「共同参画」2016年8月号

「共同参画」2016年8月号

特集2

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、
女性のチャレンジ賞、
男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰
内閣府男女共同参画局総務課

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰は、多年にわたり男女共同参画社会に向けた機運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などを内閣総理大臣から表彰するものです。

平成28年6月27日、総理大臣官邸において、加藤内閣府特命担当大臣(男女共同参画)出席のもと、男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、女性のチャレンジ賞、男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰の表彰式が行われました。

集合写真

本年度の受章者は以下の皆様です。(50音順・敬称略)

<男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰受賞者>


伊藤 眞知子
山形県男女共同参画審議会会長
(山形県)

山形県男女共同参画計画策定(平成23年3月策定及び平成28年3月策定)においては、審議会の会長として県の男女共同参画を牽引され、男女共同参画の県民意識の醸成に貢献されました。



大日向 雅美
恵泉女学園大学学長
(東京都)

NPO法人あい・ぽーとステーション代表理事として地域の子育て支援、子育て・家族支援の人材養成等を実践されるとともに、男女共同参画推進連携会議副議長・議長として、男女共同参画社会づくりに向けた国民的な取組を推進されました。



大宮 英明
三菱重工業株式会社取締役会長
(東京都)

三菱重工業株式会社の社長・会長として、女性社員採用数の拡大、在宅勤務制度・企業内保育園の整備等、自社内の女性の活躍推進に取り組まれるとともに、日本経済団体連合会の副会長として「女性活躍アクション・プラン」をとりまとめられました。また、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言の策定に携わられ、女性活躍に向けた男性経営者の意識変革の重要性について普及啓発を行われました。



川上 美智子
茨城県男女共同参画審議会委員長
(茨城県)

茨城県男女共同参画審議会副委員長・委員長として初回から今年度の第3次までの県男女共同参画基本計画の策定に携わられるなど、県の男女共同参画推進に貢献されました。



北村 真夕美
青森県男女共同参画推進協議会会長
(青森県)

NPO法人青い森空間創造女性会議理事長・青森県男女共同参画推進協議会長として活躍され、また、青森県男女共同参画審議会委員や内閣府男女共同参画推進連携会議有識者議員等として、県内外の男女共同参画行政に貢献されました。



木山 美佐子
宝川みさこ餅会代表
(秋田県)

農業において、女性の役割は補助的なものという意識が強かった頃から、自ら農業機械を運転するなど主体的に従事し、更に農産物(米)の加工(餅)、販売先の開拓と活動内容を広げ、新たな女性の活躍の場や地域の雇用の創出に貢献されました。また、平成27年から新あきた農業協同組合の理事に就任され、活動の幅を広げられました。



斉之平 伸一
三州製菓株式会社代表取締役社長
(埼玉県)

三州製菓株式会社代表取締役社長として、社内に男女共同参画推進委員会を設け、職場風土改革等を行われるなど、優れた男女共同参画の先進企業に育て上げ、後に続く企業経営者の育成に尽力されました。また、埼玉版ウーマノミクス推進委員会座長として埼玉版ウーマノミクスプロジェクトの推進に貢献されました。



高橋 啓子
聖泉大学副学長
(滋賀県)

滋賀県立婦人センター(現男女共同参画センター)の開設当初から相談業務に携わり、男女共同参画相談の礎を築かれ、現在もスーパーバイザーとして相談室の運営を支援されています。また、滋賀県男女共同参画懇話会や滋賀県男女共同参画審議会の委員として、滋賀県男女共同参画推進条例の制定に向けた提言や男女共同参画計画の改定等に寄与されました。



東福寺 一郎
三重短期大学学長
(三重県)

三重県の男女共同参画審議会に委員として4期8年にわたり就任し、「第2次三重県男女共同参画基本計画」の策定に尽力されました。また、学識者としての豊富な知識と経験を活かし、県の男女共同参画の進展に貢献されました。



野口 郁子
福岡市人事委員会委員
(福岡県)

福岡市男女共同参画推進センター・アミカスの館長を8年に亘って務められるとともに、福岡県男女共同参画審議会の会長を務められ、「第3次福岡県男女共同参画計画」及び「第4次福岡県男女共同参画計画」の策定を指揮を執られるなど、福岡県の男女共同参画の推進に尽力されました。



松本 晃
カルビー(株)代表取締役会長兼CEO
(神奈川県)

女性活躍をはじめとする「ダイバーシティ経営」の推進を進められるとともに、講演等積極的に登壇し企業の経営層の意識改革に貢献されました。


<女性のチャレンジ賞>

女性のチャレンジ賞は、起業、NPO法人での活動、地域活動等にチャレンジすることで輝いている女性個人、女性団体・グループ及びそのようなチャレンジを支援する団体・グループを男女共同参画担当大臣から顕彰し、チャレンジの身近なモデルを示すこと等によって男女共同参画社会の実現のための機運を高めることを目的として、平成16年度から実施しています。

(1)女性のチャレンジ賞 6件


江川 美奈子
特定非営利活動法人きららの木代表
(奈良県)

ごく普通の母親が、子どもの養護学校卒業後の進路を考え始めたことをきっかけに、知人や関係機関の支援を受けて、障がいのある人もない人もともに歩める社会づくりのための法人を設立されるに至りました。「一人ひとりを人として大切に」を理念に掲げ、幼児から成人までの障がいのある人たちに対して、障がい者一人ひとりの特性を大切にした創造的活動または生産活動が行える場を提供するとともに、地域で自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう支援することを目的として、通所事業等を行われています。

江川さんの活動



太田 彩子
一般社団法人営業部女子課の会代表理事
(東京都)

男性が圧倒的多数を占め、長時間労働をはじめとする旧来の働き方が定着していた営業の世界で、女性が出産後も、成果を出しながら家庭や育児と両立して仕事を続けられる「新しい働き方」の創出に取り組まれています。「かしこカワイイ女性を目指す」をキャッチフレーズに、主に会員向けに能力開発やネットワーキングのための勉強会・イベントを開催。企業側へも、女性営業職が活躍するためのコンサルティングや教育・研修を実施。スタートした平成21年以降、会員の輪は3,000人まで広がり、雇用する側、される側への理解促進、環境整備の働きかけをされています。



栗山 奈津子
株式会社あきた森の宅配便代表取締役
(秋田県)

地域の特色を活かして自分の好きなことに取り組みたいという思いから、「山菜採り代行サービス」で、地元の魅力を全国に発信する地域ビジネスを展開。山菜採りに長けた地元の高齢者を「山の名人」に認定し、注文を受けてから名人に収穫を依頼します。地域のお年寄りのスキルを活かし、新鮮な天然山菜を消費者に届けるというユニークなサービスです。高齢者にとって知識や技術を活かして収入を生み出すことが生きがいにもつながっており、少子高齢化が進む秋田県において、年齢を重ねてもなおいきいきと暮らせる社会づくりのヒントにもなっています。

栗山さんと地元の高齢者



堀田 真奈
特定非営利活動法人ワークライフ・コラボ代表
(愛媛県)

地元旅行代理店で約8年間の勤務後退社。転職・結婚・妊娠・出産を経験して、「育児と仕事を両立させるための情報交換の場を作りたい」との思いから、平成19年から活動を開始されました。平成21年9月には、「NPO法人ワークライフ・コラボ」を設立し、人材採用支援事業、ワーク・ライフ・バランス導入支援のほか、地元企業の一般事業主行動計画の策定や進捗管理に対するアドバイザー活動を、愛媛県内を中心に精力的に実施されています。働くお母さん向けの講座やランチミーティング、座談会を開催するなど、地道な意識啓発活動にも取り組まれています。



本間 佑史子
フィッティン株式会社代表
(東京都)

下着メーカーを退社後、27歳で起業。ITと下着の知識を応用した、オンライン上でブラジャーの仮想試着ができる「オンラインフィッティングサービスFITTY(フィッティー)」を開発、運営されています。同じサイズでも着用感が異なるブラジャーの形状をデータ化し、ユーザーの体型データと照合するという仕組みにより、全ての女性が心地よくブラジャーを着用できる環境を整えるという目標を掲げられています。女性ならではの着想をビジネス化し、大手メーカー等を顧客としサービスを展開、新たなテクノロジーベンチャーとして注目の存在です。



山領 裕美
山領ファーム代表
(佐賀県)

玉ねぎの栽培・出荷を手掛ける中で、市場価値のない規格外の玉ねぎを廃棄するのはもったいない、「野菜嫌いの子どもが野菜を食べてくれるようになってほしい」という思いから、「食べる玉ねぎドレッシング」を商品化。海外でもその商品価値は高く評価されています。何ら知識のないゼロからの出発だったため反対の声も多かったそうですが、研修会や講習を積極的に受けられ、商品化に成功されています。

(2)女性のチャレンジ支援賞 2件


東北大学工学系女性研究者
育成支援推進室(ALicE)
(宮城県)

工学系分野においては女性が極めてマイノリティである中、工学を志す女子学生、女性研究者の活躍推進・男女共同参画意識醸成のための各種活動を継続して行われています。育児期の研究者に対する支援要員の派遣やベビーシッター利用料等補助の両立支援のほか、静養室(男女)の整備や、学会や一般公開イベント等の際に一時託児スペースとしても利用できる託児室の新設を実現させています。学内のみならず、工学分野全体における両立支援に尽力されています。



株式会社PLUS-Y
(千葉県)

衰退していく地元商店街の活性化には、「財布の紐を握っている女性の声を取り入れることが大切」と考えられた永田代表により、平成20年に女性マーケティングコンサルティング会社として発足されました。女性視点による販売促進や商品開発支援、イベント企画など、地域密着型のコンサルティングを実施されています。平成24年から、女性ならではの起業へのニーズ・抱える問題にマッチした起業サポート事業も開始。千葉市の起業家支援施設の運営受託や、起業を希望する女性の活動拠点となるレンタルスペース「みずいろ会館」を運営する他、起業イベントの実施や起業希望者向けのセミナーを開催されています。

セミナー風景


(3)女性のチャレンジ特別部門賞 「IT技術を活用した働き方・暮らし方の改善」 3件


今井 房子
株式会社コミュニティネット代表取締役
(埼玉県)

女性が継続就業するための仕組みづくりをしたいという思いから、PCスクールや企業を対象としたIT支援を事業とする「株式会社コミュニティネット」を設立し、PCスクール主体の事業から女性向けスクールへと事業を拡大してこられました。平成27年からは、子育てや介護等の理由で現在離職中の女性の能力を活用する為、プログラミングやシステム構築等の高度ITスキルを持つ働き続けたい女性によるチーム【Work COM】(ワークコム)を立ち上げ、女性の雇用と多様な働き方の推進に取り組まれています。定期的にメンバーが集結し、フォローアップ研修や情報交換会を行い、チームの顔が見える関係の構築を重視しておられます。



ウーマンネットアカデミー&コンサルティング
(神奈川県)

女性の職場復帰や起業において、女性もITスキルの向上は欠かせないという理念のもと、ITが苦手な女性のためのWebアカデミーの運営、女性起業家支援に従事されています。子育て中でも学べるよう、子連れ主婦の参加者の為に、セミナー会場ではおもちゃや絵本を配置するなど工夫をし、希望者があれば目の届くところで付き添い保育も可能としています。一般のパソコンスクールにはない立地や受講環境、時代のニーズにあったIT講座の提供が特徴です。パソコン操作以外にも、スマートフォンや、ソーシャルメディアの安心安全な利用方法、丸山代表がITやマーケティングの専門家として企業に勤務していた際の知見を、起業家に必要な技能として伝授する講習も実施されています。



釧路公立大学皆月研究室
マタニティ・育児支援アプリ開発
(北海道)

出産や子育て経験のない学生たちが、家族や地域のマタニティ、保健師や助産師などの意見・要望を収集し、出産や子育てを支援する様々なアプリを開発しています。研究室OGの土田氏が昨年チャレンジ賞を受賞した「陣痛ダイアリー」にとどまらず、育児支援アプリ「おっぱいですよ」では、授乳データをもとに赤ちゃんとお母さんの生活リズムや母乳時間の間隔を知ることができる上、助産師監修のコメントが表示され、授乳への知識や赤ちゃんの状態への気づきを与えるなど、継続的に新規アプリ開発に取り組まれています。記録データを夫婦や家族全体で共有することで、皆が子育てをしている意識を持てることがポイントとなっています。

研究室の風景


<男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰>


時田 心太郎
(東京都)

「旧来の労働慣行や意識を変え、女性も男性も多様な暮らしや働き方が可能な社会を作るためのキャッチフレーズ」を募集し、応募総数3,299点の中から、審査の結果、時田 心太郎さんの作品「意識をカイカク。男女でサンカク。社会をヘンカク。」を最優秀作品に決定し、加藤大臣から表彰されました。

<男女共同参画に関する懇談会>

6月27日、男女共同参画に関する懇談会を総理大臣官邸において開催し、男女共同参画に関する表彰受賞者、男女共同参画に深い見識を持つ方々や各界で活躍する女性など200名あまりにお集まりいただき、意見交換をしました。

加藤大臣あいさつ