「共同参画」2017年9月号

取組事例ファイル/団体編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

一昨年「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在150名を超える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

全員で取り組もう~働き方改革・ワークライフマネジメント

王子グループはグローバル企業としての持続的成長のため、革新的価値創造企業を目指しています。そのため多様な価値観、発想の柔軟性が必要であると認識し、「働き方改革の推進」「多様な人材の活躍」「ワークライフマネジメントの向上」のテーマで取組を続けています。

土台となるのが「働き方(休み方)改革」です。「企業の力の源泉は人材」の考え方に基づき、一人ひとりが能力を最大限に発揮できるよう、総労働時間削減、有給休暇取得推進等に取り組んでいます。各自が生産性を上げ、新たに時間を生み出してより多くの価値観に触れてほしいと考えています。

多様な人材の活躍においては女性活躍推進を優先課題とし、女性総合職の積極的育成に取り組んでいます。女性総合職やその上司への研修、さらに女性管理職同士のネットワーク構築など、意識の持ち方から能力アップまで、多方面からのアプローチを行っています。

また、キャリアと育児・介護との両立支援に向けて、男性の家事・育児関連休暇の取得促進、介護に関する情報発信などにも取り組んでいます。時間制約のある社員が安心して就業継続でき、重要な戦力としてますます活躍できる環境を作っていきます。

以上のことを推進していく上で最も重要視しているのは、管理職の意識改革です。従来の固定概念を取り払い、意識を変えるのは難しいことですが、ここを乗り越えなければダイバーシティは進みません。昨年度から役員・部長以上の研修を繰り返し行っていますが、今後も皆が能力を最大限に発揮できるよう粘り強く取り組んでいきます。


進藤 清貴
王子ホールディングス株式会社
代表取締役会長


役員・部長以上ダイバーシティマネジメントセッション


女性プレマネージャーズエンパワーメントセッション

ひとりひとりが輝ける働き方の創造

株式会社Francfrancでは、「VALUE by DESIGN デザインによって毎日をより楽しく、より豊かに」を企業理念に掲げており、インテリア雑貨小売事業運営を通じて、お客様が何気ない日常をより素敵に過ごしていただける時間や空間を提案しております。そして、それらがお客様の満足、笑顔という形で表現されることが私達の最大の喜びであると感じております。

当社で働く社員は7割以上が女性であり、また基幹事業である「Francfranc」も女性のお客様が多く、当社の事業は多くの女性に支えられています。変化していくライフステージの中でも、やりがいをもって活躍し続ける女性従業員を応援していけるよう、2015年2月にダイバーシティ推進の一環として、女性が活躍できる職場環境を整えることをミッションとした「LIFE DESIGN PROJECT」 を発足しました。以来、各種制度の見直しや拡充を積極的に実施し、短時間勤務社員の出勤時間枠の拡大や、様々なライフイベントを事由に退職した従業員を対象としたカムバック制度(再雇用制度)の新設など、多様な働き方を通して従業員自身のライフスタイルの幅を広げられるような取組をしております。お客様へより良いライフスタイル提案をしていくには、従業員自身がプライベートな時間を豊かにすることで得られる経験や体験をし、それらを仕事に活かせる、プロの生活者であることが重要です。

今後も仕事と家庭生活の両立支援やライフステージの変化に応じたキャリア形成・育成に取り組み、全ての社員が働きがいを持ち、仕事もプライベートもしっかり楽しむことのできる企業を目指していきます。


髙島 郁夫
株式会社Francfranc 代表取締役
社長執行役員

※2017年9月1日に株式会社バルスから株式会社Francfrancに社名変更致しました。


育児休業中社員座談会の様子


本社の子育てをしながら働く女性社員交流会の様子

社会に貢献し、ともに前進するKPMGであるために

KPMG ジャパンは、「社会に信頼を、変革に力を―Inspire Confidence, Empower Change.」を理念に掲げています。企業が直面している複雑化する課題解決に貢献できる力や、多様な専門性を備えた人材はKPMGの価値の源泉であり、ダイバーシティの重要性はますます高まっています。女性活躍推進においては、「2020年までにパートナーの女性比率10%、管理職の女性比率15%」という目標値を設け、女性職員のキャリア支援研修やメンタリング制度の拡充、管理職向けのダイバーシティ・マネジメント研修を継続的に実施しています。また、時間短縮勤務などを選択できる「フレキシブル・ワーク・プログラム」に加え、「在宅勤務制度」を導入するなど、女性が自ら能力開発の機会を得るための活動と、働き方の柔軟性を高めるための人事施策の両面から取り組んできた結果、活躍する女性リーダーは確実に増えてきています。最近では、女性職員の発案により、企業の経理・財務に従事する管理職候補の方々を対象に、『財務経理女性リーダー育成セミナー』を定期的に開催し、我々の専門性を生かしたプロボノ活動の一翼を担っています。

ダイバーシティ推進の第一歩として設立した女性職員によるネットワーク「Working Women’s Network」は、今年で10周年を迎えました。振り返ると、我々を取り巻く環境も、働く人々の事情やニーズも、この10年で大きな変遷を遂げてきました。今後も一人ひとりの個性と能力を伸ばす人材育成と環境整備に力を入れ、KPMG自身が変革し続ける組織となり、常に選ばれる存在であり続けたいと思います。


高橋 勉
KPMG ジャパン
チェアマン


WWN(Working Women’s Network)活動の様子


女性職員向けキャリア研修の様子

女性が活躍できる企業風土と生きがいを持てる職場づくりを

ヒューリック株式会社は不動産業である為、私が11年半前に社長に就任して以来、人口問題については常に考えてきました。労働人口の減少は間違いのない事実である為、それをカバーするのは女性に働いて頂く以外にはないということです。女性は出産と体力的な問題以外は男性と全く同じでありますから、当社では仕事に関しては職系を一つにし、男女差別なく仕事をしてもらっています。出産に関しては、社内に保育所を設置した他、普通休暇と別に年間10日間の休暇を取得できます。こちらは回数上限なしで半日休暇とすることも可能です。その他、ベビーシッターの補助等、女性から出てきた要望にはほぼ100%応えています。また、出産・育児休暇を取得して職場に復帰し、1年間の業務を見て従来と変化が無ければ、ポジティブアクションで本来の昇給年次に戻すことにしました。

当社は新入社員の採用を9年前から行っていますが、ほぼ50%は女性を採用しています。ある年度では女性5人・男性2人ということもありました。また、当社本体の社員数は160人程度ですが、その4分の1にあたる約40人が女性です。内17人は結婚しており、内13人にはお子様がいます。結婚・出産を理由とした離職者はいません。当社の女性は、弁護士、公認会計士、一級建築士、不動産鑑定士、秘書検定一級等プロの人財が多く、会社でも資格取得の支援を積極的に行っています。これからも女性が活躍できる企業風土と生きがいを持てる職場を作っていきたいと思います。


西浦 三郎
ヒューリック株式会社
代表取締役会長


本社ビル5階に誕生した事業所内保育所(近隣の方々にも一部開放)


女性活躍推進プロジェクトチームのメンバーによる定例ミーティングの様子

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