「共同参画」2016年10月号

「共同参画」2016年10月号

行政施策トピックス3

「第10回キッズデザイン賞」男女共同参画担当大臣賞について
内閣府男女共同参画局総務課

キッズデザイン賞の概要

特定非営利活動法人キッズデザイン協議会が主催する「キッズデザイン賞」は、産官学民が“デザイン”の力を通じて生み出した、子供たちのための成果について、社会的・文化的な見地から公正な評価を与え、顕彰する制度です。2007年(平成19年)から始まり、今年で10年目を迎えました。

「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」、「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」、「子どもたちを産み育てやすいデザイン」の3つのデザインミッションから構成され、最も優秀なものに内閣総理大臣賞が、その他各部門の優秀賞として経済産業大臣賞、消費者担当大臣賞、少子化対策担当大臣賞、そして男女共同参画担当大臣賞が授与されます。

昨年新設された男女共同参画担当大臣賞は、「子どもたちを産み育てやすいデザイン」の中で、子育て期の男女が、育児や仕事、地域との交流に積極的に参加するための製品・建築・空間・サービス・研究などの中で最も優れたデザインに贈られます。

今年の受賞デザインの紹介

今回、第10回キッズデザイン賞には、過去最多の503点の応募があり、そのうち297点が受賞作品として「キッズデザインマーク」の使用が認められました。このうち、男女共同参画担当大臣賞に選ばれたのは、凸版印刷株式会社と株式会社芸術造形研究所が共同して実施している「はぐくみプログラム」です。これは、凸版印刷(株)による社内プログラムで、育児休業中の社員の多くが感じる職場復帰に向けての不安や、育児をしながら働く社員が感じる将来への不安の軽減、仕事と育児に関するスキルの共有、職場内における理解促進のための支援施策です。

「はぐくみプログラム」は、「はぐくみアートサロン」、「はぐくみセミナー」、「はぐくみサークル」の3つのプログラムで構成されており、中でも特徴的で、今回の受賞の大きな決め手になったのが「はぐくみアートサロン」です。

「はぐくみアートサロン」は、育児休業中の社員とその子供を対象に、その親子を社内で開催するアート制作教室に参加してもらい、親子でアート作品を創り上げることで親子の絆の醸成を図ります。さらに、その場で会社側から職場の状況などの情報提供が行われます。また、同じく参加した他の親子と交流しながら、職場復帰に向けた前向きな気持ちも醸成しようというものです。

この取組みは東京だけでなく地方支社においても展開されています。

その他、「はぐくみセミナー」、「はぐくみサークル」では、育休中の社員やその上司、育休取得を考えている社員など幅広い層の参画を促し、会社全体で情報共有を行っています。

このプログラムは社内・社員に限定された取組みではありますが、今回の受賞がきっかけとなり、広く周知されることで、他の企業におけるワーク・ライフ・バランスへの取組みにも良い影響が及ぶことが期待されます。


キッズデザインマーク2016


「はぐくみアートサロン」に参加した親子

表彰式

8月29日(月)に六本木ヒルズにおいて表彰式が執り行われ、石原宏高内閣府副大臣が男女共同参画担当大臣賞と少子化対策担当大臣賞のプレゼンターとして登壇しました。表彰式に引き続き、シンポジウムでは受賞企業・団体による発表と対談も行われました。


凸版印刷(株)大久保専務と石原副大臣