「共同参画」2017年8月号

特集2

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、女性のチャレンジ賞、男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰
内閣府男女共同参画局総務課

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰は、多年にわたり男女共同参画社会に向けた機運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などを内閣総理大臣から表彰するものです。

安倍内閣総理大臣及び加藤内閣府特命担当大臣と受賞者の皆様による記念撮影の様子

平成29年6月21日、総理大臣官邸において、安倍内閣総理大臣、加藤内閣府特命担当大臣(男女共同参画)出席のもと、男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、女性のチャレンジ賞、男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰の表彰式が行われました。

本年度の受賞者は以下の皆様です。(50音順・敬称略)

<男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰受賞者>


岩田 喜美枝
公益財団法人21世紀職業財団会長
(東京都)

内閣府に置かれる重要施策に関する会議である男女共同参画会議の有識者議員を10年間務め、男女共同参画社会の形成の推進に尽力した。



鹿嶋 敬
一般財団法人女性労働協会会長
(千葉県)

内閣府に置かれる重要施策に関する会議である男女共同参画会議の有識者議員を11年間務め、男女共同参画社会の形成の推進に尽力した。



田間 泰子
公立大学法人大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科教授
(大阪府)

大阪府男女共同参画審議会委員を6年間務めるとともに、大阪府立大学において大阪府受託調査の実施など女性研究者支援に関わる諸活動の取組みを行った。また、河内長野市及び貝塚市の男女共同参画審議会委員並びに東大阪市男女共同参画審議会委員長を務めると共に、大阪府立大学女性学研究センターにおいて堺市男女共同参画プラン改定に係る業務の受託を行った。



中村 明美
認定NPO法人ウイメンズハウスとちぎ理事長
(栃木県)

平成8年に「ウイメンズハウスとちぎ」を設立、民間シェルターを設置し、20年以上にわたりDV被害者の支援に尽力してきた。また、栃木県婦人相談所による緊急一時保護の対象とならない被害者について、シェルターで保護し、地域の中で自立できるようになるまで支援を続けるなど、きめ細かな支援を行っている。



林 陽子
元岐阜県男女共同参画二十一世紀審議会会長
(岐阜県)

岐阜県男女共同参画二十一世紀審議会委員に平成20年に就任し、第2次岐阜県男女共同参画計画の策定に携わった他、平成22年からは同審議会の会長として第3次岐阜県男女共同参画計画の策定を指揮した。また、飛騨市をはじめ県内の市における審議会委員を務め、男女共同参画行政に貢献した。



松田 洋子
山口県人権擁護委員連合会人権擁護委員
(山口県)

平成15年から人権擁護委員として活動し、日々、人権に関する様々な相談に対応している。また、DV、セクシャル・ハラスメント等に対する女性の人権意識の向上を図るための積極的な活動を展開、中高生や企業、官公庁職員、一般市民を対象とした研修や講演会等にも取り組み、男女共同参画推進に貢献した。



松本 周子
全国婦人相談員連絡協議会会長
(熊本県)

昭和63年から現在に至るまで熊本県水俣市福祉事務所で婦人相談員を務めている。熊本県婦人相談員連絡協議会会長を13年間務めたあと全国婦人相談員連絡協議会会長に就任。行政機関の委員就任をはじめ、DV被害者支援などに積極的に取り組み、女性の社会的地位の向上や福祉の増進に貢献した。



水野 加余子
京都女性スポーツの会会長
(京都府)

平成元年に発足した「京都女性スポーツの会」副会長・会長(会長は平成11年より)として女性のスポーツ参加拡大に貢献するとともに、日本女子テニス連盟京都支部長として女子テニスの競技力向上や競技団体の発展に尽力し、また、同連盟ピンクリボン委員長として乳がんの撲滅を目指す等、幅広い活動を行っている。



山﨑 冨美惠
元JA福井県女性組織協議会会長
(福井県)

JA福井県女性協議会会長として女性のJA運営への参加促進に注力するとともに県内JA女性部の横の連携を促進した。また、坂井市男女共同参画推進審議会副会長を務め、坂井市男女共同参画推進計画の策定に関わるとともに、さかい男女共同参画ネットワーク会長等を歴任し市町村合併による坂井市誕生後の組織の一本化に貢献した。



渡邊 弘子
富士電子工業株式会社代表取締役社長
(大阪府)

女性社員の割合の低い素形材産業の業界において、男女に差がないことを行動で示すと共に、社長就任後柔軟な勤務体制の構築や女子トイレ等の設置など環境整備に取り組んだ。また、日本の製造業の発展のための女性経営者の会「ものづくりなでしこ」の代表幹事を務め、男性中心傾向にあったものづくり産業における女性の活躍に寄与した。


<女性のチャレンジ賞>

(1)女性のチャレンジ賞 4件


佐藤 可奈子
雪の日舎 代表
(新潟県)

新潟県中越地震の復興支援の目的で訪れた、新潟県十日町市池谷集落(当時住民が6軒13人のいわゆる「限界集落」と呼ばれる地域)に移住し、「山清水米(やましみずまい)」やさつまいもなど、地元の特産品の6次産業化に取り組んでいます。

また、農業体験で集落を訪れている東京のデザイナーとコラボして、農業に従事する女性の声を反映させた農作業着「NORAGI」を開発し、WEBショップで販売しているほか、「地方に住む女子が伝えるライフスタイルフリーマガジン『ChuClu(ちゅくる)』」の発刊、十日町市・津南町の若手農家で結成した「十日町・津南ファーマーズ『ちゃーはん』」によるムック本「feel field」の販売など、農業や里山の文化を未来へ繋げる活動を精力的に行っています。

また、平成26年には唯一の女性委員として十日町市農業委員に就任、平成28年からは新潟県農林水産審議会の委員も務めています。



武村 幸奈
株式会社はたけのみかた代表取締役
(滋賀県)

学生時代、農薬や化学肥料に頼らない農家の価値と苦労に触れ、野菜市の開催、農家を紹介するハンドブックの作成など、地域の人と農家をつなぐ活動を展開しています。

仕事が忙しく手作りするのは難しいものの、素材や味にこだわった離乳食を求める子育て世代の悩みを解決するため、ベビーフード事業に着想しました。2014年に株式会社「はたけのみかた」を設立。美味しい野菜を作っても規格外の野菜が生じやすく販路開拓にも課題の残る農家と、子育て世代とを結びつけるビジネスモデルとして、農薬・化学肥料に頼らない滋賀県産の野菜を使用した安心・安全な無添加ベビーフード「manma 四季の離乳食」の製造・販売を行っています。

今後は、消費者と生産者のつながりをさらに強化し、農業のさらなる発展と子育て環境の充実をめざしています。

ベビーフードを頬張るこども



藤田 尊子
株式会社基陽代表取締役
(兵庫県)

職人の転落・滑落事故を減らしたいという願いから、安全帯の開発を開始しました。男性が9割を超える業界においても、使いやすさと頑丈さに加え、高いデザイン性を備えた「じゃばら式安全帯」は多くのユーザーから人気を博しました。安全はまず安全への意識からという理念のもと、ファッション性を高めることで、安全性・機能性も向上するという相乗効果を生み出し、建設現場用具業界において「格好の良い安全保護具」というカテゴリを確立するに至りました。大学と連携して開発した世界初の「雪下ろし専用安全帯」など、地域の特色に沿った商品販売も行っています。

また、使いやすさから職人のみならず一般ユーザーにも受け入れられ、ホームセンターへの進出など新たな展開先を創出しています。



特定非営利活動法人マドレボニータ
(東京都)

産後うつなど産後ケアが話題になることの少なかった平成10年より「産後うつ・乳児虐待・産後のカップルの不和」などに代表される出産後の女性の心身のヘルスケアについて、プログラムの開発・研究・普及に取り組み続けています。

産後ケアの重要性に関しての啓発活動を行うとともに、個人のみならず、東証一部上場の大手企業を始めとする企業に対しても、産後の心身のリハビリプログラムの提供を行っています。平成27年以降は、企業が社員の産育休中からの復職支援施策として取り入れることができるプログラムを開発し、提供しています。

リハビリの様子

(2)女性のチャレンジ支援賞 1件


日本女子大学リカレント教育課程
(東京都)

平成19年度より、大学卒業後に就職し、育児や進路変更などで離職をした女性を対象に、1年間(2学期)のキャリア教育を通して、技能・知識と働く自信・責任感を養い、再就職を支援するプログラムとして開設されました。今年度までに136大学出身者が入学しています。

ビジネス性に特化した独自の科目群を提供しており、働く自覚と自信・社会性・責任感・コミュニケーション能力(各自のエンプロイアビリティ)を再開発する「キャリアマネジメント」を核として、グローバル化に対応できるよう英語、ITリテラシーを必須科目としています。

また、課程独自の求人Webサイトの運営や独自の合同会社説明会、ハローワークとの連携など、再就職支援のための学びのみならず、就職まで確実に繋げる取組を行っており、プログラム修了者の再就職率は非常に高くなっています。

リカレント教育課程の様子


(3)女性のチャレンジ賞特別部門賞
「女性の職場における活躍促進のための、企業の枠を超えた取組」 2件


国立大学法人 滋賀医科大学
男女共同参画推進室
(滋賀県)

24時間保育・病児保育など保育サービスの充実、相談室・授乳室の設置、育児・介護中の女性教員への研究支援員の配置など、女性研究者のチャレンジを支援する取組を行っています。このような取組により、女性医師等の在職比率の向上・離職率の低下といった効果を上げることで、ひいては県内の他の病院への医師派遣の増加に繋がっています。

「女性医師支援のためのスキルズアッププログラム」という独自制度では、一度離職した女性医師を滋賀医科大学医学部附属病院の診療登録医として採用し、月24時間以内の勤務でライフイベントと両立させながら医療技術の維持・向上を目指し、キャリアを断絶させることなく、現場復帰に繋げられるようにしています。復職後は、大学附属病院以外の病院への就職支援も行うなど、1病院に留まらず医師の確保を可能とする仕組みを構築しています。

女性医師支援プログラムの様子



埼玉中小企業家同友会
女性経営者クラブ・ファム
(埼玉県)

埼玉県の女性経営者・起業家が集まり、育児や介護等による離職やキャリアの断絶が多くみられる傾向にある女性が自己実現できる働き方を実現するために、経営者としてどのように取り組むべきか、情報交換を行っています。また、各種団体や経営者に対し、企業内保育の重要性や女性の能力を引き出し育てるヒントなどをテーマにセミナー・シンポジウムの開催による啓発活動に取り組んできており、特に男性経営者への啓発に大きく寄与しています。

<男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰>


土橋 義広
(埼玉県)

「女性も男性も、自らの意思により個性と能力を発揮して活躍できる職場を作るためのキャッチフレーズ」を募集し、応募総数3,050点の中から、審査の結果、土橋義広さんの作品「男で○(まる)、女で○(まる)、共同作業で◎(にじゅうまる)。」を最優秀作品に決定し、加藤大臣から表彰しました。

<男女共同参画に関する懇談会>

6月21日、男女共同参画に関する懇談会を中央合同庁舎第8号館1F講堂において開催し、男女共同参画に関する表彰受賞者、男女共同参画に深い見識を持つ方々や各界で活躍する女性など200名あまりにお集まりいただき、意見交換をしました。

懇談会における加藤内閣府特命担当大臣の挨拶

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