平成22年版男女共同参画白書

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第8章 教育・研究分野における男女共同参画

(女子の大学進学率は上昇傾向)

平成21年度の学校種類別の男女の進学率をみると,高等学校等への進学率は,女子96.5%,男子96.2%と,若干女子の方が高くなっている。大学(学部)への進学率をみると,男子55.9%,女子44.2%と男子の方が10ポイント以上高い。しかし女子は,全体の11.1%が短期大学(本科)へ進学しており,この短期大学への進学率を合わせると,女子の大学進学率は55.3%となる。近年,大学(学部)への女子の進学傾向が上昇している一方で,短期大学への進学率は6年度の24.9%をピークに,減少し続けている。

大学(学部)卒業後,直ちに大学院へ進学する者の割合は,平成21年度では男性15.5%,女性6.8%となっている(第30図)。

第30図 学校種類別進学率の推移
第30図 学校種類別進学率の推移

(男女の専攻分野の偏り)

平成21年では,女子学生全体の27.2%が社会科学分野を専攻しており,社会科学分野を専攻している全学生の3割以上が女子となっている。また,工学分野を専攻する女子学生は,工学分野専攻の全学生の10.7%となっている一方,人文科学分野を専攻する女子学生は人文科学分野専攻の全学生の66.5%となっており,男女の専攻分野の偏りがみられる。

(上位の職に少ない女性教員の割合)

初等中等教育について女性教員の割合をみると,小学校では教諭の6割以上を女性が占めているが,中学校,高等学校と段階が上がるにつれて低くなっている。校長,副校長及び教頭に占める女性の割合は,小学校の校長で平成2年の4.1%が21年には18.1%と大幅に上昇しているのを始め,上昇傾向にあるが,その割合は教諭に比べて依然として低い。

大学及び大学院,短期大学の全教員に占める女性の割合をみても,短期大学では5割近いが,大学及び大学院では1割台にとどまっており,特に教授,学長に占める女性の割合は低い(第31図)。

第31図 本務教員総数に占める女性の割合(初等中等教育,高等教育)
第31図 本務教員総数に占める女性の割合(初等中等教育,高等教育)

(女性研究者の割合)

我が国における研究者に占める女性の割合は,緩やかな増加傾向にはあるが,平成21年3月31日現在で13.0%にとどまっており,諸外国と比べて低いものとなっている(第32図)。しかしながら高等教育段階の女性の割合は,大学の学部41.7%,大学院(修士課程)30.2%,大学院(博士課程)32.0%であり,これらを比較してみても,女性の研究者の比率が高くなる余地はあるといえる。

第32図 研究者に占める女性割合の国際比較
第32図 研究者に占める女性割合の国際比較