「共同参画」2017年6月号

行政施策トピックス2

ダイバーシティ2.0 一歩先の競争戦略へ
経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室

我が国の経済成長のためには、女性、外国人、高齢者、チャレンジド(障がい者)など、多様な人材が能力を最大限発揮し、企業の価値創造に参画していくことが必要です。経済産業省では、多様な人材が活躍する企業を後押しするために、次のような取組を実施しています。

1.新・ダイバーシティ経営企業100選

平成24年度より、多様な人材の能力を活かして、イノベーションの創出、生産性向上等の成果を上げている企業を表彰してきました。

平成28年度は、122社の応募の中から31社(大企業13社、中小企業18社)を表彰しました。(表1)表彰された企業のうち、中小企業数が大企業数を上回っており、徐々に中小企業にもダイバーシティ経営のすそ野が拡大しています。また、ITを活用した働き方改革により、多様な人材の活躍に繋げている事例が多く見られました。

ダイバーシティ経営企業100選2017ロゴ

表1 平成28年度 新・ダイバーシティ経営企業100選

2.なでしこ銘柄

平成24年度より、東京証券取引所と共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を「中長期の成長力」のある優良銘柄として投資家に紹介することで、各社の取組の加速化を図っています。

平成28年度は、47社を選定し(表2)、新たな取組として、企業の将来的な成長を期待し、「なでしこ銘柄」に準ずる企業(「準なでしこ」)を選定するとともに、ベストプラクティスの共有のために、先進的な取組を実施する企業を「注目企業」として選出しました。

なでしこ銘柄2017ロゴ


表2 平成28年度 なでしこ銘柄(業種順、業種内では銘柄コード順)

3.ダイバーシティ経営戦略MeetUP!

平成28年度から、新たな取組として、ダイバーシティ経営に取り組む企業のすそ野拡大に向け、過去の表彰企業の取組等を紹介するMeetUP!(ミートアップ(※))を全国19箇所で開催しました。

参加者からは、「地元の先進企業の話をもっと聞きたい。」という声があり、身近なロールモデルへの期待が一層高まっています。

(※) 異なる立場の人材が同じ目的で一時的に集まり、集中した情報体験を経て、各自の所属元に同質の活動や熱気を持ち帰るセッション。

ダイバーシティ経営戦略MeetUPロゴ


4.ダイバーシティ2.0行動ガイドラインの公表

昨年8月に「競争戦略としてのダイバーシティ経営(ダイバーシティ2.0)の在り方に関する検討会」を立ち上げ、今年3月に、企業が取るべき実践方法として「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を公表しました。(図1)

ガイドラインでは、ダイバーシティ経営の経営戦略への組み込みや、外部のステークホルダー(資本市場や労働市場)への効果的な情報開示の方法等を体系的に整理しています。

現下の環境変化において、経営改革として人材戦略の変革が不可欠であり、その柱としてダイバーシティの実現が求められています。変革は、一朝一夕では実現できず、長期的に粘り強く取り組んでいく必要があります。経済産業省でも、MeetUP!を含め、より一層、ダイバーシティ経営の普及・啓発を推進していきます。

図1 ダイバーシティ2.0行動ガイドライン 実践のための7つのアクション

5.新たな表彰制度の創設

今年度は、「ダイバーシティ2.0」の概念のもと、更に一歩進んだダイバーシティ経営を表彰する新たな表彰制度を検討しています。

詳細は、本年夏頃に公表予定ですので、過去に本表彰制度を受賞された企業の皆様を含め、ぜひ応募を御検討ください。

【参考URL】

○新・ダイバーシティ経営企業100選 (過去の表彰企業の取組事例、MeetUP!開催状況等を御覧いただけます)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/

○なでしこ銘柄
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/nadeshiko.html

○ダイバーシティ2.0行動ガイドライン
http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/20170323001.html

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