「共同参画」2020年2月号

特集1

アジア・太平洋輝く女性の交流事業
メディア業界で活躍する女性記者交流プログラム
内閣府男女共同参画局総務課

令和元年12月1日(日)から12月3日(火)の3日間にわたり、内閣府は、アジア・太平洋諸国の、主に新聞社・テレビ局等のメディアで活躍する女性記者に焦点を当てた交流プログラムを実施しました。

このプログラムは、内閣府が平成28年度から開始した「アジア・太平洋輝く女性の交流事業」として実施したもので、我が国とアジア・太平洋諸国の交流において架け橋となり活躍する女性に焦点を当て、友好・信頼関係の深化を目的としています。

本年度は、インド、インドネシア、韓国、シンガポール、タイ、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランドの11か国から20名、日本国内から13名、合計33名の女性記者を招聘し、シンポジウム、視察、意見交換会を通じた交流を行いました。

シンポジウム プログラムの内容

初日公開シンポジウム

初日は、オリエンテーションで、自己紹介と本プログラムへの期待を共有したあと、午後は、公開シンポジウム「アジア・太平洋地域 輝く女性たちのHasshin! ~メディアが創る新しい時代~」に、応募してきた一般参加者とともに参加しました。

シンポジウムの開会挨拶には、今井絵理子内閣府大臣政務官が登壇し、テーマである「Hasshin!」に込められた、女性記者が一歩踏み出して発進すること、そして本日の参加によって得た気づきを広く発信することの2つの意味を伝えるとともに、女性記者と一般参加者による活発な意見交換への期待を、日本の手話を交えて述べました。


手話を交えて挨拶する今井絵理子政務官

開会挨拶の後、「女性記者の活躍と未来」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。パネリストが、ライフイベントとキャリア形成を振り返った後、自身が執筆した代表的な記事の紹介を通して課題認識や取り巻く環境、やりがいなどを掘り下げ、最後にメディア業界の女性が意思決定層へ参加することによる報道や社会への影響について意見が交わされました。

オードリー氏は、「女性がワークライフバランスを図るには次の3点が重要で、1つ目は育児休暇制度などの国のサポート、2つ目は保育所などの社会のサポート、そして3つ目は、制度だけでなく社会的な規範がサポートになる」と語られました。モデレーターの林教授からも、支援に繋がる政策や社会的な規範に与えるメディアの影響力は非常に大きく、だからこそメディア業界における意思決定の場には多様な視点が必要であるとのコメントがありました。


林教授


パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの後は、女性記者たちと一般参加者によるグループディスカッションが行われ、メディア業界の女性の活躍が社会に与える影響や報道の変化、そして今後のメディアの在り方や女性記者の役割、働きがいについて、様々な意見が交換されました。

2日目視察

2日目は、課題先進国である日本が抱える課題とその取組の紹介を目的に、視察及び取材が行われました。


視察の様子

女性記者たちは「少子高齢社会と介護」「スポーツと女性の健康」「バリアフリー社会」「防災」の4つのテーマに分かれ、午前中は有識者の講演から課題と現状を学び、午後はそれぞれの課題に取り組む施設や企業を訪問しました。学んだ知識や取組事例は自国での発信に繋げていくとともに、日本について理解を深める機会となりました。

最終日意見交換会

最終日は、これまでのプログラムを経て得た気づきをグループディスカッションで共有するとともに、それぞれが抱える課題や解決策について議論しました。そして3日間の交流プログラムのまとめとして「発進宣言」を作成し、女性記者がメディアにおける女性活躍を進めていく主体となるべく、今後の行動目標を宣言しました。

そして閉会に当たり、橋本聖子内閣府特命担当大臣(男女共同参画)が登壇し、人々の意識や偏見を変えていく重要な役割を担うメディアにおいて、女性が参加することによって意思決定に多様な視点を取り入れることの重要性を伝えるとともに、「今回のプログラムを通じて得た新たな気づきや問題意識などを広く発信し、アジア・太平洋地域の友好・信頼関係の深化のための架け橋となっていただきたい」と、女性記者の参加者にエールを送りました。


橋本大臣

3日間のプログラムでは、各国の女性記者を取り巻く環境や課題、今後記者として取り組みたいこと、やりがいなどについて熱い議論が行われ、報道や女性記者としての役割を再認識するとともに、女性記者の国際的なネットワークの構築を今日ここから始めたいという声が上がっていました。

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