平成24年版男女共同参画白書

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コラム12

災害対応をきっかけに女性支援の活動を始めた団体の例


宮城県登米市のRQ市民災害救援センター(「RQ」はレスキューの略)は,平成23年3月13日に発足した任意団体である。自然学校やエコツーリズムをまとめている特定非営利活動法人日本エコツーリズムセンターが中心となり,仲間を呼びかけて始まった。初期の自然学校関係者の集まりから市民有志が加わり,大きなボランティア団体となり,支援物資の配送,がれき撤去,避難所での子どもたちの交流の場づくり,お茶を飲みながら話を聞く会の開催等の活動を行った。

同年5月中旬に,宮城県登米市の登米市男女共同参画条例策定委員有志5人が立ち上げた「宮城登米えがおねっと」が,被災した女性一人一人を対象としたきめ細やかな支援を実施するため,市の担当職員や大学教授等の協力を得て,登米市内の避難所にいる女性全員(430人)を対象に個別ニーズ調査を行った。この調査に同行し,協力したことで,女性への専門的な支援の必要性を認識し,同年6月にRQ市民災害救援センターとは別に,「RQ被災地女性支援センター」を立ち上げた。

当初は,「なぜ女性に支援を集中しなければならないのか」という疑問が出され,立上げのときは内部の理解を得るのが難しかったが,女性を対象としたハンドマッサージ等,避難所でのイベントを通じ,女性たちの表情が徐々に明るくなっていく様子を説明するなどして,理解を得た。現在まで,コミュニティづくりの一環として仮設住宅での手作り講座や手作り品の生産・販売等のプロジェクトを継続している。