「共同参画」2020年1月号

トピックス

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組
内閣府男女共同参画局総務課

名古屋大学男女共同参画センター

◎名古屋大学の取組

名古屋大学松尾総長は、平成26年の行動宣言公表後、平成27年と早い時期に賛同いただいています。行動宣言における具体的な取組として、学内男女共同参画センターの設立、女性教員比率を向上するためのポジティブアクションや女性教員の上位職登用など、積極的に活動しています。また名古屋大学は以前より、他大学に先がけて、学内保育所・学童保育所を設置するなど、早くから男女共同参画を推進してきました。その取組や成果が認められ、平成27年には、国連UN women「HeForShe」事業で日本の大学として唯一、IMPACT Championの世界の10大学のひとつに選出されています。※1

特に女性教員比率の向上については、令和元年5月1日現在17.4%に対し、令和2年度までに20%を達成するために、令和元年の「教育研究評議会(教育研究等についての大学の意志決定組織)」にて、女性比率を20%以上とする、という学内規定に改訂しました。そして、松尾総長の強いコミットメントにより、「女性教員比率20%達成のための女性教員増員策」を令和元年10月より実施しています。


総長(前列左端)と女性評議員

女性活躍が進むと、人材多様性確保の観点からプラスが多く、「教育研究評議会」でも女性が参画したことでさらに活気が出たそうです。また、対立する意見があっても否定はせず、その意見も多様な意見として受け止めること、対立する考えを変えるのではなく、共感してくれる人を巻き込むこと、などの考え方が大切になってくる、とのことでした。

◎産学官の連携

平成16年に、名古屋大学が中心となり「あいち男女共同参画社会推進・産学官フォーラム」を、愛知県経営者協会・名古屋大学・愛知県・名古屋市の4者により設立されました。それ以来、産学官それぞれで行われてきた男女共同参画社会推進について、横の連携を図ることを目的として運営されています。愛知県では、特に若い世代の女性人材流出が多いことに危機感があり、女性の潜在力や能力を様々な分野で活かしていきたいと活動しています。

フォーラムが主催するシンポジウムでは、参加者に多様なキャリア形成が意識出来ることを目指しています。シンポジウムで登壇するロールモデルがスーパーウーマンだけだと、自分には無理だと思ってしまい、自分ごと化できない場合もあります。スーパーウーマンでないと両立できない、ということではなく、女性誰もが普通にキャリア形成を目指すこと、そしてより多くの人がキャリアに進むことが重要と考えているということです。


産学官フォーラム「理系大学&リアルなオシゴト潜入取材バスツアー」

名古屋大学は、女性活躍推進の取組を、大学活性化の戦略と捉え、多様性を育むために不可欠という強い意志があることを感じました。

※1 「IMPACT Champion」:UN womenが、ジェンダー平等に向けて変革を促すため影響力の強いリーダーとして、各国首脳、世界的企業CEO、大学の学長各10名を選出した。

(参考)名古屋大学HeForShe
【HP】 http://heforshe.provost.nagoya-u.ac.jp/index.html

名古屋大学男女共同参画センター
【HP】 http://www.kyodo-sankaku.provost.nagoya-u.ac.jp/

かながわ女性の活躍応援団

内閣府男女共同参画局は、令和元年11月「かながわ女性の活躍応援団」ムーブメント拡大ミーティングへ参加してきました。この応援団は団長を神奈川県の黒岩知事が務めており、神奈川県にゆかりの深い企業等の男性トップからなる団員20名と、応援サポーター37名(令和元年11月7日時点)で構成されています。そして当日は、企業等のトップの方々20名が参加しました。

◎数字で表す女性活躍推進の効果・成果

今回のミーティングのテーマは「数字で表す女性活躍推進の効果・成果の発表」です。各企業等が、女性活躍推進が具体的に業績向上等へどうつながっているかということを、事例を通じて発表していきました。


ミーティング開催

県内の鉄道会社からは、女性社員が中心となって商品を開発した結果、女性だけでなく全ての客層へヒットして売上拡大となった例があがりました。また金融機関からは、法人営業職は初め男性しかいなかったものの現在は女性も増えており、優秀さやリーダーシップ力により業績アップへ貢献しているとの話が紹介されました。

また、働く女性としてのロールモデルが増えることで、優秀な人材確保にもつながっているという話もありました。たとえば、比較的女性が少ないといわれる建設会社でも「働いている女性の姿をホームページにて発信することで、女性の応募比率が飛躍的に伸びた。今後優秀な女性が活躍できることを当たり前としていきたい」と発表されました。


アドバイザーの岩田氏(左)と黒岩団長(右)

◎応援団アドバイザーから

ミーティングの終盤では、本ミーティングのコーディネーターを務めた「応援団アドバイザー」の岩田喜美枝氏より、「女性活躍推進が事業の発展につながったということを、数量的に説明するのは難しいのではないかと考えていたが、たくさんの事例が報告され、効果があったことを実感している」との講評がありました。また岩田氏は、女性活躍を推進していく上での男性の行動変容の重要性を語り、今後、男性の家事育児等、男性にスポットをあてた議論をしていくことを提案されました。

◎団長から

最後に黒岩知事は、岩田氏の「男性が変わらないといけない」という発言に同意した上で、男性の行動変容に取り組んでいくことは応援団の主旨に沿っており、是非来年度はそのテーマで盛り上げたいと次回への意気込みを述べました。


ミーティングでの集合写真

かながわ女性の活躍応援団

【HP】 http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0050/womanact/

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