「共同参画」2016年9月号

「共同参画」2016年9月号

行政施策トピックス1

「男女共同参画の視点からの防災研修プログラム」を作成しました
男女共同参画局総務課

男女共同参画局では今年度の6月に、男女共同参画の視点をもって防災施策を企画立案及び実施できる地方公共団体の職員を育成するため、「男女共同参画の視点からの防災研修プログラム」を作成しました。

※防災研修プログラム↓↓

http://www.gender.go.jp/policy/saigai/bosai_kenshu.html

「男女共同参画の視点からの防災研修プログラム」手引書1


「男女共同参画の視点からの防災研修プログラム」手引書2

1.作成の経緯

災害から受ける影響や支援ニーズは、男性と女性で異なります。災害対応における男女共同参画の視点は、防災基本計画や男女共同参画基本計画にも盛り込まれている重要な視点です。東日本大震災においては、女性用の物資が不足したり、授乳や着替えをするための場所がなかったり、「女性だから」ということで当然のように避難所の食事準備を割り振られたり、というように、様々な場面において男女共同参画の視点が不十分な状況が報告されました。平成28年熊本地震においても、発災直後から授乳室等の女性専用スペースや更衣室の確保等、男女共同参画の視点に配慮した運営に取り組む避難所が認められる一方、プライバシーの確保等については必ずしも十分な取組がされていないとの報告がなされるなど、男女共同参画の視点からの災害対応はまだまだ課題があるのが現状です。

内閣府では、平成25年に地方公共団体の防災施策において男女共同参画の視点から必要な事項を示した「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」を作成しましたが、災害に強い社会を構築するためには、男女共同参画の視点からの災害対応について関係者がより一層理解し、防災施策に反映することが重要です。これらのことから、平時から防災施策に携わる職員に対する研修等が実施できるよう、本研修プログラムを作成しました。

2.研修プログラムの特徴

本研修プログラムは、(1)座学とグループワークを組み合わせた参加型の研修(2)具体的な災害シチュエーションを想定して対策を考える実践的な研修(3)地域の実情に応じて研修内容をアレンジできる柔軟な研修という3つの特徴があります。

本研修プログラムは、3部から構成され、セッション1では、「なぜ男女共同参画の視点が防災に必要なのか」について座学にて学習し、セッション2とセッション3では、グループワーク形式で発災時のシチュエーションやこれまでの防災対策の課題から、行政が男女共同参画の視点から行うべき対策を考えます。これらを通じて、防災施策に男女共同参画の視点を反映させ、より一層質の高い施策を企画立案、実施する力を身につけます。

研修プログラムセッション

3.今後の取組

地方公共団体向けに本研修プログラムの説明会及びデモンストレーションを行う予定で、その模様は男女共同参画局のホームページに動画として掲載する予定です。

また、説明会後に全国5ヶ所程度の地方公共団体に実際に本研修プログラムを試行していただく予定です。