「共同参画」2017年3・4月号

取組事例ファイル/団体編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言には、現在140名を超える男性リーダーが賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

企業価値向上を実現するダイバーシティ

アサヒグループは、新たなイノベーションの創出とグローバル化により、更なる企業価値の向上を目指しています。その役割を担うのは“人”であり、多種多様な人材が組織に存在し、新たな価値を創出していく「ダイバーシティ」が非常に重要だと考えています。とりわけ、女性の更なる活躍には大きな期待をしています。そのためにも、性別などに関係なく社員一人ひとりが成長し、個々の能力を最大限に発揮できる環境を作ることが重要です。

このような考え方のもと、当社グループでは、様々な環境に置かれている社員一人ひとりが私生活と仕事の両方を充実できるよう「ワークスタイル変革」や、「在宅勤務・フレックス制度などの各種制度の導入」、「女性リーダー育成プログラムの実施」、「社内ワーキングマザー交流会の開催」に加えて、男性管理職やリーダー向けの意識改革研修などに取り組んできました。そして、これらの取組と人事配置などを連動させることで、社内で活躍する女性リーダーが確実に増えてきました。本年3月には、国内グループ会社で2名の女性社長が誕生する予定です。

しかしながら、当社グループにおける女性活躍推進に向けた取組は、未だ発展途上です。今後、例えば次世代を担う若手女性リーダーの育成や、グローバルレベルで活躍する女性社員の登用等も必要となります。当社は、女性が活躍できる企業風土の醸成や人材育成などを充実させ、更なる発展を目指していきます。


泉谷 直木
アサヒグループホールディングス株式会社
代表取締役会長 兼 CEO


「ワーキングマザー交流会」の様子


「女性リーダー研修」の様子

価値創造の源泉としての女性活躍推進

「不確実性」と言う言葉が新聞の紙面をにぎわせていますが、時代を見る目こそが経営です。価値の変化・多様化をチャンスにする必要があります。

欧米ではフレキシタリアンと呼ばれる人たちが増加しています。完全なベジタリアンではないけれど、肉を食べなくても良いというflexible Vegetarianを指します。ミレニアル(1980年以降生まれ)と呼ばれる若者世代が中心だといわれています。

食品製造業である当社が事業を通じ社会に貢献し続けるためには、社会の変化を掴むことが重要です。そのためには、女性の感性が欠かせません。

当社は大豆事業を50年以上行っており、最近では洋菓子や外食市場に対して、フレキシタリアン等のトレンドを捉えた新しい豆乳スイーツを提案しています。その企画から販売まで、多くの局面で女性社員が力を発揮しています。当社にとって女性活躍は価値創造の源泉です。

女性が能力を発揮できる環境を整備するための取組として、女性社員が活きたキャリアを構築できるよう(1)配偶者・上司を交えた育休復帰フォローアップセミナー及び若手女性社員向けキャリアセミナーの開催、(2)育児・介護サービスの利用に対する費用補助、(3)保育活動の支援、(4)男性の育休取得の促進、(5)テレワークの推進等を実施しています。

ダイバーシティは当社の経営の基本的概念です。おいしさと健康で社会に貢献し続ける会社であるために、女性が真に輝ける会社への変革を加速していきます。


清水 洋史
不二製油グループ本社株式会社
代表取締役社長


海外にて豆乳素材のプレゼンテーションを行う女性社員


「育児復帰フォローアップセミナー」の様子

女性活躍は採用と職域拡大の両輪で

JR東日本では、多様な社員が安心して活躍できることが、会社の持続的成長につながると考え、女性の活躍を「ダイバーシティの試金石」と位置づけ、経営の方針としています。

当社は社員の9割が男性であり、女性が活躍できる職場風土は、男性も働きやすい職場であると考え、トップダウンで女性社員の採用(新卒採用の20%以上)と職域拡大に取り組んできました。今では、駅・乗務員だけでなく、線路や車両のメンテナンス職場においても女性が活躍し、管理者としての職務を担う社員も多くなってきました。こうした成果を受け、2016年度より新卒採用に占める女性比率を30%に引き上げています。

風土を醸成するため、制度整備やダイバーシティ広報によるメッセージ発信に加え、立場や経験の異なる社員が自由闊達に議論する場として、社内ポータルサイトに、社員間の双方向コミュニケーション「ダイバーシティ・コミュ」を開設するなど、多様な社員が働き方や働きがいなどを話し合う草の根活動として、「ワラプロ・ネットワーク」活動を展開しています。

当社は、公を支える民間企業であるからこそ、社員の他人を思いやる心が大事です。2011年から始めた、困っている方がいらしたら積極的に声をかける「声かけ・サポート運動」も、お客さまとともに推進する運動になっています。

社員一人ひとりのキャリアについては、昨日より今日、今日よりも明日、より良くなるよう能動的に行動できる社員を育成していきたいと考えています。


清野 智
東日本旅客鉄道株式会社
取締役会長


メンテナンス職場で活躍する女性社員


「両立支援セミナー」の様子

「個の尊重」の実現に向けて

リクルートグループの経営理念は、「新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現」です。その実現に向けた私たちの役割はイノベーションを創出し続けることであり、経営理念の1つである「個の尊重」、まずは男女の性差なく従業員一人ひとりが能力を余すことなく発揮できることが、イノベーションの創出に重要であると考えています。

2006年から、従業員の4割以上を占める女性社員の活躍推進を目的として、様々なダイバーシティ推進の活動を進めてきました。特に重要テーマである“女性の活躍支援”の取組として、2010年から継続して女性経営者育成プログラム「Women’s Leadership Program」、28歳前後の女性社員向けキャリアイベント「Career Cafe 28」等を実施してきました。また、女性の意識変革に加え、上司の意識変革も必要であると考え、2015年から管理職を対象にした「Career Cafe 28 BOSS」の研修を新たに実施するなど、女性の活躍支援を更に加速させています。2015年以降は、男女関わらず個の更なる成長と、それによる新しい価値の創造を目指し、全従業員を対象としたリモートワークの導入(※)、サテライトオフィス、フリーアドレスなど本格的なワークスタイルイノベーションにも着手しています。

(※)導入企業:リクルートホールディングス、リクルートアドミニストレーション、リクルートマーケティングパートナーズ、リクルート住まいカンパニー、リクルートコミュニケーションズ

イノベーションによる新しい価値の創造を実現していくためにも、これからも従業員一人ひとりの意志と可能性に期待しお互いを尊重し合い、その持てるエネルギーが最大限発揮されるよう支援していきます。


峰岸 真澄
株式会社リクルートホールディングス
代表取締役社長 兼 CEO


女性経営者育成プログラム「Women’s Leadership Program」にて、役員を前にプレゼンテーションする参加者


上司の意識変革を目的に実施した「Career Cafe 28 BOSS」の様子

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