「共同参画」2018年9月号

取組事例ファイル/企業編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

一昨年「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在180名を越える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

トップマネジメントのリーダーシップと社員有志による活動

高付加価値データを活用した革新的なテクノロジーを世界176ヵ所のオフィスを通じて展開するブルームバーグでは、多様性を尊重する企業文化の浸透を目的に、多くの活動を世界中で実施しています。

有志社員によるブルームバーグ・ウィメンズ・コミュニティ(以下BWC)では、ジェンダー問題への意識向上、部署や役職の垣根を越えた意見交換やサポート体制、キャリア開発の機会を通じて社員同士のつながりや育成、活動の支援をしています。BWCの「ローカル・リーダーシップ・プログラム」により、昨年は、日本オフィスの営業部門で、女性管理職の比率を約30%まで増加させることに成功しました。

ブルームバーグ・ウィメン・イン・テクノロジー(BWIT)では、伝統的に女性の活躍が顕著ではなかった分野に注力し、理工系分野でのキャリアパスの形成を支えています。内閣府が推進する「リコチャレ!」、日本科学未来館による「各国の10代が考える幸せのかたち」などの取組にも協力しています。

また、在日代表である石橋邦裕は、トップマネジメントがリーダーシップをとることも重要であると、BWCのメンバーの一人として、日本オフィスのマネジメント委員会を通して、社員が各自のキャリアに情熱を持ち、上下関係や性別の差異に臆することなく発言し、各自がより優れた存在へと成長するための環境を整え、さらに発展させていくことに日々、努めています。

石橋 邦裕 ブルームバーグL.P.在日代表
石橋 邦裕 ブルームバーグL.P.在日代表


チーフオペレーティングオフィサーBeth Mazzeoを迎えてのローカル・リーダーシップ・プログラムイベント
チーフオペレーティングオフィサーBeth Mazzeoを迎えてのローカル・リーダーシップ・プログラムイベント


チームJP(Japan Post)一丸となって、トータル生活サポート企業グループを目指します

日本郵政グループは、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険及び持株会社の日本郵政の4社を主要会社とする企業グループです。日本郵政グループ中期経営計画2020では、チームJPとして「トータル生活サポート企業グループ」を目指すこと、その基本方針には「社員の力を最大限に発揮するための環境の整備」を掲げており、多様な社員がワークライフバランスを確保し、健康で柔軟な働き方ができるようダイバーシティマネジメントの推進に取り組んでいます。

仕事と生活を調和させ、社員全員が働き続けられるグループを目指し、育児や介護では法定を超える制度を整備しているほか、直近では、不妊治療のための休暇を創設、介護等特別な事情がある社員に対する短時間勤務制度について、これまで満50歳以上に限定していた年齢要件を撤廃、男性の育児参画を促進することを目的として育児休業3日間有給化等、新しい制度を導入しています。

とりわけ、女性の活躍推進については、グループ4社で目標数値を掲げ(表)、女性社員の意識向上に向けた研修等を実施しているほか、グループ4社でイクボス企業同盟に加盟し、男性管理者の意識改革等の取組も推進しています。

今後とも、お客さまの生活をトータルにサポートする企業グループを目指し、チームJPとして、グループ社員がその持てる力を最大限に発揮することができるよう、女性活躍推進を含めたダイバーシティマネジメントの更なる推進に取り組んでいきます。

長門 正貢 日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長
長門 正貢 日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長


表:女性管理者割合の目標(達成期限:2021.4.1)
表:女性管理者割合の目標
(達成期限:2021.4.1)


グループ4社合同 女性社員の意識向上に向けた研修(配偶者同伴の育休復帰セミナー)
グループ4社合同 女性社員の意識向上に向けた研修
(配偶者同伴の育休復帰セミナー)


従業員感動満足(EIS)の向上を目指して

ミュゼプラチナムは従業員の98%が女性です。女性の働きやすい環境を整えるのはもちろん、従業員感動満足(EIS※1)を向上させることで、顧客感動満足(CIS※2)の向上に繋がり、結果として業績に反映されるものと考えています。

現在、具体的に取り組んでいるのは多様な働き方が選べる制度の導入です。本社ではフレックスタイム制度を採用しているほか、サロンスタッフは最大で8つの勤務時間の中からライフスタイルに合わせて選べるハイブリッド勤務制度やジョブ・リターン制度、子供が中学校を卒業するまで利用可能な育児短時間勤務制度など、働き方の自由度を高められる制度を導入しています。

制度と同様に力を入れているのが、多様な人材が活躍できるサロン(職場)をつくることです。どんなに制度を整えても、サロン環境が良くなければ結果として働きにくい職場になるでしょう。そこで、昨年よりマネジメント研修の一環として株式会社LITALICOと共同で「発達障害の理解を促す勉強会」を全国で開催しています。これは発達障害に対する理解だけではなく、一人ひとりの得意・不得意に目を向け、相手に合わせたコミュニケーションを学び今後の自身の行動について考えるきっかけになればと始めたものです。こういった活動を積み重ね、社員がやりがいを持って長く働ける環境を作っていきたいと考えています。

※1. EIS:従業員感動満足(Employee Impressive Satisfaction)
※2. CIS:顧客感動満足(Customer Impressive Satisfaction)

沼田 英也 株式会社ミュゼプラチナム代表取締役
沼田 英也 株式会社ミュゼプラチナム代表取締役


発達障害勉強会では耳を塞ぎ、視界を狭めて行うしりとりを体験
発達障害勉強会では耳を塞ぎ、視界を狭めて行うしりとりを体験


株式会社LITALICO発達ナビ編集長の鈴木氏が講師を担当
株式会社LITALICO発達ナビ編集長の鈴木氏が講師を担当


アロマという小さな切り口から「女性活躍」を加速する

アロマの世界は女性が中心で良い意味で古さが尊ばれ、どこか温かみのあるアナログ感が漂う社会です。

最近では、芳香・塗布・摂取などさまざまな用途に使用できる「多目的アロマ」が話題になっており、当校では、この多目的アロマについて、テクノロジーを活用することで、家庭や育児とのバランスを保ち、なおかつアクティブに活動できる女性インストラクターを輩出することに取り組んでいます。

現在は、公認チーフインストラクター(上級)3名を関東周辺に配置し、プレゼンテーションソフトや動画制作技術の取得を中心とした研修を実施。地域社会で活躍できる女性インストラクターを育て、ロールモデルとなっていただくことが最優先の課題です。

また、女性活躍を加速して行くには、男性リーダーの役割がとても重要です。

とりわけ注意すべきことは、女性を決して一括りで見てはいけないということです。

グループ・課・係での日々の活動の中で「一対一の関心事(家庭や仕事など)」を共有する場面を持ち、それぞれの事情を理解することで女性が更に力を発揮できるようになります。

私たちは、アロマという小さな切り口から、女性が仕事と家庭や育児とのバランスを保ち、活躍できる社会基盤作りのために、これからも日々挑戦して参ります。

横山 知行 マスターズアロマスクール学長
横山 知行 マスターズアロマスクール学長


ロールモデルとなる女性講師のテクノロジー研修
ロールモデルとなる女性講師のテクノロジー研修


講師活動のPR動画制作の様子
講師活動のPR動画制作の様子


内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019