「共同参画」2019年3・4月号

特集1

「“おとう飯”始めよう」キャンペーン実施自治体からの報告 Vol.3
内閣府男女共同参画局総務課

イクメイヤー・ケアメイヤー宣言(東京都東村山市)

東村山市では、平成29年4月に「イクボス・ケアボス宣言」を市民の皆さんにも対象を拡大した「イクメイヤー・ケアメイヤー宣言」を行いました。

東村山市長として、改めて、育児や介護を担う方々を自ら率先して応援し支援する“イクメイヤー・ケアメイヤー”となることを宣言し、育児や介護を抱えるすべての方にとって、より暮らしやすく、より働きやすいまちとなるよう、子育てや介護を支援する施策の充実に全力を挙げて取り組んでおります。

東村山市長


おとう飯サポーターへの参加

「おとう飯(はん)の心得」を胸に、いっぱいの愛情を加え、黒焼きそばソースを使った、簡単に美味しくつくれる「東村山名物 黒焼きそば」でサポーターに名乗りを上げました。

男女共同参画推進フォーラム「おとうさんの家事力アップ応援します」

男女共同参画週間にあわせ平成30年6月に開催した男女共同参画推進フォーラムでは、「おとう飯大使」の石橋尊久(たかひさ)さんをお迎えし、お父さんの家事力アップを応援するために、誰でも簡単にできる電子レンジを使った料理を紹介していただきました。当日は、ご自身も家庭でよくつくられるという「豚と白菜のミルフィーユ」「パエリア」に楽しいトークを添えて披露してもらいました。手のかかりそうなパエリアも10分ほどで完成し、石橋さんが会場を回り出来上がった料理を間近でご覧いただきました。会場にいた子ども達も駆け寄り「美味しそう」と目を輝かせ、お父さんに「帰ったら作ってね」とおねだりしていました。終始、暖かい雰囲気にあふれたフォーラムとなりました。

男女共同参画推進フォーラム


「東村山あったかネットワーク」を目指して

平成30年11月には男女共同参画の活動拠点である“交流室フェスタ”を開催し、「あなたの家族への不満度アンケート」を行いました。アンケートの結果をみると、普段から家族に対して不満を感じているのは男性よりも女性が多く、その中でも一番の不満は「家事分担」でした。しかし、男性にとっての「家事分担」は最も低い順位であり、「家事分担」と答えた女性は男性の4倍以上という結果となりました。

女性の社会進出が進み、男女の固定的性別役割分担の意識にも変化がみられ、男女共にワーク・ライフ・バランスが実現できる社会になりつつあります。家事は「気づいた方がやればいい」「得意な方がやればいい」といった感覚では家庭と仕事の両立は成り立ちません。「“おとう飯”始めよう」キャンペーンの取組みをきっかけに、当市の男女共同参画推進情報誌「ふぃ~りんぐ」では、毎号お父さんに作ってほしいレシピを紹介しています。

今後も引き続き、当市の第3次男女共同参画基本計画のテーマである~一人ひとりが生き生きと輝ける社会~「東村山あったかネットワーク」の実現を目指し、男性向けの料理教室などを通して男性の家事参画を応援していきます。

男女共同参画推進情報誌「ふぃ~りんぐ」



『育てて育つ』 伊豆市で子育て(静岡県伊豆市)

伊豆市では、『育てて育つ』をキャッチフレーズとして、子育ての素晴らしさを呼び掛けるとともに、伊豆市で子育てをする魅力を伝えています。このキャッチフレーズは、あえて一人ひとりのイメージに任せ、子育てをしていて良かったことを心に浮かべていただけたらと思っています。また、親だけでなく、皆で子どもたちを見守る安心感や、地域もまちも一緒に育っていこうというメッセージも込めています。

◇父も育つ!「父親教室」

伊豆市では、父親の家事・育児への積極的な関わりを促すことを目的として、平成29年度から父親教室を開催しています。

初めは料理をメインに始めた父親教室ですが、「料理はちょっと…」と敬遠する方が多いと感じました。そこで、エプロンや木の皿を作るプログラムなども織り交ぜ、また、子どもや母親も参加可能としています。家族で楽しみながら行う簡単な調理体験を通して、家庭で実践するきっかけになればと考えています。参加していただくと、普段、料理を全くしないという父親から「簡単にできてびっくりした」「料理は子どもとの良いコミュニケーションになると思った」という感想が。また、一緒に参加した母親からは「教室では夫が自ら皿洗いをしていて驚いた」「参加後は家事や育児を意識してくれている」という声が聞かれました。父親教室は、男性の家事・育児への意識改革に良い効果をもたらしています。

子どもと一緒に。賑やかな父親教室
▲子どもと一緒に。賑やかな父親教室


◇市長が男の料理を呼びかけおとう飯サポーターに参加

市の父親教室の取組みを知っていただき、男性の家事・育児参画を呼び掛けるため、平成30年12月に菊地市長がおとう飯サポーターに参加。社会人と大学生の二人の息子の父親である市長は、「長男が一人暮らしを始める時に野菜炒めの作り方を教えた」と自らの子育てを振り返りながら調理に取り組みました。この時に作ったのは、市民からレシピを募集する「伊豆ベジ自慢コンテスト」の入賞作品であり、市内の中学校の調理実習などでも作られている「伊豆いっぱいハンバーグ」。ブランドとなっている鹿肉「イズシカ」や特産品の椎茸や弘法芋など、具だくさんで栄養たっぷりのハンバーグがふっくらと焼きあがりました。日本一のワサビがアクセントとなっています。

伊豆市には素材の良さをそのまま活かせる特産品や地域で採れた新鮮な野菜や肉、海産物もあります!凝った調理をしなくても、お父さんたちの愛情を注げば大丈夫!

伊豆市長


◇今後の展開

父親教室の参加者から毎回アンケートを取っている中で、家事・育児にあまり関わっていない父親からは「何をしたらいいのかわからない」という声が多いように感じました。

今後は、夫婦で手伝ってほしいこと・できることを共有できるようなプログラムを予定しています。

互いに思いやり、助け合う温かな家庭で、子どもたちがのびのびと育っていけるよう、伊豆市では今後も子育て支援に力を入れていきます。

▲育てて育つShort Movie ~6つの家族が育てたもの~
▲育てて育つShort Movie ~6つの家族が育てたもの~

伊豆市の子育てPR動画第1話では、子育てにひたむきな新米パパたちへ父親教室を紹介。
伊豆市ホームページからぜひご覧ください。



武蔵村山市の家事ダン、集まれ‼(東京都武蔵村山市)

おとう飯サポーターへの参加

武蔵村山市では、昨年の2月に市長が職員のワーク・ライフ・バランスを推進する「イクボス・ケアボス」宣言をしたところですが、この度、市全体で男性の家事・育児を推進し、自らも積極的に取り組んでいく「おとう飯サポーター」に参加いたしました。平成30年度に実施した市民意識調査では、「あなたの家庭では、炊事・洗濯・掃除などの家事を主に男性もしくは女性のどちらが行っていますか。」という問いに対して、「主に女性が行っている」という回答が71.3%を占めている一方、「男女ともに行っている」は21.3%、「主に男性が行っている」は3.2%にとどまっています。市長の「おとう飯サポーター」への参加が、男性の家事・育児への参画に市民が興味を持つきっかけになることを期待します。

おとう飯サポーター参加記念イベント「りんごの皮むき選手権」

「おとう飯サポーター」への参加を記念して、毎年11月に開催される、市民による市民のための食の祭典「Food(風土)グランプリ」(同時開催:農業まつり&農産物品評会)にて、「家事ダン集まれ!りんごの皮むき選手権」を開催しました。

参加者は、市長と、当日会場にいた来場者3名の「お父さん」!第一部ではりんごの皮むき、第二部ではうさぎりんごに挑戦しました。イベントの最後は、今回りんごを提供してくださったりんご農園の方から、りんごに関するお話をしていただきました。

普段料理することがないお父さんたちのエプロン姿に、子どもたちはステージにくぎ付けです。

男性の家事推進と、地元の野菜を使った地産地消を目的としたイベントは、食の祭典を盛り上げる一大イベントとして盛況のうちに終了しました。

りんごの皮をむく藤野市長
りんごの皮をむく藤野市長

うさぎりんごに挑戦しました
うさぎりんごに挑戦しました


男女共同参画センター「ゆーあい」の取組

武蔵村山市男女共同参画センター「ゆーあい」では、昨年10月に、男性・子どもの生活自立支援として小学4年生~6年生のお子さんと父親を対象にした「パパ子でチャレンジおうちごはん」を開催しました。7組14名の参加があり、土鍋で作るさつま芋ご飯や出汁からとる味噌汁、鳥のから揚げなど全5品目を作りました。

調理から片付けまで全員で協力しながら作ることができ、どの班からも「美味しい!」と笑顔で食事をしている姿が印象的でした。参加者からは、「料理をするきっかけになりました」、「パパと一緒に家で料理を作ったことがなかったので楽しかった」、「今日の成果を家でママにみせたいです」などたくさんの感想をいただきました。1か月後のフォローアップアンケートでも「講座後に料理を作った」という回答が7組中6組からいただけました。

「パパ子でチャレンジおうちごはん」の様子
「パパ子でチャレンジおうちごはん」の様子


武蔵村山市は、今後も男女共同参画社会の実現に向けて、一層取り組んでいきます。



東北初の「おとう飯サポーター」が男性の家事・育児を推進!

福島市 総務部 男女共同参画センター

1.東北初の「おとう飯」サポーター就任!

福島県の男性の1日当たりの家事・育児平均時間は70分、全国平均より10分以上も少なく、下から数えた方が早い状況です(平成28年度)。この現実を目の当たりにして、「女性も男性も活躍するためには、男性への啓発も大切だ」と新たなプロジェクトがスタート。市役所職員も市民も一緒に男性の家事・育児を推進しようと、まず昨年10月に福島市長が東北初の「おとう飯」サポーターに就任、同時に「イクボス」宣言を行いました。男性向け料理教室の開催やおとう飯写真のインスタグラム募集、市役所の全管理職へのイクボス研修など、全12のプロジェクトを推進しています。

木幡浩 福島市長
木幡浩 福島市長


サポーター就任宣言時には市長が「福島のごちそう」と題した料理を披露、①福島市が一世帯あたりの購入額日本一の豚肉・納豆・卵を使用した「豚しゃぶの納豆ドレッシングのラジウム卵のせ」、②郷土料理いか人参を使用した「いか人参炊き込みご飯」、③福島を代表する果物の桃をのせた「市長自家製ヨーグルト」、④東京オリンピック・パラリンピック競技大会の福島市のホストタウン交流国スイスの料理「じゃがいものラクレットチーズのせ」の4品を作りました。

市長のおとう飯「福島のごちそう」
市長のおとう飯「福島のごちそう」


2.市長も参加して「炒飯」と「油淋鶏」を作りました!

おとう飯サポーター就任から1ヶ月後、男性の家事・育児参画推進のために料理教室「料理deイクメン」を開催しました。老舗中華料理店のシェフの指導のもと、20代~50代の男性15名が集まり、市長と一緒に料理にチャレンジ。卵のふわっと感の出し方や味付けに苦労しながら、炒飯と油淋鶏が見事完成!全員で料理を堪能しました。「これからも料理にチャレンジしていきたい!」と笑顔で話す参加者の姿が、とても印象的でした。

「料理deイクメン」は大盛況!
「料理deイクメン」は大盛況!


3.インスタグラムで「おとう飯」写真を募集中!

男性の家事・育児参画のムーブメントをSNSでも広めて行こうと、昨年12月からインスタグラムでおとう飯の写真を募集しています。「撮影した写真にコメントを付けて投稿することで、多くの利用者と共有できる」というインスタグラムの特性を活かして、投稿していただいたおとう飯の写真を見たり参考にしたりすることで、料理への意欲を高めてもらいたいと始めました。

ハッシュタグは「福島市のおとう飯」を意味する「#fukuhan」。2月現在で50件の投稿があります。写真を見て作り方を学んだり、男性の料理が話題になったりと、おとう飯のネットワークが少しずつ広がっていると感じています。

今後もおとう飯を通じて男性の家事・育児参画を進め、男性も女性も輝きながら、安心して暮らしていける福島市のまちづくりの一助となるよう、取り組んでいきます。

下記QRコードからインスタグラムの詳細をご覧いただけますので、ぜひご利用ください。

QRコード
おとう飯インスタ募集中!


内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019
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