平成23年版男女共同参画白書

本編 > 第1部 > 第5章 高齢男女をめぐる状況

第5章 高齢男女をめぐる状況

本章のポイント


第1節 高齢男女をめぐる状況

  • 国民の5人に1人が65歳以上の高齢者であり,75歳以上では6割以上を女性が占めている。
  • 女性の働き方は,結婚・出産・育児等のために非正規雇用が多く,就業年数も短い傾向にあるが,その結果,高齢期における年金等の収入も少なくなりがちである。
  • 中でも,経済的に厳しい状況に置かれているのが離別高齢女性である。離別高齢女性は,夫の収入や遺族年金に頼ることができず,安定した再就職もままならないことが少なくない。
  • 男性については,単身の男性の地域における孤立が深刻化している。
  • 孤立や経済困窮などの状況に置かれやすい高齢の単身世帯は,未婚や離婚が増える中で今後急速に増えていくと考えられる。
  • 非正規雇用が若年層も含めて増加傾向にある。非正規雇用者は,現状においては厚生年金等被用者保険の適用から除外されやすい状況にあるとの指摘もあり,その増加は将来において老後の生活設計を描きにくい層の増加に結びつく可能性がある。

第2節 高齢男女の自立と共生に向けた今後の課題

  • 高齢者の就労促進には,高齢女性特有の状況を踏まえた取組が必要。
  • 女性の高齢期の経済的自立につなげるため,税制や社会保障制度を多様なライフスタイルに中立的なものとする方向で見直していくことが必要である。
  • 高齢社会を豊かで活力ある社会とするためには,年齢や性別に基づく固定的な見方や偏見を除去し,高齢者を他の世代とともに自立し誇りを持って社会を支える重要な一員として,積極的にとらえる必要がある。