「共同参画」2017年2月号

取組事例ファイル/団体編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

一昨年「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在130名を超える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

ダイバーシティ推進で、創造と革新を生み出す組織風土を醸成する

IHIがダイバーシティ推進に取り組む目的は、多様な個性・価値観を有する一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮できる職場をつくることで、多様な考え方を結びつけ、創造と革新を生み出す組織風土を醸成することにあります。

とりわけ、優秀な女性の積極的な採用・能力開発と入社後に活躍できる環境の整備は、IHIグループが持続的に成長していくために重要な課題です。そのため、当社では2013年度より、女性の活躍に関する各種の数値目標を設定し、諸施策に取り組んでいます。2016年6月には、2020年度までに女性管理職比率を3.5%(2013年度比で2倍超)とする新たな数値目標を設定しました。

目標達成には、女性従業員自身のキャリア意識の向上と、男性従業員の意識改革が重要であると考えています。このため、若手女性管理職がリーダーとなり、女性従業員のネットワークづくりや動機付けを行う「ネットワークリーダー活動」や、女性管理職とその上司を対象とした講演会を実施しています。また、人事部による女性管理職や管理職候補者の上司への面談を通じて、上司自身の女性活躍推進に対する意識向上を図るとともに、上司から女性部下へのキャリアアップの動機づけを促しています。さらに、2015年度から取組を始めた「ダイバーシティ推進月間」において、2016年度は男性従業員に育休取得を勧めるリーフレットの配布などを行いました。

今後とも、IHIグループ従業員一人ひとりの価値観の多様性をつなぎ、イノベーションを巻き起こせるよう、ダイバーシティを推進していきたいと思います。


斎藤 保
株式会社IHI
代表取締役会長(兼)最高経営責任者


本社でのネットワークリーダー活動の様子


男性従業員に育休取得を勧めるリーフレット

お客様やステークホルダーに選ばれる良い会社“Good Company”を目指して

東京海上グループは、多様な価値観を持ち、意欲と能力のある社員が性別、年齢、国籍等に関わらず能力を最大限発揮していくことで、世界中のお客様に提供する商品、サービスの品質を高めていくことを目指しています。そのために、女性社員が自律的にキャリアを構築し、より広いフィールドで活躍できるよう、さまざまな機会やチャレンジの場を提供しています。

例えば、国内グループ各社合同で、職種や働く環境が異なる女性社員を対象に、「女性の活躍推進研修」を開催しています。参加者が多様な価値観や考え方に触れることで、自らのキャリアについて考え、気付きを得る場となっています。また、グループの中核となる東京海上日動では、「期待して」「鍛えて」「活躍する機会と場を提供する」という「3つのK」を育てる側の基本姿勢とし、個々人のキャリアビジョンをふまえた役割の付与と年間を通じたOJT、部門を越えた人事異動や選抜制研修の実施等、本人の意欲と能力に応じて更なる活躍が可能な環境を整えています。

今後も取組を加速し、会社や組織のあらゆる意思決定の場に、女性が当たり前に参画している状態を目指していきます。人材の多様性を生かすことを経営戦略の根幹に据え、すべてのステークホルダーから信頼される良い会社“Good Company”を目指し、これからもグループ一丸となって挑戦を続けていきます。


永野 毅
東京海上ホールディングス株式会社
取締役社長 グループCEO


東京海上グループ合同「女性の活躍推進研修」の様子


仕事と育児を両立し活躍する女性営業社員

女性自ら変革の“核”となり、全社のダイバーシティ推進を牽引

サントリーホールディングスでは、多様な価値観や発想を受け入れ、活かすことにより、大きな価値を創出する「ダイバーシティ経営の推進」を経営方針に掲げています。女性活躍の領域では、“女性が働きやすく、かつ成果をあげている会社”を実現するため、「2025年までに女性管理職比率20%」という数値目標を設け、育児中社員のフルモード化支援や、女性の意識向上など様々な取組を加速させています。

女性自身から「自分が活躍することで、後進のロールモデルとなっていきたい」などと前向きな声も聞こえるようになり、考動変化が現れ始めています。女性自らが変革の“核”となり、全社を牽引してもらうような流れを継続していきたいと考えています。

女性マネジャー有志で結成される「女性マネジャー・ネットワーキング幹事会」では、自らの自己研鑽・ネットワーク強化を図り、女性の更なる活躍やサントリーグループの成長に貢献する活動を主体的に企画・運営しています。

また、更なる後押しが必要な営業部門では、同じ課題意識をもつ異業種他社と連携し、「新世代エイジョカレッジ」という異業種合同プロジェクトを実施しています。2016年は「労働生産性向上」をテーマに、エイジョ(営業女性)自らが経営層に課題解決に向けた提言を行いました。

多様な従業員一人ひとりが、創業精神である“やってみなはれ”を発揮し、イキイキと活躍できる組織づくりを目指して、今後もダイバーシティを推進していきます。


新浪 剛史
サントリーホールディングス株式会社
代表取締役社長


リーダークラスの女性たちに講演する女性マネジャー


「エイジョカレッジ」の様子

ダイバーシティで、ヨロコビを

マルハンでは、ダイバーシティ推進・女性活躍推進を経営課題として捉え、2015年7月より全社共通方針として「ダイバーシティで、ヨロコビを」を社内外に発信し、(1)女性活躍推進、(2)働く環境の整備、(3)ダイバーシティの全社浸透、という3つの指針を中心に取組を推進しています。それは、多様な社会(ニーズ)へ対応し、縮小傾向にある業界において新たなイノベーションを創造していくためです。

まず、女性活躍推進は「2020年女性役職者比率5%」という目標数値を明確に示し、各種制度の整備のみならず、女性の主体性を引き出す「女性役職者創出研修」の実施や、女性自らが中心となり活躍出来るチームの組成等を行っております。取組を実施するに当たり、幹部全員を対象とした5時間以上にも及ぶ「ダイバーシティ推進上司力UP研修」を実施し、幹部自身がダイバーシティの必要性を考える機会を設けることが出来たことも、推進に寄与していると感じています。

働く環境の整備に関しては、2016年より「働き方改革」をメインテーマとして掲げています。自らの働き方に疑問を持ち、それぞれが協力し合い相乗効果を発揮できるチームとしての働き方を生み出すために、ダイバーシティフォーラムの開催、働き方改革推進プログラムの開発、ならび全国展開に向けたトライアルチームの運用等を行っています。

今後も、経営理念である「人生にヨロコビを」に添い、幸せで希望に満ちた明るく楽しい社会づくりに貢献できるよう、ダイバーシティ推進・女性活躍推進に取り組みます。


韓 裕
株式会社マルハン
代表取締役社長


社内での認知を高めるために親しみやすいロゴを作成


「女性役職者創出研修」の様子

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