「共同参画」2016年10月号

「共同参画」2016年10月号

特集

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言 地域における展開事例
男女共同参画局総務課

平成26年6月、9名の男性リーダーが「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言を策定してから、約2年が経過し、賛同の輪は地域にも拡がっています。今回は都道府県における展開事例を紹介します。

【岡山県の展開事例】

岡山県では、平成26年7月に大森 雅夫岡山市長が行動宣言に賛同され、現在では5名の産官学の男性リーダーが賛同しています。今回は3名の賛同者の方から「地域における女性活躍推進に向けた抱負」をテーマにメッセージをいただきましたので、ご紹介します。

●(株)ストライプインターナショナル 代表取締役社長兼CEO 石川 康晴氏

石川 康晴氏

当社は岡山に本社を置く企業として、銀行など県内の主要な企業や発信力のあるメディアに、「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」への署名を中心とした女性活躍推進について働きかけを行ってきました。今後も継続して、地元企業への働きかけを行っていきたいと考えております。また、女性活躍に積極的に取り組む企業として、他地域の女性活躍シンポジウム等啓蒙活動にも参加し、当社における取組事例や実績の紹介などを発信していくことにより、地域における女性活躍推進にも貢献してまいります。

●岡山市長 大森 雅夫氏

大森 雅夫氏

岡山市では、平成28年4月に経済団体、企業、金融機関、行政、大学、NPO等を構成員とした岡山市女性活躍推進協議会を設置し、さらなる女性活躍の推進に向けて、情報共有を図るとともに、地域での現状や課題をふまえた効果的な取組について協議・検討を行っています。

今後とも、当協議会の活動などを通じて、女性活躍の推進に関する社会全体の意識の醸成を図るとともに、多様な団体との連携によって、地域における推進体制を強化し、実効性のある具体的な取組を進めてまいりたいと考えております。

●国立大学法人岡山大学 学長 森田 潔氏

森田 潔氏

私が本行動宣言に賛同した1つのきっかけは、本年2月に、本学、岡山経済同友会及び岡山県が共同で、「男女共同参画に向けた学生と企業のマッチングシンポジウム」を開催したことです。以前より、本学では構成員が性別に関わらず能力を発揮し、活躍することができる場を築くための取組を推進しておりましたが、産学官が連携して「男女共同参画」を主題としたイベントを開催したのは、全国でも岡山が初めてではないかと思います。

今後も、産学官の連携をこれまで以上に深め、女性の活躍を推進するための地域連携の実現に向け、引き続き努力して参ります。

【岡山県の取組紹介】

岡山県では、本年4月、男女共同参画基本計画「第4次おかやまウィズプラン」をスタートさせるとともに、女性が活躍できる社会の構築の大切さを県民、特に県内企業のトップに訴えるため、伊原木隆太岡山県知事が「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」の行動宣言に賛同を表明しました。

今年度は、女性の活躍推進に向けた企業等の取組を促すための奨励金制度や、子育て中の女性のチャレンジを後押しする事業などに重点的に取り組んでいますが、これからも、さまざまな立場の皆様と力を合わせながら、女性も男性も、誰もがいきいきと暮らせる社会の実現に努めてまいります。

【京都府の展開事例】

京都府では、本年5月、山田啓二知事と門川大作京都市長が共に行動宣言に賛同しました。行政における男性リーダーの賛同を契機に、企業にも賛同の輪が広がっています。京都の賛同者3名に、「地域における女性活躍推進に向けた抱負」を伺いました。


【京都ウィメンズベース開所式】

●京都府知事 山田 啓二氏

山田 啓二氏

京都では、「輝く女性応援京都会議」のもと、女性の活躍の加速化に向け取り組んでいます。8月26日には、行政と経済団体が一体となって運営する女性活躍支援拠点「京都ウィメンズベース」を開設しました。事業主行動計画の策定、人材育成、ワーク・ライフ・バランスの推進など、企業の個々の課題やニーズに柔軟に対応した総合的な女性活躍支援を実施していきます。

観光業やハイテク産業をはじめ多種多様な企業が共存する京都において、オール京都で取り組む強みを活かし、「京都ウィメンズベース」を中心に女性が輝く京都づくりを一層進めてまいります。

●京都市長 門川 大作氏

門川 大作氏

「女性が輝けば社会も輝く」。この確固たる信念の下、京都市では、子育て環境の整備や女性の雇用促進、「真のワーク・ライフ・バランス」の推進など、女性の社会進出を支えるための取組を全庁挙げて進めています。

今後も、オール京都の推進組織「輝く女性応援京都会議」が中心となり、本年8月に開設した「京都ウィメンズベース」を新たな拠点に、全ての働く女性が心豊かに、生き生きと仕事や家庭生活、地域社会で活躍できるよう、市民の皆様、企業の皆様と共々に全力で取り組んでまいります。

●オムロン(株) 代表取締役社長 CEO 山田 義仁氏

山田 義仁氏

オムロンでは、企業理念の中で「人間性の尊重」を掲げており、多様な人財が個性や能力を存分に発揮し活躍できる企業になることを目指しています。

そして、女性をはじめとして、多様な人財が企業理念を原点に志を一つにしてチャレンジをすることで、イノベーションの創造を実現させ、事業を通じた社会的課題の解決に向けて取り組んでいきます。

京都では、行政と経済団体が一体となったオール京都のメンバーで女性活躍を進めています。われわれもその一員として引き続き全力を挙げて女性活躍に取り組んでいきます。

【神奈川県における取組】

神奈川県では、昨年11月、女性の活躍を応援する社会的ムーブメントの拡大を目指して、企業の男性トップ10名と黒岩祐治知事により「かながわ女性の活躍応援団」を結成しました。

今回は地域における男性リーダーネットワークの好事例として、本応援団の取組を紹介します。

●「かながわ女性の活躍応援団」とは?

応援団員は、女性活躍推進の取組に積極的で、神奈川にゆかりの深い企業の男性トップで、地域や業種をさらに広げるため、今年9月には、新たに10名の男性トップを団員にお迎えし、総勢21名となりました。

県内企業のトップの9割が男性である中、男性トップの意識を変えるためには、既に女性の活躍に積極的に取り組んでいる男性のトップからの働きかけが効果的であると考え、あえて団員は男性のみとしています。男性だけが並んだポスター(※1)では、写真と、「女性がどんどん主役になる。」というコピーの組み合わせに対し、「なぜ?」「写真が間違っているの?」など大きな反響があり、メディアなどを通じて、男性トップによる取組の意味を発信できたことは、大きな成果と考えています。


(※1) 応援団ポスター

●応援団結成の背景~M字カーブからの脱却と「かなテラス」のスタート~

神奈川県は、M字カーブの底の深さが全国で最も深く、この改善が喫緊の課題となっています。そうした中、昨年4月、「かながわ女性センター」が、藤沢駅の近くに移転し、「かながわ男女共同参画センター(愛称・かなテラス)」として、第2ステージをスタートさせました。センターのこれまでの実績と社会の現状を踏まえ、男女共同参画をさらに推進するためには、女性を対象とした事業に加え、「男性」「企業」「若者」の意識啓発を重点的に取り組む必要があるとの結論に達しました。この「男性」と「企業」にスポットをあてた取組として誕生したのが「かながわ女性の活躍応援団」です。

●「全体行動宣言」のほかに団員一人ひとりが宣言

昨年11月に行った「結成式」では、全体行動宣言が採択、発表されました。

また、全体宣言のほかにも、団員一人ひとりに「自社内での取組み」に加えて、「ムーブメント拡大のための取組み」も目標として、個別行動宣言を掲げていただきました。


【知事、団員の全体行動宣言】


【団員(知事)の個別行動宣言】

●応援団の活動

平成27年度は、結成式のほか、「ムーブメント拡大シンポジウム」や「啓発講座」を開催し、取組を紹介する冊子(※2)、PR動画を制作したほか、12回連続のテレビ番組の放送や、横浜駅などで電子広告を流すなど、様々な活動を行いました。

平成28年度は、9月に全体会議(※3)を行い、新団員による個別行動宣言の発表、結成時の団員による1年間の成果等の発表や意見交換等を行いました。今後は、ムーブメントをさらに拡大するため、11月29日に横浜国立大学において、若者も対象としたシンポジウムを開催するほか、啓発冊子やポスターの制作、啓発講座などを予定しています。


(※2) 取組紹介冊子


(※3) 全体会議の様子

●応援団が必要なくなる社会を目指して

本応援団は、女性の活躍を応援する社会的ムーブメントを拡大するため、これからも様々な活動を行っていきます。応援団が目指すのは、一日も早く、「かながわ女性の活躍応援団」が必要なくなる社会。性別に関係なく、誰もが個性と能力を発揮できる社会の実現に向けて、神奈川から全国に発信してまいります。


【リーフレットを作成しました!】

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言に関する皆さんの質問にお答えし、より多くの方に取組を知っていただくため、行動宣言の策定経緯や賛同者の活動内容、賛同方法をまとめたリーフレット「『輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会』行動宣言賛同への招待」を作成しました。

以下のサイトからダウンロードできますので、ご一読ください!

http://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders_sandousya.html