「共同参画」2017年1月号

行政施策トピックス2

平成28年度『家族の日フォーラム』開催報告
内閣府子ども・子育て本部

内閣府・三重県主催「家族の日フォーラム」

内閣府では、11月の第3日曜日を「家族の日」、その前後各1週間を「家族の週間」と定め、子育てを支える家族や地域の大切さ等についての理解促進を図っています。本年度は11月20日三重県立みえこどもの城において、家族の日フォーラムを開催しました。

「家族の日」「家族の週間」ロゴマーク

オープニング~表彰式

開会にあたり松阪市立殿町中学校吹奏楽部によるオープニングステージが行われました。

初めに、主催者挨拶として、加藤勝信内閣府特命担当大臣から「このフォーラムが、家族、地域のつながりや子育ての大切さを改めて確認するきっかけとなり、温かな社会が広がっていくことを願っております。」とビデオメッセージによる挨拶があり、続いて、渡邉信一郎三重県副知事が挨拶しました。

その後、「家族や地域の大切さに関する作品コンクール」表彰式が行われ、最優秀賞受賞者に表彰状が手渡されました。


加藤勝信内閣府特命担当大臣のビデオメッセージ


渡邉信一郎三重県副知事の主催者挨拶

トークセッション

続いて、FM三重の西本亜裕子氏を聞き手とし、放送作家の鈴木おさむ氏による「ママと子供に自分ができること」と題したトークセッションが行われました。

鈴木氏の妻は、森三中の大島美幸さん。交際0日で始まった結婚生活から、大島さんが「妊活休業宣言」をするまでの葛藤。妊活を経て、妊娠がわかった時の喜びと不安などについて率直に話されました。中でも、出産後に育児と向き合うために放送作家業を休んだ1年間に感じた大事なこととして以下の3点を挙げました。

(1)子供より妻のアシストにまわる

生まれたての時は、父親にできることは少ないけれど、何ができるかという目で生活を見て、子供の事より妻のアシストにまわることだという考えにいたった。その間、日々成長する子供に向き合うこともできたのは、大きな喜びだった。

(2)母親は、父親に任せる勇気を持つこと

母親が父親の家事や育児は不安だからと自分でやってしまうことが、父親の折角のやる気を削いでしまう。女性側も男性に任せる、チャレンジさせてあげることが大事。

(3)夫婦で都度話し合うこと

夫婦どちらにとっても初めての子育て。家事・育児の具体的な分担や時間割、仕事との両立、あるいは不満・不安など、都度夫婦で話し合うことが大切。


鈴木おさむ氏のトークセッションの様子

パネルディスカッション

続いて、「家族で、地域で みんなで子育て」と題して、コーディネーターに、高田短期大学キャリア育成学科教授の杉浦礼子氏、パネラーには、核家族で夫の仕事が忙しい中、長男を出産し、孤独な子育てをした自身の経験をもとに自分が欲しい支援サービスを立ち上げたNPO法人マザーズライフサポーター代表の伊藤理恵氏、現在1児の父で、地元の魚を使った離乳食の販売事業等を行う一方、昨年企業・団体など地域が一体となって子育て家庭を応援するイベント「子育て応援!わくわくフェスタ」の実行委員長を務めた株式会社ディーグリーン代表の東城氏、そして鈴木おさむ氏も加わりパネルディスカッションが行われました。


パネルディスカッションの様子

テーマ1 家族で支える子育て

「家族で支える子育て」というテーマに対して伊藤氏は、「周囲で短時間の勤務をする女性は、パパに内緒で働く人も。家庭、育児のことを100%できて初めて外に行ってよいという風潮はまだある。一方、家事や育児に参画したいと思うパパもいると思う」と発言し、それに対して鈴木氏は、「女性側もパパの家事・育児を許す心が必要。チャレンジする機会をもらえないと、どんどん遠巻きになっていく。男性側も奥さんが多少嫌がっても参画し、夫婦で話し合いながら正解を出していけるとよい」と意見を述べました。また、「私が一番良かったのは抱っこ教室に一緒に行ったこと。正しいと思った『妻のやり方』が先生にダメ出しされ、いったんフラットになり、二人同じ目線で学ぶことができた」と体験を語りました。

「男性目線から、パパのやる気が出る褒め言葉は?」という問いかけに対し、東氏は「自分が褒められるより、『子供が喜んでいたよ』と言われる方が嬉しい」、鈴木氏は、「子供がなついたり、自分の寝かしつけでも早く寝るようになったりという変化が嬉しい」と、子供の反応や成長がモチベーションになると語りました。

テーマ2 地域で支える子育て

続いて、「地域で支える子育て」というテーマの際に、東氏は、自社で女性スタッフが多く、産休取得者もいるが、小さな町なので新しい人を探すのも大変であり、「産後は復帰してもらいたいが、どうすればよいのか手探り状態」と悩みを挙げ、鈴木氏は、「本人がどのタイミングでどのくらい働きたいのか、また会社としてはどうしてほしいかを、従業員も雇用主も遠慮せず本音で話し合えると良いと思う」と発言しました。

杉浦氏からは、女性が子育てをしながら働く上で大切なのは「職場の理解」や「配偶者の理解」、「短い時間での勤務スタイル」との回答が多いというデータが紹介され、「働きやすさを改善すると、パパやママだけじゃなくてみんなにとっても働きやすい職場になる」と述べました。東氏は、「三重県には子育てを応援する企業・団体で組織された『みえ次世代育成応援ネットワーク』があり、地域の子育てを支えている」と紹介があり、それに対して杉浦氏が「家族の枠を超えて、企業・団体、社会全体で、広く子育てを支援していける社会になるとよい」と応えました。また、「近所の大人から褒められたことがある子供ほど、自分のことが好き」というデータの紹介があり、子供の育ちにとっての地域社会の重要性を述べました。

まとめ

最後のまとめとして東氏は、「地方で子供が少なくなると、子供に対するサービスや情報が減ってしまうのが心配。子育て中の方が『住みたい』と思える街にしていきたい」と述べ、伊藤氏は「パパやママが『ごめんなさい』ではなく、『ありがとう』とたくさん言える社会にしていきたい」と話しました。鈴木氏は、「子育てをどれだけ夫婦で協力できたか、どうやって子供を大人にしていけたのか、二人で頑張った夫婦が、いい老後を過ごしているように思う。」と述べました。杉浦氏が、「子育ての幸せを、社会にもおすそ分けしていただけている。子育てに関わった皆さんが幸せを実感できる社会にしていけるとよい」と締めくくりました。


高田短期大学キャリア育成学科教授 杉浦礼子氏


NPO法人マザーズライフサポーター代表 伊藤理恵氏


放送作家 鈴木おさむ氏


株式会社ディーグリーン代表 東城氏

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