解説した啓発教材(小中高校生用)の作成・配布等を行う。

厚生労働省では,HIV陽性者等で構成されるNGO等の予防啓発活動等を支援するとともに,早期にHIV感染を発見し,治療につなげることができるよう,利用者の利便性に配慮した検査・相談を実施する。

また,薬物乱用防止対策として,若年層が覚醒剤・大麻等の害悪に関する正しい知識や,薬物の誘惑に打ち勝つスキルを身に付けられるよう,啓発資材を作成・配布する。