「共同参画」2015年 11月号

「共同参画」2015年 11月号

行政施策トピックス2

リレートーク「東北はいま~男女共同参画の視点からの復興~」を開催
復興庁男女共同参画班

8月21日(金)に独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)主催の「平成27年度男女共同参画推進フォーラム」においてリレートーク「東北はいま~男女共同参画の視点からの復興~」(共催:復興庁、NWEC)を開催しました。

リレートークのテーマ

今回は、岩手、宮城、福島の各県で復興活動に携わっている方々から現状を伺い、被災地の「いま」に関心を寄せ、復興における男女共同参画の視点の重要性を改めて認識することを目的としました。

リレートークに先立ち、男女共同参画班からは被災地での好事例をとりまとめた参考事例集の作成や被災地で男女共同参画の視点の必要性を理解していただくために行っている活動を報告しました。

岩手県の事例紹介

伊藤怜子さん(NPO法人こそだてシップ)は、震災直後から助産師を中心としたメンバーで妊娠初期からのママサロンと助産師による赤ちゃん訪問の活動を展開してきました。子育てを支える制度の整備を市に提言するなど、市民と行政の協働による子育てしやすい地域づくりに取り組んでいます。

宮城県の事例紹介

八木純子さん(一般社団法人コミュニティスペースうみねこ)は、震災直後に「ママ・サポーターズ」として幼い子を持つ親の子守支援を行いました。その後、カフェを建設し、布草履づくりや定食の提供、畑仕事からの農産物を販売するなど、孤立しがちな高齢の男性と女性が長く楽しく働ける居場所づくりを進めています。

福島県の事例紹介

遠藤惠さん(NPO法人市民メディア・イコール)は、福島県の被災女性たちの体験を丁寧に聞き取って記録する活動に取り組んでいます。生活再建のためには心のケアとエンパワーメントの機会が重要であり、女性やマイノリティの声を大切にした多様性の配慮の必要性を訴えられました。

被災地での取組を国内外に発信

国立女性教育会館情報課の山崎裕子情報係長からは、「国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)」と連携して女性関連施設等の復興支援記録を国内外に発信している事業「NWEC災害復興支援女性アーカイブ」について、内閣府男女共同参画局の武川恵子局長からは、震災の経験と教訓を踏まえて平常時からの対応をとりまとめた「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の国内外への公表と啓発、第3回国連防災世界会議で策定された「仙台防災枠組2015-2030」に女性の参画やリーダーシップ発揮の重要性等が盛り込まれた成果について発表がありました。

おわりに

アンケートには「メディアを通して情報収集はできるが、現場の生の声に接する機会が少なく、貴重な機会だった」という感想が寄せられました。被災地からの情報発信の意義と必要性を共有する場になりました。

復興庁では、今後もこのような活動を通して、男女共同参画の視点からの復興の推進に努めてまいります。


会場の様子
会場では、事例集掲載団体から寄せていただいたメッセージ集「復興にかける思い」も配布しました。


参加者とのやりとり


パネル展示で活動紹介