「共同参画」2018年2月号

取組事例ファイル/団体編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

平成26年に「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在160名を超える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

新時代の旗手を目指して~人間性(ハート)と専門性(プロフェッショナリティ)の追求~

日本の金融業界は大きな転換期を迎え、より先進的な経営が求められています。そのような中、私共金融機関は、多様な人財の人間力とその個性を存分に発揮できる仕組み、そして、それを支えるオープンなカルチャーが欠かせなくなっています。

当社は2012年度、経営計画「Ambitious 5」のもと本格的な女性活躍推進をスタートしました。ダイバーシティの意義を適切に伝えるため、「ダイバーシティ・バイブル」を作成し、全社員に配布することで意識を高めてまいりました。さらに、管理職へのダイバーシティ研修や目標となりうる女性社員によるロールモデル活動などを行い、社員の理解を深めました。その結果、女性管理職を各事業部門にバランスよく配置することができ、目標の「女性管理職比率20%」を達成。5年前にはゼロだった女性役員が、現在4名誕生するに至りました。これらの実績を礎として、次の女性活躍の目標に「男性社員の育児関連休暇取得率」と「高度な専門性を持つ女性比率」を新たに加え、女性活躍推進の取組を着実に進めてまいります。

当社は、2017年4月から経営計画「New Age’s, Flag Bearer 5」をスタートしました。男女を問わず社員全員の「人間性」と、より高度な「専門性」を追求していこうと、先ずはその仕組み作りとして、人事制度全体の見直しを行います。多様な人財一人ひとりが、新時代の旗手となる気概と、仲間を大切にする広い心を併せ持つことが、私たちのイノベーティブな金融グループとしての持続的成長に繋がると確信しています。


石田 建昭
東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社
代表取締役社長 最高経営責任者


ロールモデル社員が活動について議論する様子


全社員に配布している「ダイバーシティ・バイブル」

女性活躍で「新たな価値の創出」を

2018年(平成30年)は、JAXA設立15年の節目の年にあたります。4月からは新たな中長期目標期間が始まり、これまで取り組んできた技術の発展・先導、社会課題解決による価値創造をさらに加速し、技術力と革新的技術の創出につながる研究開発により、これまで以上に宇宙航空分野における中心的な役割を果たしていくことが期待されています。

労働人口の減少や情報化等、社会変化に柔軟に対応しながら、新たな価値の創出に向けた組織体制を構築するためには、労働環境の向上や働き方の改善に加え、女性を含む多様な人材の活用推進と次世代を担う人材の育成が不可欠であると考えます。

JAXAの全職員に占める女性の割合は約20%です。出産や女性に偏りがちな育児などのライフイベントの負担を軽減する制度を整えています。これにより、女性のみならず子育て世代が能力を発揮できる環境につなげ、広い視野を持った職員が事業に参画することで多様性が確保され、生産性の向上に有効に機能すると考えています。

次世代を担うリーダーの育成においてもキャリア形成に対する意識づけ等を目的とした研修の実施や、「キャリアメンター制度」の導入等短期的な取組と共に、女性職員を事業推進に関わる部署等に戦略的に配置し、経営に近いところで実践を積む機会を与える中長期的な育成も図っています。平成25年度に約3%だった女性管理職の割合も平成29年度は約8%と徐々に育成の効果が出始めており、今後も女性活躍推進の取組を加速していきます。


奥村 直樹
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
理事長


JAXAほしのこ保育園


若手職員働き方変革研修

多様性は革新的なイノベーションの源

世界最大の化粧品会社ロレアルは1909年に創業以来「多様性」を提唱し、性別を越えた平等性やキャリア形成を尊重すべく、女性の活躍を積極的に推進しています。「多様性」は革新的なイノベーションの源となり、化粧品事業をけん引しています。

日本法人の日本ロレアルでは、オフィス社員の育児と仕事の両立をサポートする支援金120万円の支給、半日・1日単位の在宅勤務(年間最大12日)、看護有給休暇、とちょう保育園の利用枠を提供しています。美容部員の支援プログラムでは、業界初10歳未満の子を養育する場合の育児時短制度、妊活支援、介護休暇などの制度を導入。女性社員の意見を制度に反映することで、社員がライフステージに合わせてより柔軟で多様な働き方を選択し、長期的視野に立ったキャリア形成を実現できるようにしています。現在、指導的地位の女性の割合は58%、産休・育休からの復職率は93%と、高い実績を誇っています。

また、社会的課題への対応として、2005年に「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」を創設し、生命・物質科学分野における若手女性科学者が研究を継続できるよう奨学金100万円を毎年4名に贈呈しています。これまでに47名が受賞し、受賞後も国内外でキャリアを切り拓いています。2016年にはシングルマザーが経済的安定を得られるようキャリア支援プログラム「未来への扉」を開講、約100名が無償講座を履修し、美容部員やオフィスワークなどの正社員としてキャリアアップを図っています。

今後とも、社内外において女性の活躍の場が広がるよう充実した制度や支援活動を推進していきます。


ジェローム・ブリュア
日本ロレアル株式会社
代表取締役社長


育児時短制度を利用するシュウ ウエムラ美容部員


シングルマザーキャリア支援プログラム「未来への扉」

女性の力を食の発展に

“日本発、世界へ”。ぐるなびは、この企業理念のもと1996年の創業以来、日本ならではのオリジナリティを生かし、日本の食文化を守り育てることを使命に取り組んでまいりました。食は全ての人々にとって非常に身近なテーマであり女性の視点が大切です。女性が活躍し、その力を活用することが当社の成長に繋がると信じています。これまでも、ぐるなびの成長には女性の力が大きく寄与してきましたが、更なる成長のために、女性はもとより多様な価値観を持った人材が必要だと思っています。

当社は、2015年11月にダイバーシティ推進グループ(現:ダイバーシティ推進室)を新設し、女性・障がい者など多様な人材が持てる能力を最大限に発揮できる風土づくり、活躍できる環境整備を積極的に行っています。女性活躍支援の取組としては、自らのキャリアや各人が迎えるライフステージをより前向きにとらえることができるように、キャリアステージに合わせた女性社員対象セミナーを導入するほか、育児サービスの費用補助等の制度拡充、産休・育休者への情報提供等を実施してきました。また、女性社員をネットワークした社内交流の場(ぐるのわ)を設け、互いの知見を共有しコミュニケーションの活性化を図っています。

今後、日本の食文化を世界に広げ、日本がグローバルに活躍していくために、女性の力に大いに期待しています。当社で働く人材がその能力やアイデアを発揮し、社会に貢献し続ける企業となるべく、多様な人材の活躍を推進していきます。


滝 久雄
株式会社ぐるなび
代表取締役会長 CEO・創業者


復職前セミナーの様子


社内交流の場(ぐるのわ)の様子

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019