「共同参画」2017年9月号

行政施策トピックス2

いわて男女共同参画フェスティバル2017・復興庁男女共同参画班主催分科会「『まちづくり』への女性の関わり方について」
復興庁男女共同参画

【はじめに】

平成29年6月17日(土)、いわて県民情報交流センター(アイーナ)において、いわて男女共同参画フェスティバル2017が開催されました。復興庁男女共同参画班では、本イベントにおける分科会を主催し、「『まちづくり』への女性の関わり方について」と題して、男女共同参画に関心のあるフェスティバルの参加者に、市町村における自治会単位(具体的には20~50軒程度の地区を想定。)での「まちづくり」に女性の意見を反映させるため、その手段として自治会の役員などに女性を増やすにはどのようにしたらよいのかをみんなで考えてもらい、「まちづくり」に、男女共同参画の視点が反映されるようなきっかけづくりを行うことを目的に開催しました。

【事例発表】

特定非営利活動法人いわて地域づくり支援センターの若菜千穂常務理事兼事務局長のコーディネートのもと、宮城県岩沼市の玉浦西まちづくり住民協議会の中川勝義会長と斎藤洋子委員、宮城県東松島市のサークル「コロッケ」(町内の各種女性リーダーが集まり、男女共同参画を町民にどのように啓発したらよいかを考え寸劇の実施等をしており、さらに、自治会長、自主防災組織及び区長などと連携し、地域づくりにも参画して、地元からの信頼を得て活動している男女共同参画推進団体)の渡邊和恵事務局長から、

  • 自治会単位での「まちづくり」について、どのような課題があり、それをどのように解決していったのか。
  • 現在どのような課題を抱えているのか。

について、事例発表していただきました。

中川会長からは、

  • 岩沼市では、震災に伴う集団移転先である玉浦西地区のまちづくりについて、沿岸部の被災6地区からそれぞれ、地区の地区長、若者代表、女性代表の三人一組の住民代表が集う「玉浦西地区まちづくり検討委員会」を設置し、まちづくりの専門家の意見を交えながら、行政主導ではなく、住民主体のまちづくりを実施してきたこと。
  • 自治会活動での行事などにおける女性の力の必要性など

を中心にお話いただきました。

斎藤委員からは、

  • これまで地区に貢献していなかったので、話を聞くぐらいはと思い参加したが、地区の意見を代弁することが求められ、次第に積極的に関わるようになったという委員を引き受けた経緯や検討会での活動の様子を始め、検討会で方針が決定するまでの、住まいの地区での話合いと検討会での話合いの往復による情報共有・意見表明の苦労
  • 地区の中のどこに住むかについて、実際に住む人の人間関係まで考えた上で決定したことや、委員をやることへの家族の理解、協力や応援など

についてお話がありました。

渡邊事務局長からは、

  • 女性は社会的弱者の代弁者になることができるので、地域で積極的に発信を行っていく必要があること
  • 活動を認めてもらうこと、意見を取り入れてもらうためには、普段から地域の行事に参加して、信頼を得ることが地域活動において大切であること
  • 具体的にサークルコロッケの仲間の話を用いて、男女が認め合い、支え合い、補い合う社会の実現を目指して日々活動していること

についてお話しいただきました。

渡邊事務局長が兼務されている赤井市民センター(赤井地区は、東松島市の中の8つの地区の一つ)での活動の話では、

  • 子どもは固定観念がなく柔軟なため、積極的にまちづくりに参画してもらっていること
  • 地域の素材を生かしたり、地域の方に先生になってもらい、地区自治会でも行えるような難しくないことを実施することが、地域活動を盛り上げ、継続していくためには重要である

という話がありました。


事例発表

【班での話合い】

次に班ごとに、事例発表者やコーディネーターにする質問や意見を一つ絞っていただきました。これにより、女性がまちづくりに参画することについて、本質的に重要なことは何か、班内で意見を出し合い、話し合うことにより、他の方の考えを知り、再認識や新たな気付きを得ていただきました。


班での話合いの様子

【全体での話合い】

全体での話合いでは、班での話合いで1つに絞った質問を、各班から質問し、コーディネーターが整理した上で、事例発表者若しくはコーディネーターから回答をしました。

各班からは、

  • 岩沼市のまちづくりの方針がどのような過程で形成されたのか
  • 自治会等に女性役員の数を増やすためには具体的にどうしたらよいか

などの質問がでました。

岩沼市のまちづくりの方針の形成過程については、中川会長から、「まずは住まいの地区で話し合い、そこでの意見を検討会に上げて議論し、一度で決まらない場合は、検討会から住まいの地区に持ち帰り再度話し合った。住まいの地区の話合いには、家庭から一人参加し、住まいの地区の話合いに合わせて、各家庭では家族会議が行われていた」との回答がありました。

自治会等に女性役員の数を増やすためには具体的な取組としては、若菜コーディネーターから、「自治会の役員だけでなく、町の組織を部会制にし、参加したい人が積極的に入れるような仕組みにすると、女性は参加しやすい」という話がありました。


コーディネーターによる質問の整理


【終わりに】

若菜コーディネーターから全体のまとめをしていただき、復興庁から閉会挨拶の後、参加者にアンケートを記入していただきました。余った時間では、参加者と発表者・コーディネーター等で自由に交流を行いました。

アンケートからは、本分科会に参加して「とても参考になった」「参考になった」という声が9割以上を占め、参加者が大変満足いただけた分科会という結果が得られました。

特に班での話合いについては、女性がまちづくりに参画することの重要性などについて、再認識や新たな気付きが「大いにあった」「あった」という意見が約9割でした。具体的な回答としては、

  • やはり女性のパワーがすごい。早い時間に皆が立ち直ったのがすごい。
  • 町には男女が半分ずつ居るわけなのだから、女性が入らない方がおかしい。女性が多く関わったら、高齢者や子どもたちの意見を代弁できる。

などの意見がありました。

本分科会の議事録や資料については、追って復興庁HPに掲載しますので御覧ください。(http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-16/20170801144828.html

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